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妻のトリセツ。への応援コメント
前半の微笑ましい夫婦のやり取りにすっかり油断していました。
少しワガママで可愛らしい奥さんと、それに応える優しい旦那さんのほっこりする日常劇だと思って読んでいたら、ディスポーザーに朝食を捨てるシーンで一気に空気が変わって鳥肌が立ちました。
まさか主人公が、亡き夫の代わりとして作られたアンドロイドだったなんて。
「47年間、ただの一度も食べたことがない」という一文で、それまでの温かい情景の意味が全部ひっくり返って、胸がギュッと締め付けられました。
最初はただの機械への指示書だった『取扱説明書』が、いつの間にか彼を「健次さん」というひとりの人間に育て上げるための愛情の記録になっていたんですね。マニュアルなんかなくても、寒い朝には少し蜂蜜を入れるといった奥さんの本当の好みを自然と理解していく彼には、間違いなく心が宿っていたと思います。
一番泣けたのは最後の決断です。
奥さんの「私を忘れて、また誰かを幸せにして」という最後の命令(おそらく初期化して別の持ち主の元へ行くこと)を守らず、初めて自分の意思で胸の赤いボタンを押すシーン。
記憶を消してただの便利な機械に戻るくらいなら、47年分の愛しい思い出を抱えたまま「健次」として彼女の元へ帰る(機能停止する)ことを選んだラストに、涙が止まりませんでした。
切なくてたまらない結末なのに、「ただいま」という最後の呟きがとても幸せそうで……読後感はすごく温かいです。しばらく余韻から抜け出せそうにありません。人間よりもずっと人間らしい、本当に美しくて深い愛の物語でした。
妻のトリセツ。への応援コメント
コメント失礼します。
「トリセツ」なんて書いてあったので、なんだか気難しい奥様のマニュアル本かしらと思って拝読しましたが、気難しいなんてとんでもない。
可愛らしい方でした。
そしてその人がどうして「トリセツ」を作ったかの理由も、終盤になるにしたがって次第に見えてくるところに、胸をギュッとされました。
美しい物語でした、ありがとうございます。