T-れっくす
まじろ
1st Album 20センチェリーボーイズ
Track-1 肉棒ぶっとくなって
オッス!俺、平野洋一!県立向陽高校に通う高校1年生。桜の咲く季節、高校デビューを果たしたボクはあこがれの軽音楽部に入部!
部活に入ったら深夜に観たアニメのように可愛い女の子がいっぱい!もちろん思い出もいっぱい!!ライブの後にバンギャのけいちゃん(同級生)と一緒に路地裏を歩く俺。
「あれ?こんなとこにホテルが...」「わたし、ライブで汗かいちゃった。ちょっとシャワー浴びてこうよー」
そしてホテルで結ばれる俺とけい。そうなるはずだった。そうなるはずだったんだよォー!!!
「おい、テメー。もう二度と部活にくるんじゃねーぞ」
「次にバンドやりてぇなんて言ったらこのチンポコ写真、屋上からばらまくかんな」
体育館の準備室。ボクは丸ハダカにされ手足を縛られたまま床に転がされていた。1つ先輩の青木田がボクの腹をつまさきでつつく。
「テメーみたいなずんぐりむっくりがバンドやって女喰おうだなんて百年はえーんだよ」
「まーこんな包茎短小チンポコだったら高校卒業まで童貞だろーけどよ」
ミヤタがプリントアウトしたボクの性器が写ってるプリントをぴらぴらさせながら言うとゲラゲラとした笑いが部屋に響く。後ろにいた岡崎がボクのサイフから札を抜いてみんなに見せた。
「おい、こいつ2万もってたぞ」
「おー金もってんじゃんお前」
「パチ屋行こうぜ、1パチ」
そう言うと3人はドアを閉め準備室から出て行った。ちょっと、ボク、まだ縛られたままなんですけどォー。ピシャリという音を聞くと視界が暗闇で閉じられた。どうしてこんなことになっちまったんだよ...声を出して助けを求めたいが口はタオルで塞がれておりモゴモゴと音が漏れるだけだ。ボクはただ純粋に軽音楽部に入ってバンドがしたかっただけだ。なのになんだこの仕打ちは。まるでレイプじゃないか。
レイプという単語を思い浮かべるとなぜかボクのドラムスティックが大きくなり出したので違うことを考えることにした。どれくらいここに放置されるんだろうか。はー、なんだか泣けてきた。
「いーじゃん。しよーよ。ここでよくない?」
「おまえ、ここはまずいだろ」
「こーゆう所のほうが燃えるじゃん。今日はちゃんとゴムしてよね」
ドアの向こうで男女2人組の声が聞こえる。おお、神よ。ボクはこの瞬間、自分の人生の終焉を実感した。ガラっとドアが開くと閃光のようなヒカリがボクの網膜に焼きつく。茶髪でブルーのパンツを履いた雌犬のような女子高生はボクを見下ろすとぴしゃり、とドアを閉めた。
終わった。ちんこ見られたのに助けてもらえなかった。そんなことより明日からどうやってこの学校で生活していけばいいんだ。ボクはあまりの悔しさで床にうつぶせになった。そしてなぜか自分の下半身を体育マットに擦りつけた。自分で自分を慰める。それ、すなわち、自慰。ボクの軽音楽部に対する怒りは青パンツの女の子への性的欲望へ変わりやがてそれは快楽へと昇華した。白濁したそれをマットに
ぶちまけるとボクは自分のしたことを大変後悔し、たまたまボクを見つけてくれた用具員の後藤さんにマットを汚したことを涙ながらに謝罪した。
体育館の準備室での緊縛プレイ。それがボクの人生初の「ロックンロール体験」だった。伝説はここから始まっていく(たぶん)。
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