こんがらがーるず

テキナナニカ

01絡

「何かできることはないか」

 彼女は私にそう問いかけた。私はこう返す。

 「私の視界に映らなければ、十分だし十全だ」と。

 しかし彼女にこの言葉が届くことはない。

 彼女にはこの言葉を冗談として受け止めるメンタリティがある。我々の間に何もなかったかのように、ただ平然と、彼女はこう繰り返す。

 「何かできることはないか」

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