第十一話 帰還への応援コメント
上手いなぁー――!
所長が迷わず書いた「成功」の二文字。もう、このへんから胸が熱くなりました。
そして、帰還した山根さんがロープをほどき、古新聞を縛る場面。
同じロープなのに、その使い道が変わったことに涙が出そうになりました。
誰も「生きろ」とは言わなかった。
ただ一緒に食事をして、何気ない時間を過ごしただけ。
それでも、山根さんの心には確かに温もりが残っていたのですね。
最後の「ぬる燗が、飲みたいな。」が本当に素敵です。
作者からの返信
ブナさん、ロープのところ、受けとってもらえてほんまにうれしいです。第一話からずっと、誰も口に出さへんように書いてきたので、ここでちゃんと届いたとわかって、ほっとしました。
生きろ、とは誰も言わへん。言われても、たぶん山根さんは沸かへん人なので。ただ飯食うて、皿洗うて、ヨッで別れる。それだけで、古新聞を縛るくらいの元気は残ったんやと思います。
最後は、ぬる燗の一言で終わらせたかったんです。題の「沸きません」と、ちょうど釣り合うように。
残るは最終話。司令室の、次の朝です。
第十話 食卓への応援コメント
「……うちの娘、そんなん書かへんで」
このひと言が切ない。
最初からすべてを知りながら、役者たちの仕事を思って付き合っていた山根さん。その不器用な優しさにも心を打たれます。
そして、台本を捨てて囲んだ食卓。
誰も励まさず、何も求めず、ただ一緒にご飯を食べる。
「すまん。もうちょっとだけ、もらえるか」
山根さんがおかわりを頼む場面です。
心の温度を数字で示すだけでなく、自分から「もうちょっとだけ」と言えるようになった小さな変化がありましたね。
最後の「人肌です」
これだーーー!
作者からの返信
ブナさん、十話まで付き合うてくれはって、ほんまにありがとうございます。
最後の「これだーー」で、思わず声出して笑いました。十話かけて、やっとあの数字まで連れてこられました。
おかわりのところ、気づいてもらえてうれしいです。山根さんは最後まで奮起しませんけど、あの「もうちょっとだけ」が、この人なりの精一杯やと思って書きました。
あと二話。湯冷めせんうちに、見届けてやってください。
第八話 こんな若かないへの応援コメント
「おれのかあちゃん、こんな若かない」
このひと言に、山根さんの思いが詰まっているように感じました。
そして、澄江さんたちが山根さんの気持ちを守ろうと、熱田さんに意見する場面が素敵ですね。
自分の演出が逆効果だったと気づきながらも、長年のやり方を捨てられない熱田さんの苦悩も……
熱田さんも単なる頑固者ではなく、二十年間の仕事への誇りがあるからこそ変われないのかな?
作者からの返信
ブナさん、ありがとうございます。
この作品で一番気に入っているのが実は「澄江さん」なんです。
役者と山根の間にはもうどこか通じ合っている部分があります。
「事件は現場で起こってるんだ」と誰かムロイ(熱田)さんに言ってあげてほしいです。
熱田さん、彼はそもそも、沸騰させなければと思っている人です。
沸騰させないと、戻してもまた冷えてしまう。
冷やしたまま帰したら、その後どうなるのか、一番責任感じていると思うんです。
彼は本当に山根の事を思っての行動なんです。
その気持には嘘はないんやと思います。
ただ子供相手ばかりしていた熱田さんなので
大人の温度が多分わからなくなっているのかも知れません。
というかとても素敵なレビューまでありがとうございます。
書きたかった思いが全部詰まったコメント本当に涙ちょちょぎれまくりです。ありがとうございます。今日は幸せな心地で眠れそうです。
第七話 ふるさとへの応援コメント
台本を捨てた役者たちとの何気ない会話や、黙ってみかんを渡す澄江さんの優しさには、胸が温かくなりました。
用意された感動ではなく、飾らない言葉や思いやりが山根さんの心を動かす。そこが素敵ですね。
それなのに、最後の急展開! せっかく温まった心がどうなってしまうのか、続きが気になります!
作者からの返信
実は、この話書いている時、ちょっと遊園地の着ぐるみを想像しながら書いていました。よくおじさんたちが、ミッキーマウスに、あんた時給なんぼやとか、暑ないかとか聞いてしまう心無いおじさんがいますよね。あんなイメージで書いてました。
まあ山根の場合は、いたずらで言ってるわけでなく、素直に聞いてるだけなんですが。
でも役者とは徐々に仲良くなってますよね。
第六話 反省会への応援コメント
山根さんの心が温まるのは、いつも台本にない何気ない瞬間。
そのことに気づき始めた職員がいる一方で、熱田さんはまた壮大な演出を……!
しかも、大阪の下町育ちなのに、田んぼと縁側と柿の木って!(笑)
笑ってしまうのですが、山根さんが母親の最期に間に合わなかった過去は切ないですね。
「人の心を温める」とはどういうことなのか考えさせられました。
作者からの返信
ブナさん、ありがとうございます。
無理ありますよね。でも大阪に住んでいる私も、ふるさとと言われれば
この情景を思い出すんですよね。日本人の原風景はやっぱり田舎にあるんだと
思います。なべっこ遠足が食べたくて、ユーチューブで検索してたら、きれいな所が一杯でてきて、秋田に行きたーいってなりましたよ。
山根の過去の描き方、かなり考えました。どうやったら切なさがだせるかと思い。
ちゃんと伝わったようで頑張った甲斐がありました。いいところを拾って頂いてありがとうございます。
第五話 渡さない手紙への応援コメント
何気ない会話の中で、少しずつ山根さんの本当の気持ちが見えてくるところが印象的です。
人の心は、誰かが用意した感動では動かせないものなのですね。
そして、渡さなかった手紙に込められた思いが……切ないです。
「人を感動させるための演出」が、かえって相手の気持ちを踏みにじってしまう皮肉。
最後の「渡すかい、こんなもん」が重く響きますね……
作者からの返信
徐々に笑い話ではなくなっていく感じが難しかったです。
脳内イメージは深夜の低予算ドラマの感じで作ってまして、異世界といいつつほとんど、その辺で全部撮れそうな感じになってます。役者のヒリヒリ感が徐々に山根にも伝わっていく感じがでてたらいいな。「誰かが用意した感動では動かせない」耳に痛い言葉です。
第四話 鏡のない学校への応援コメント
ちょっと待ってください! 54歳を17歳の高校生にするって、無理がありすぎませんか!(笑)
しかも若返らせるんじゃなくて、鏡を全部撤去!
スプーンまで一本ずつ曇らせて、雨も18日間禁止って! そこまでやるなら若返らせてあげてください!
気の毒です(笑)
おまけに、さっきの強面のお兄さんが今度は教頭先生! ジャージと竹刀で別人になるわけないのに、真面目にやるからおかしい。
職員たちの真剣さと作戦の無茶苦茶さが絶妙で、今回も大笑いしました!
作者からの返信
ブナさん、お怒りごもっともでございます。
元々10代の少年少女しか扱ってなかった部署なので、多少は仕方ないと思うんですがそれでも正気の沙汰ではないです。追い込まれてます。熱田チーフが追い込まれて大暴走してます。あと2回この暴走が続きます。書いててもイラッとしてます。役者たちもかなりイラッとしてます。最後のためにこの積み重ねがいるんです。多目に、どうか多目に見てやって下さい。m(__)m
第三話 ぬる燗への応援コメント
ちょっと待って! 山根さん、せっかく気持ちよく飲んでたのに!(笑)
ぬる燗とおばんざいで心の温度が上がったんだから、そのまま飲ませてあげてくださいよ!
なのに、なぜそこで強面の男を投入するんですか! しかも照明まで絞って、完全にお芝居じゃないですか!(笑)
山根さんの「これ、なんの芝居なん」が最高でした。
特に笑ったのは、強面役一筋二十年の権藤さんが、山根さんのひと言で台詞を忘れてしまうところ!
二十年のキャリアが、たったひと言で崩壊(笑)。
しかも職員たちは山根さんの心を「沸かす」ことに必死なのに、本人が求めているのは「ぬる燗」。
タイトルまで見事にオチに効いていますね!
作者からの返信
ブナさん、第三話もありがとうごぜます。
職員たちは、とにかく盛り上げなきゃと思って、余計なことばっかりするんだす。山根さんはただ、ぬる燗でちびちびやりたいだけなのに(笑)
権藤さんの二十年が一言で崩れるとこ、笑ってもらえて嬉しいっす。ああいう、構えたところを素で外される笑いが、どうにも好きなもんで。
沸かしたい職員と、ぬるいのがいい山根さん。タイトルと副題まで汲んでもらえて、もう言うことねぇっす。
へば、また!
第二話 資料への応援コメント
感動的な異世界転生の裏側が、まさかの職場だったとは! この発想が面白いですね(笑)。
54歳の山根さんに、これまでの成功パターンがまったく通用しない。慌てふためく職員たちの掛け合いに笑ってしまいました。
でも、キャベツ一玉を買えなかった理由には、胸が締めつけられました。
「五百円が高かったんちゃう。……多かったんや」
このひと言が効いていますね。
家族を失った寂しさを長々と説明しなくても、食卓の変化だけで伝わってくる。
豪華な演出よりも、その人が本当に求めているものを知ることが大切なんですね。
笑いの中に人生の切なさと温かさが感じられる、素敵な物語です。これからの職員たちの奮闘が楽しみです!
作者からの返信
ブナさん、来てけだが。ありがとさん。
んだ、異世界さ行ったら、そこは職場だったんだ。夢の国も、裏さ回れば会議と反省会だべ。
キャベツのとこ、気づいてけでうれしいじゃ。あの一玉は、書いでるこっちも、ちっと黙ってしまったもんな。
熱田のチーフは、根はええ人なんだども、張り切りすぎるのが玉にきず。この先も、だいぶ空回りすっから、笑ってやってけれ。
山根さんは、なかなか沸がね。んだども、それがこの話の湯加減だ。
したっけ、またおいでんせ。
第十二話 次の人への応援コメント
最初に「家族」の文字を消し、最後に「ごはん」と書く。
新しい候補者のために、ホワイトボードに書かれた「ごはん」
あれほど感動的な演出にこだわっていた熱田さんの変化ですね。
感動の演出を考える前に、まず「ごはん」を用意しようとするところ。
山根さんとの出会いが、職員たちの心も変えたことが伝わってきます。
そして、過去の記録に残された「三十六度一分」が気になります。
最後に聞こえるお米をとぐ音が、とても温かく感じられました。
静かな余韻と希望が残る、素晴らしい物語をありがとうございます。
作者からの返信
ブナさん、最後まで付き合うてくれはって、ほんまにありがとうございます。
熱田のホワイトボード、最初と最後を並べて読んでもらえたのがうれしいです。あの人は二十年分のやり方を手放したわけやなくて、一行目に何を書くかだけが変わったんやと思います。
三十六度一分の背表紙は、中島と同じように、手に取りかけてやめておきました。続きは、ブナさんの想像にそっとお預けします。
お米をとぐ音で幕にしたのは、誰かのためにごはんを用意する音が、この話でいちばん温かい音やと思ったからです。
毎回のコメント、ちょうどええ燗の具合で届いてました。おおきに。