神斬髪切り屋(かみきりや)参の巻 金剛 1.歴史
神 斬
髪 切 り屋
参の巻 金剛
1.歴史
歴史という物語は、後の世の人が、先人が
いかに生き、どう考え、どう行動したかを検証し
それを読み解く物語である。
故(ゆえ)に、何を中心に歴史を読むかで
その物語の真実が違って見える物でもあるわけだ。
そして、一つの歴史を読み解く時に
そこに関わった人物、それぞれが
いかに生き、どう考え、どう行動したのか?
その結果こそが真実である。
偶然などはそこにはなくて、必然の積み重ねこそが
物語という名の歴史を紡いでいく。
これは、蒼き星の、日出(ひい)ずる国の
とある、人と神と仏が紡ぐ物語である。
この国の神話を読み解くに、「事記(じき)」と「書紀(しょき)」
二つの大きな文献があり、それぞれに同じような
記述(きじゅつ)があり。
また、あった事、無かった事にされている記述(きじゅつ)がある。
それは、その文献を作った人に、それぞれの立場や
理由があり、すこしでも、自分達に有利な歴史を
後の世に伝えたかったからであろうと察する。
この物語を見聞(みきき)している、あなたも
今、思っているであろう、何故?この物語も
序の巻から、いきなり、参の巻に話がとんでいるのかと。
それは、この物語を後に歴史として書き記した
時周という御仁が伝えたかった真実が、こちらの順序の
ほうが物語りを、紡ぎやすかったからであろうと察する。
ともあれ、すべての巻を見聞(みきき)した時に、あなたは
この国の歴史のすべての真実を知ることになるであろう。
それは、偶然ではなくて必然なのだから。
前置きが長くなってしまったが、これから紡がれる物語は
拙僧、空海(くうかい)が一人の人間と出会ったときの物語である。
昔、昔の事じゃったぁ~
とは言っても、これは、今の世を
後の世の人が語る時に使う
物語が始まる時に使う決まり文句である。
ここは、蒼き星の、日出(ひい)ずる国のとある髪切り屋
白狐
「次の戦いでそなた死ぬぞ」
朱右
「白狐(びゃっこ)さんいきなりどうしたんだよ、何の前置きもなく」
拙僧が知らぬ、こんな会話から、物語ははじまる。
白狐
「朱右、そなたが使い方を教えてくれた、このPC(ぱそこん)とやらは、使い方次第では、とても面白きものじゃのぉ」
白狐
「GOOGOO検索、5チャンネル、巫女巫女(みこみこ)動画」
白狐
「もう、ネットをしておったら寝る間もないのぉ」
朱右
「白狐さん、あなた本当に神様なんですか?」
朱右
「ある意味、俺も含めてオタクと呼ばれる人々の、ネット3種の神器とも言われ、サイトをすでにマスターしておられる」
白狐
「朱右よ、神である、我の情報処理能力をなめるでないぞぉ、よく考えてみろ、社(やしろ)にお参りに来る人々の願いを、いつも聞いて、良き事には少しづつ関与しておるのじゃぞ」
白狐
「言うなれば、5チャンネルに新しくたった、スレッドに、すぐに答えを書き込むような作業を、するのが、我の本業じゃからのぉ」
白狐
「間違っても、人々にGOOGOOれ、カスなどとは言わぬ、優しい神様じゃろぉ」
朱右
(この人、いや、神、白狐さんの本名は、倉稲御魂(うがのみたまのかみ)俺たち人間が、稲荷大明神と呼ぶ神様だ。
身体でいる時の現代名稲荷要子(いなりようこ)
俺が小さい頃、俺の持つ特殊能力がきっかけで知り合い、黒髪=悪い神や祟りの類(たぐい)と戦った神様だ、今年の正月の黒髪不死(くろかみふじ)との戦いの後、俺の店(髪切り屋)にいすわって11ヶ月が経とうとしていた)
朱右
「俺としては、その稲荷大明神の白狐(びゃっこ)さんが、現代のネット掲示板に例えて、本業を語っていることが問題だと思いますが・・・・」
朱右
「しかも、田舎の町の小さい社(やしろ)にお願いに来る事なんて、家の息子に良い嫁が来ますようにとか、その逆とか、一般のお母さんの普通の願いぐらいでしょう」
白狐
「いや、朱右、そうとも限らぬぞ、この前のぉ・・・」
朱右
「白狐さん、ストップ、そこからは、個人情報になるから、話しちゃダメ」
白狐
「なんじゃつまらぬのぉ」
「なら別の話じゃがのぉ、朱右、そなた四天王最弱のネタを知っておるか?」
朱右
「白狐さん、それっ、ネットのネタでしょ・・・・」
「××がやられたそうだな ○○「クククッ・・・・、しかし奴は四天王の中でも最弱」ってこんな感じのネタでしょ」
白狐
「さすがに、よく知っておるの、実は昨日そのネタを、見つけてのぉ、我としては、大笑いしたわけじゃ」
朱右
「たしかに、例えとしては面白いと思いますが、大笑いするほどのネタなんですかね?いまいち、俺には、白狐さんの笑いのツボが、よくわかりませんが」
白狐
「まぁよく聞け、四天王というのは、もともと仏教の守護神でのぉ
須弥山に住む帝釈天(たいしゃくてん)を四方から守護している仏様なのじゃ
東を守る持国天(じこくてん)
西を守る広目天(こうもくてん)
南を守る増長天(ぞうちょうてん)
北を守る多聞天(たもんてん)
多聞天とは意訳で音訳で言う毘沙門天(びしゃもんてん)のことなのじゃ」
朱右
「へー、勉強になりました。毘沙門天って、戦国武将の上杉謙信公が旗印にしてた仏様の名前ぐらいしか知らなかったです」
白狐
「でのぉ、四方を守っている仏のうちどの仏が、一番弱いかという発想は神である、我にはなかったものでなぁ。人間とは、面白き事を考えると思って大笑いした訳じゃ」
朱右
「で、白狐さん的には、どなたが最弱の仏様なんですかね?」
白狐
「我は仏の専門家ではないので、よくわからぬが、我が思うに、守っている者のなかで、一番弱いとわかっていれば、真っ先にそこから攻めるがのぉ。まー、策の常識というか・・・」
白狐
「おお、丁度、仏の専門家で、我の古きからの友、いや、悪友かのぉ、次の戦いが始まる前に奴に会いに行くつもりであった。そいつに、聞いてみるとよいじゃろう。」
朱右
(この神様、絶対、俺を都合よく使うつもりで、この四天王の話をふってきたんだろうなぁ。カワイイ顔してるけど、とんだ策士、いや狐だから、化(ば)かされないようにしないと・・・)
白狐
「朱右、今、何か邪(よこし)まな事を考えておったじゃろう」
朱右
「いえいえ、何もかんがえてませんよ(汗)と ところで、次の戦いで俺が死ぬと言う、壮大なフラグを立てておいて何の説明もなしですか?」
白狐
「朱右、今、フラグと言うたか(喜)」
「フラグと言う言葉、こうゆうときに使うのじゃな」
「フラグが立つの実例が聞けて我はうれしいぞ」
朱右
「白狐さん、なんだか話そらしてないどうして、次の戦いで俺が死ぬって?根拠を話てよ」
白狐
「朱右、言わねばならぬか」
朱右
「言ってください」
「だいたい、前回不死(ふじ)の黒髪と戦った時も、家康さんの協力と白狐さんの策でちゃんと勝てたじゃないですか」
(後に語られる弐の巻東照参照)
白狐
「では、お墨付きをもろうたので言うがのぉー」
「昨日、我はネットを見るエクスプローラーという機能に履歴という項目があることに気づいてのぉ」
白狐
「我が見たサイトと、違うサイトの閲覧記録があってだのぉ」
朱右
「で?」
白狐
「ここまで話しても、朱右、そなたきづかぬか?」
朱右
「何の事でしょう?」
白狐
「その閲覧記録をじゃのぉ」
朱右
「ああっ!見ちゃった訳ね」
白狐
「朱右すまぬ、つい出来心でじゃ」
「でのぉ、そのサイトには、グラビアアイドルとかいう、着ているのか、着ていないのかわからぬ、装束(しょうぞく)をきている、きれいな女人の画像がのっておってじゃのぉ」
「故に、次の戦いで、そなたは死ぬという事になる訳じゃ」
朱右
「白狐さん、俺には全然話しのつながりがわかりませんが?」
朱右
(てっきりフラグを立てて、GOOGOO検索で調べた、近くにおいしいラーメン屋を見つけたから、食べにつれていけとか言ってくるのかと思ったが、斜め上からきたか、まさか俺がグラビアアイドルのサイトを見ているのがバレルとは)
白狐
「でのぉ、朱右丁度良い機会じゃ、一つ聞きたいことがあるのじゃが」
朱右
「はい、何でしょう?」
白狐
「そなたは、何故、彼女をつくらぬのじゃ?」
朱右
「ぶー」
朱右は飲んでいたお茶を噴き出した。
白狐
「我が言うのもなんじゃが、そなたは仕事はまじめにしておるし、顔もソコソコ、マシな部類じゃ。何故に彼女ができぬのじゃ?そなたの母上が先日社(やしろ)にお参りに来て、家の息子に良い嫁がきてくれるようにとお祈りしておったぞ」
朱右
「白狐さん、家のかーちゃんの個人情報、しいては俺の個人情報がもろバレなんですけど(怒)」
朱右
「白狐さん、俺が彼女を作らないのは・・・・」
白狐
「つくらないのは・・・・?」
ゴクリ
朱右
「御神体か身体かわからない神様が、11ヶ月前に突然押しかけて来て、朝方から、身体でいる時は眠い俺を無理やり起こしてお腹すいた、何か食べさせてくれと言ったり。俺が仕事しているときは、御神体でお店の二階から仕事してるのをのぞいたりしているからですよ。女人の神様が居候しているのに彼女なんかつくれませんよ全くなに考えてるんだか(怒)」
白狐
「我がいるから、彼女ができぬのか?そなたの母上には、すまぬことをしておるのぉ」
朱右
「俺にじゃなくて、かーちゃんにか」
白狐
「朱右落ち着け」
朱右
「まっ、白狐さんが悪いわけじゃないよ。彼女ができないのは、単に俺がもてないだけで・・・」
白狐
「朱右よ、落ち込むでない。なんなら、我が身体の状態で、一緒に寝てやってもよいぞ。我は神だから、そなたの嫁にはなってやれぬが、グラビアアイドルとか言う女人ほどではないが完全体ではないにしろ、歳的には、そなたがロリコンとか、呼ばれはしない見た目には回復しておろう。それと、正月に家康と話した時に説明したが身体でいると、お腹がすくのでいっぱいたべるがのぉ」
よくわからないが、白狐が胸を張り何かをアピールしているようだ
朱右
「食べるって・・・最近、身体になって本当に食べるほうがおいしいと言って 食べる時には、普通に身体で食べてるじゃないですか」
朱右
「子供の時の、狐うどん食べてたときみたいに、御神体でいれば、お供えするだけでお腹がふくれてた、便利な設定はどうなってしまったんですか」
朱右
「おかげで、食費は2倍、いや、白狐さんが、俺の倍近く食べてるので約3倍ですよそんだけ食べて、太らないんだから、世の一般の女子から、うらやましがられますよ。白狐式、食べても太らないダイエット本でも出せばベストセラーまちがいなしですよ」
朱右
「全く、おかげで、お店の稼ぎでは経費がぎりぎりですよ、お金がないと、彼女ができてもデートもできません」
白狐
「なんじゃと(怒)朱右、神である我が下手(したて)にでてやっておるのに」
朱右
「神だからって、いつも上から目線の白狐さんに言われたくありませんね」
朱右
「とりあえず、一緒に寝てもらわなくてもいいです」
白狐
「なんじゃ、つまらぬ奴じゃのぉ」
白狐
「次の戦いで本当に死んでも知らぬぞ」
朱右
「絶対死にませんって」
白狐
「きっー、本当に憎たらしい奴じゃ」
空海
(こういうやり取りが拙僧の知らない時にあったとは、拙僧としては、二人のやり取りは普通の彼氏と彼女の、痴話げんかだと思うのですが・・・)
この物語を読み返している、今となっては、良き歴史だったのかもしれません。
そして、拙僧からすれば、うらやましい話でございます。
神 斬
髪 切 り屋
参の巻 金剛 1.歴史
完
旅立つ先で君が出会う者
光の力、色が輝く
行き着く先に、確かな真理を求めて
さあ、飛びたとう蒼き星に
終末の世界で渦巻く黒き思いを
神代(かみよ)と浮世(うきよ)の狭間(はざま)
魂の力で戦う
失った記憶、舞う白髪(しらかみ)
君が髪切り屋
魂の刃(やいば)、力に変え黒髪断ち切る
見つけだすよ、色と言う絆
君が目指した真理とは何?
歪(ゆが)んだ世界、新たに始まる物語(ストーリー)
日出る国で君と仲間と
神 斬
髪 切 り屋 参の巻 金剛2石道に続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます