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    発想は無限大、小説とはそのような限りない世界を描けるものなのだなと思いました。フランスは今夏の熱波により、死者まででていたという報道や、女優の杏さんの話などでもその過酷さを耳にしておりました。

    それにしても、このような素晴らしい発想のストーリーに、これこそ発明ではないかと思った次第です。

    荒廃した未来のパリを舞台に、室外機という身近な存在から環境問題、都市の景観、そして人間の暮らしそのものへと発想を広げていく展開が、大変興味深かったです。

    ルルの発明は、単なる便利な道具の開発にとどまらず、街の姿を変え、人々の価値観までも変えていく。その過程が、SFのように想像が広がりますね。

    なかでも印象的なのは、技術的な合理性だけでは美しさを取り戻せない、という視点。便利であれば良いのか。人間が本当に求めている豊かさとは。

    その様な問いかけが、物語の奥に感じられました。

    そして、壮大な未来の物語を締めくくる「犬のフンだけだな」という一言。どれほど科学が進歩しても、最後に残るのは人間の日常的な問題。もっといえば、そこに至るまでの、ヒトの知性が向上しなければ、本当の安全や幸せは来ないということかもしれません。

    環境問題を扱いながら、説教臭さではなく、発明の面白さとユーモアで読ませる。未来への希望と、ちょっとした皮肉が心地よく同居した、素晴らしい作品でした。

    作者からの返信

    応援コメント、励みになります。
    素晴らしいレビューまでいただき、本当にありがとうございます。
    別のSF作品で書いた窓の機能が気に入り、この小説が生まれました。
    昔も今も、パリには犬のフンがたくさんあるそうです。きっと未来もあるのだろうなと想像しました。