5.
「おい、一ついいか。あんたは痴漢を認めてこの子に謝罪するつもりはないんだよな」
「当然だ!やってないものはやっていない!!さっきから何度もそう言ってるだろうが!!」
「そっか……じゃあこれを見てもそう言うのか」
お兄さんが駅員さんの前に差し出したスマホの画面には私が痴漢をされているところが映しだされていた
服をはだけさせられる前なのでまだ決定的な状況にはなっていないが、痴漢にあった充分な証拠である
できればこんな写真を見たくはなかった、私が痴漢されている写真なんて
私の目が無意識に涙目になってしまっているところなんてなんとも屈辱的である
それにまさかこの現場が撮られていたと思ってなかったからものすごく恥ずかしい
他の人にも写真撮られたりしてないよね
うぅ…………穴があったら入りたいよぉ
この反撃は流石におじさんも予想してなかったようでさっきから目が泳ぎまくっている
動揺している証拠だ
「ちょっとあなた、流石にこの写真は門題が……」
「おい聞いてんのかおっさん。痴漢を認めるのか、認めないのか」
「そ、それは…………」
「最も、この写真を見てこれが嘘だと証明できればの話だけど」
「くっ、み、認め………ます」
「あぁ?よく聞こえなかったなあ。もう一度大きな声ではっきりと言ってくれないかな」
「あぁもう!分かったよ認めるよ!!認めればいいんだろ!!」
最後にはおじさんがかわいそうに思えるほどお兄さんに責め立てられた
でもどうしてだろう。さっきから駅員さんの表情がいかがわしくない
これで長かった事情聴取がようやく終わるのに
「…………分かりました。それではこれで事情聴取を終わります。
今から警察を呼びますのであなたはここで少し待機しててください。
あと、あなたはちょっとこっちに」
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