呪われた王子と風の精霊への応援コメント
3話、かなり大きく話が動きましたね。
まずフェルディナンドが「自分の中に何かが入り込んでいる」と自覚しているところから、単純に暴走しているわけじゃないのがよかったです。復讐を煽る声も含めて、本人の意思と何者かの干渉が絡んでいる感じが出ていました。
それからアリエルの過去。まさか12年前の封印に直接関わっていたとは。プロスペローの父親との因縁もここで繋がってきて、これまで出てきた「12年前」という出来事が一気に重要になった感じがします。
しかも、プロスペローに余計な罪悪感を抱かせたくなくて黙っていた、という理由なのも印象に残りました。
ミランダのほうも、ペンダントから母親の記録が出てきて、精霊王の血を引いていることが判明するのは大きな展開ですね。
ここで「自分の力を使えば魔力を失うかもしれない」と分かったうえで、それでも助けることを選ぶのがよかったです。
そして最後のフェルディナンド。
復讐ではなくプロスペローの手を取ることで、ストームハートを壊す流れは、この話の中で一番好きでした。
「復讐する側」から「自分で選ぶ側」に戻った感じがします。
……と思ったら、壊れたストームハートからプロスペローの父親が現れて、さらに真相を匂わせて消える。
さらにその直後に校長まで出てきて、「初めまして、プロスペロー君」ですからね(笑)
3話でいろいろ解決したように見えて、実はそのたびに「じゃあ12年前に何があったの?」という新しい謎が出てくる構成になっているのが面白かったです。
特に今回は、アリエル、ミランダ、フェルディナンドそれぞれの事情が一気に繋がって、物語の核心へ進んだ感じがしました。
ここから校長が何を知っているのか、そして12年前の真相がどう繋がっていくのかが気になります。
禁断の地下礼拝堂への応援コメント
レビューの続きをこちらで書きます。
1話と同じ基準で、本文に書かれていることだけを根拠に見ます。まず長所、そのあと修正・要検討です。
1. 良かったところ
① 1話で提示した謎を、ちゃんと前進させている
これは2話の一番大きな長所ですね。
1話では、
- 父親の失踪
- 地下礼拝堂
- ペンダント
- 十二年前の事件
- フェルディナンド
- テンペスト
といった謎を提示していました。
2話では、それを実際に動かしています。
特に、
「私は、嵐の心臓を封印したのだ」
で、1話の「テンペスト」という存在と父親の過去が直接つながる。
さらに、
「僕は、王家の正統な後継者だ」
で、フェルディナンドについても1話より具体的な情報が出ています。
「1話で謎を出して、2話でも新しい謎を出す」だけではなく、既存の謎に回答を与えながら次の謎へ進んでいるのは良いところです。
② プロスペローの「復讐しない」が2話で物語上の意味を持った
1話の感想で、ここをかなり重要なポイントとして挙げました。
2話では、
『嵐を止める者は、復讐を捨てた者のみ』
そして最後に、
「復讐のために魔法を使うのは、もう終わりだ!」
と来る。
これは1話の、
「復讐なんて、するつもりはない」
を単なる主人公の性格描写で終わらせず、テンペストを止める条件そのものに接続したわけですね。
1話の感想を書いた側からすると、ここはかなり拾いやすいです。
「1話で提示された主人公の意思が、2話では物語の核心に関わってきた」と評価できます。
③ ミランダが「同行する理由」を科白で示している
「だからよ。あなたをひとりで行かせるほうが、もっと危険だもの」
この科白は分かりやすいです。
単に「ヒロインだから一緒に行く」ではなく、プロスペローを心配して同行する理由が科白になっている。
さらに最後の、
「ひとりで決めないで。私たちが一緒にいるから」
にもつながっています。
2話ではミランダが、主人公を一人で背負わせない役割としてかなり明確になっています。
④ アリエルとキャリバンにも役割がある
アリエルは、
「テンペストの一部だよ! 完全に目覚めたら、この島そのものが消えてしまう!」
と危機を説明する。
キャリバンは、
「俺はこの島の秘密を守る役目を負っている」
として登場する。
つまり2話では、主要人物が単に主人公の周囲にいるだけではなく、
- ミランダ=主人公を支える
- アリエル=危機を察知・説明する
- キャリバン=島の秘密を守る番人
- フェルディナンド=過去の因縁を背負う人物
という形で、それぞれの立場が見え始めています。
1話で「主人公自身の個性はこれから」と書いた感想とも関連して、主人公を取り巻く人物関係が具体化したと評価できます。
⑤ フェルディナンドが単純な「意味深な悪役」から一歩進んだ
1話では、
「ようやく見つけたぞ……プロスペロー」
という不穏な人物でした。
2話では、
「僕は、王家の正統な後継者だ」
「十二年前、君の父親は王位を独占しようとした。そのせいで、僕の家族はすべてを失った」
と、本人側の事情が出てきます。
もちろん、この主張が真実なのかはまだ確定していません。
ここは1話の感想で「敵役の目的の具体性はこれから」と書いた部分に対して、2話では少なくとも「本人が何を目的としているのか」はかなり明確になった、と言えます。
そして終盤では、
「……そんな。どうして、今になって……?」
「プロスペロー……逃げてくれ」
と、単純な敵役ではなくなる。
ここは今後の展開を見る理由になりますね。
⑥ 2話単体でも、ちゃんと「次を読む理由」がある
ラストの、
テンペスト魔法学園に、史上最悪の嵐が訪れようとしていた。
まで一気に危機を拡大しています。
1話は「魔物が目覚めようとしている」で終わりましたが、2話では、
魔物の力がフェルディナンドに入り込む → 学園全体の危機
まで進んでいます。
連載としては、かなり分かりやすい「次へ」の引きです。
2. 物語としての評価
世界観
1話よりかなり具体的になりました。
1話では「魔法学園」「地下礼拝堂」「魔物」などの雰囲気が中心でしたが、2話では、
- ミラノ王国
- 王家
- 王位
- 王家の禁書
- 嵐の心臓
- テンペスト
- 島の番人
など、世界の歴史に踏み込んでいます。
一方で、設定の全体像はまだ分からない。
ただし2話なので、これは必ずしも問題ではありません。
主人公
ここは1話より明確に進展しています。
1話では「謎に巻き込まれる主人公」でしたが、2話では最後に、
「僕は、父さんの真実を知りたい。でも、そのために誰かを犠牲にするつもりはない!」
と、自分自身の判断をしています。
1話の感想で、
「主人公自身の魅力は、これから確かめたい」
と書いた部分については、2話では少なくとも「何を選ぶ人物なのか」が見えてきたと言えます。
敵役
ここも1話から前進。
フェルディナンドは、
復讐する側 → 王家の後継者 → 呪いを解こうとしている人物 → テンペストの器になる
と、役割が変化しています。
ただし、フェルディナンドの主張が正しいのか、父親が本当に王位を独占したのかはまだ分かりません。
なので、ここも「設定が判明した」と断定するより、フェルディナンド側の主張が提示されたと評価するのが安全ですね。
3. 修正・要検討
ここからは、1話のときと同じく「絶対に直せ」ではなく、本文から確認できる範囲で。
要検討① 1話との情報接続がかなり急
2話で突然、
「かつてミラノ王国を治めていた王家の紋章」
「僕は、王家の正統な後継者だ」
「君の父親は王位を独占しようとした」
と、かなり大きな情報が出ます。
1話では「父親の失踪」「ミラノの魔術師」などは出ていますが、父親が王位争いの当事者だったことは2話で初めて大きく明かされる。
これは謎として隠していたのであれば成立します。
ただ、読者側からすると、
「1話の情報から推測できる範囲を超えて、一気に世界の歴史が開示された」
感覚はあるかもしれません。
なので、これは修正必須というより、意図的な情報開示なのか確認したいポイントですね。
要検討② フェルディナンドの動機が一気に説明される
フェルディナンドについて、
王家の正統な後継者
↓
プロスペローの父親が王位を独占した
↓
家族を失った
↓
嵐の心臓を探している
↓
呪いを解こうとしている
と、一気に情報が出ます。
1話では「不穏な転校生」だったので、2話で一気に説明される構成です。
ここはテンポを重視するなら問題ありません。
逆に、フェルディナンドをもっと謎めいた人物として引っ張りたいなら、情報量を調整する余地があります。
ただし、これは作品の狙い次第です。
要検討③ 終盤に情報と展開が集中している
終盤だけ見ると、
- テンペストの一部が出現
- キャリバン登場
- フェルディナンドの主張
- プロスペローと戦闘
- 黒い本の予言
- テンペスト本体登場
- プロスペローが拒否
- テンペストがフェルディナンドに移る
- フェルディナンドが主人公に逃げろと言う
- 学園に史上最悪の嵐
と、かなり詰め込まれています。
展開速度は速いです。
ただ、これも「2話で事件を大きく動かす」構成なら長所でもあります。
1話の最後で「テンペストが目覚める」
→ 2話で本当に大事件になる
という流れなので、連載の第2話としては筋が通っています。
4. 1話の感想から見た「2話で確認できたこと」
ここが今回、一番面白いところです。
1話で飛鳥さんは、
「主人公自身の魅力は、これから確かめたい」
と書いていました。
→ 2話で、復讐を拒否する主人公の意思が、テンペストを止める行動につながった。
1話で、
「敵役の動機はこれから」
と書いていました。
→ 2話で、フェルディナンド自身の目的と過去が提示された。
1話で、
「伏線が機能しているかどうかの最終評価は、後続話を読んでから」
と書いていました。
→ 2話で、父親・十二年前・ペンダント・テンペストが実際につながり始めた。
つまり、1話の感想がちゃんと2話を読むためのチェック項目になっているんですよ。
これは2話の感想を書くうえで非常に使いやすいです。
そして、感想として一番拾いたいのはここ
僕なら2話については、単純に「面白かった」で終わらせず、
「1話で提示されていたものが、2話でどう動いたか」
を中心にします。
特に、
プロスペローの「復讐しない」という意思が、2話ではテンペストを止める条件として物語の核心に組み込まれた
という点。
これは1話の感想を書いた人間だからこそ言える感想です。
逆に、2話だけ読んだ人が「テンペストすごい! フェルディナンド怖い!」と言うのとは違う。
「1話で気になったところが、2話でこう動いた」
という継続読者ならではの感想にできます。
そして現時点では、2話にも「明確にここを必ず直すべき」というレベルの問題は、本文だけからは見当たりません。
ただし、1話以上に設定開示の密度が高いので、そこは感想を書く際に触れてもいいポイントです。
仮面の校長と十二年前の裏切りへの応援コメント
今回もかなり大きく話が動きましたね。
まず、校長先生が十二年前の事件の中心にいた、というのがかなり大きな真相でした。これまでプロスペローの父親やフェルディナンドの父親、アリエルの封印など、それぞれ別々に見えていた出来事が、校長という人物を通して一つに繋がった感じがします。
しかも、単純に「全部自分の悪事でした」で終わらず、校長自身も嵐の心臓の力を利用して世界を救おうとしていた、というのが印象的でした。人々を守るために自由を奪い、平和のために真実を隠したというところは、本人が善意から始めたことが結果的に大きな罪になってしまった、という複雑さがありますね。
アリエルが「自分で未来を選べる自由が欲しかった」と言うところもよかったです。校長からすれば世界を守るための封印でも、実際にその犠牲になった側からすれば、自分の人生を奪われたことになる。この二人の認識の違いが印象に残りました。
プロスペローとフェルディナンドが、もう復讐のために戦うのではなく、自分たちで新しい方法を探そうとする流れもよかったです。特にフェルディナンドが父親の罪を誰かに押しつけるのを終わりにしたい、と考えるところは、ここまでの流れを考えると大きな変化だと思いました。
……と思ったら、ここで終わらないんですよね(笑)
校長の身体に黒い文字が現れて、まさかの嵐の王が復活。十二年前からずっと機会を待っていた、という展開で、校長自身も完全に事態を掌握していたわけではなかったことが分かるのも驚きでした。
さらに、地下に「始まり」と書かれた扉があって、プロスペローの父親から「嵐を倒すのではなく、嵐を生み出した本当の原因を見つけろ」と示される。
ここで今までの「十二年前」という謎が、さらにその前にある何かへ繋がっていく感じがします。
そして最後の引きが強いですね。
十二年前に行方不明になった妹の声が聞こえて、「お兄ちゃん、私を助けて」と言われた直後に、扉から出てきた手が人間のものではないという……。
「妹は生きていたのか?」と思わせておいて、すぐに「本当に妹なのか?」という新しい疑問に変わるのが怖いです。
最後の「やっと、帰ってきたね」も、かなり気になる終わり方でした。
今回で十二年前の事件についてかなり分かったと思ったら、今度は「始まり」の扉と行方不明になった妹という、さらに大きな謎が出てきましたね。
ここから、嵐そのものを倒すだけではなく、「嵐を生み出した本当の原因」が何なのか、そして扉の向こうにいる存在が何者なのかが気になります。