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  • 掌作への応援コメント

    文芸部へのご参加、ありがとうございます。

    思わず間違えて買ったマルボロメンソールライトの箱と、喉をスースーと通り抜ける煙。今はもう隣にいない「君」へ向けて吐露される切ない後悔と愛おしさが、煙草の匂いや煙の滲む痛みとともに描かれた、胸を強く締めつけられるような素晴らしい作品を読ませていただきました。

    ■ 全体を読んでの感想

    日常のふとした掛け違いから蘇る過去の記憶と、消えることのない後悔の念に、深く引き込まれました。

    コンビニで違う煙草を受け取ってしまう冒頭から、少し背伸びをした過去の自分への悔やみ、そして「君」がいない現在の寂しさまでが、淡々とした独白の中に濃密な情感をもって描かれています。

    喉を刺すメンソールのスースー感や目に沁みる煙のリアルな感触が、「君」を失った痛みの手触りそのものとして伝わってきて、切なくも美しい読後感に包まれました。

    ■ お題「二人称表現(「あなた」への語りかけ)」と描写の活用について

    本作は、お題である「二人称表現」を、届かない相手へ向けられた切ない想いと、溢れ出す独白を際立たせるための最高の語り口として使いこなされています。

    ・「君」という語りかけが生み出す圧倒的な当事者感と切なさ
    全編を通して「君」へ直接語りかけるスタイルをとることで、読者は手紙や日記をそっと開いて読んでいるかのような、密やかで胸を刺すような親密さを覚えます。

    ・感覚描写と二人称の美しい重なり
    「君は何時も同じマルボロメンソールライト」「二箱買っていたっけ」と、「君」の面影や癖を語りかける描写が、二人称の語り口によって生き生きと立ち上がっています。相手がそこにいるかのように呼びかけるからこそ、ラストのつぶやきに込められた愛憎と寂しさが一層深く心に響いてきました。

    ・二人称がもたらす距離感と余韻の広がり
    「今、何処にいるのさ」「電話してよ」と訴えかける言葉が、「君」という語り口を通すことで、読者自身の心にも切ない問いかけとして残ります。不在の存在を二人称で描くことで、物語の背後に広がる空白と余韻が、いつまでも胸を揺さぶり続けていました。

    ■ 最後に

    「君」と語りかける言葉のなかに、消えることのない愛おしさと切ない後悔が宿っており、心震える素晴らしい読書体験をいただきました。

    また部室にて、あなたの紡ぐ、深く心揺さぶられるような素晴らしい物語に出会えるのを心より楽しみにしております。