第22話 自転車友達

「なあ、さっきの話、今日でもいいか?」

「へ?」

「ちょうどお前の家の前に着いたことだし」

「え?え?今からこのままわたしん家に上がるってこと?」

「うん。別にいいよな」

「駄目じゃないけど・・・・」

「インターフォン、押すぞ」

 ああ。まさか、こんなことになろうとは。今日は日曜日だ。おばあちゃんとお母さんだけじゃなく、お父さんもいる。別にコタローとはやましい関係でも何でもないけれども説明が非常に面倒臭い。唯一おばあちゃんはコタローの存在は知ってるけど、顔を見るのは初めてだ。

 インターフォンを押した後、コタローが勝手に喋り始める。

「こんにちは、高瀬といいます。シズルさんの友達です」

 やがて廊下を小走りで駆け付ける音がしてドアがガチャッと開く。

「突然お邪魔してすみません。」

 コタローがやけに丁寧な態度を示していて、一瞬誰だか分からなくなる。

 お母さんがコタローをじろじろ見てる。そして、わたしに怪訝な眼を向ける。どうやらわたしから反応するしかなさそうだ。

「高瀬小太郎くん。友達・・・自転車友達」

「え?」

「だから、自転車友達」

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