なんということでしょう

 私は自慢の剣を預けた工房へ来た。ここで鍛え直してもらうと見違えるほど強くなると評判の鍛冶屋だ。


 はて。店主の姿が見当たらないな。

 私は、なんとはなしに机の上の斧を手にとった。斧使いでない私でも惚れ惚れしてしまう代物。職人の腕は確かのようだな。


「客か?」


 裏から店主が現れた。無愛想なところがまた職人気質という感じだ。

 私は店主に尋ねた。


「昨日、剣を預けた者です。私の剣はどちらです?」


「ああ、それなら」


 店主は言った。


「お前が今持ってるやつだ」

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