2016年10月

あまいあまい

消滅しては出現を繰り返す禁断の果実

偶然手に触れた



今度はきみの番だと試されている



正解などないのだとしても

いまいちどかんがえる



あまいあまい

スクロースのように舌に溶けて広がって


いたいいたい

果実の酸味はやがて喉を突き刺して


いないいない

神さまですらわたしを見ていない秘密の瞬間



好奇心が欲望を抑えきれず

口に運んだそのとき


果実とともに

今度はわたしが消滅した

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