第15話 記者会見本番への応援コメント
読解力がなくてすみません。神田先生と記者とのやり取りがよくわかりませんでした。
Dr.「司法解剖で内因性SAHがあったからそれが死因です」←OK
記者「司法解剖医の見解をひっくり返すのですか?」←ここがわかりません。これまで、司法解剖医の見解が出てきていないので、司法解剖医がどのような判断を下したのかわかりません。司法解剖医も、頭蓋内に内因性SAHがあり、他に明確な死因となるものがなければ、「内因性SAHが死因、輸液ミスを死因とするには蓋然性がない」と判断するのではないか?」と思いました。
Dr.「大変失礼ではありますが…」←Dr.の説明は納得。ただし、このような返答となるためには、司法解剖では「別の病態が死因」と結論付けた、と推測されます。「司法解剖医がどう診断したのか」の記載がないのでそこは「?」です。
記者「つまりあなたは、法医学の専門家の言うことを疑うのですか?」←ここについても、法医学者がどう判断したのかが分からないので、この「記者の追及」にあまり感情移入できないです。
Dr.「いえ、疑いではなく確信です」←その発言は納得。むしろ司法解剖の結果がどのようなものだったのかがものすごく気になります。
それ以降のやり取りについては、納得です。私自身が「医師」なので、「仮想」の「病院側と記者とのやり取り」の前提となっている「法医学者の見解(もちろんこれも「仮想」ですが)」の明示がないことで、くだんのところが引っ掛かりました。
患者さんの状態の推移と、司法解剖の所見はどちらも「内因性SAH」として一致しているので、病院側の説明に矛盾は感じないのですが、記者は「司法解剖の結果」を基に反論しています。個人的にも、司法解剖で「内因性SAH」の所見があり、他に明確な死因となるものがなければ、それが死因だと判断されるだろうと思うのです。少なくとも、点滴メニューの間違いを「死因」だとする判断を法医学者はしないだろうと思うのです。
であれば、法医学者はいったいどのような死因を推測したのだろうか?と疑問に思いました。小説の世界なので、「小説の世界」としてはそこは「本筋」ではないのですが、「医学的推論」としてはそこがキモとなるので、すこし混乱しています。
作者からの返信
御指摘ありがとうございます。
法医学教授の見解は外傷性SAHによる死亡という設定です。
書いたり消したりしているうちに何処かに消えてしまったみたいです。
ここは分かりやすいよう、最初の方に明示します。
御指摘感謝します。
第14話 記者会見前夜への応援コメント
記者(自称記者含む)には自説の意見表明と質問を取り違える奴いますから、これだけ準備しても大変でしょう。
あと切り抜き対策は必須ですね。頭を下げた写真に「病院側、過失と隠蔽認め全面謝罪」とかでタイトル打たれたら最悪です。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
確かに質問と称してお気持ち表明する記者もいますね。
そういう人は質問が長くて困ります。
何を訊いているのか、よく分からなくなりますから。
一方、医療事故関係の記者会見だと、そもそも事実関係を理解してもらうだけで一苦労みたいです。
経験者から聞いた話ですが。
編集済
第10話 男気の約束への応援コメント
病院は人の命を扱う場所だけに、そこで仕事をなさっている方々は、日々、様々な苦悩や葛藤と闘っているのだなあと思い知らされながら読ませていただいています。
ドラマとしても面白いので、つい映像化したらこのキャラは誰が演るのかな? と想像してしまいます。亀川先生や若村先生や、hekiseiさんのなかではどなたか役者さんのイメージがありますか?
私、荒本さんは赤井英和さんなんか合いそうと思いました(笑)。
作者からの返信
赤井英和さんはいいですね。
関西弁ネイティブですし。
本作はこれからさらに盛り上げる予定です。
引き続き、よろしくお願いいたします。
第11話 見えない死因への応援コメント
この症例では、CPRしながら、頭部CTは撮っておいたほうがよかったのかもしれませんね。強い頭痛を訴えて、速やかにCPAになった、ということであれば、まず第一にSAHを考えます。必要なら、この時点からでもAutopsy imagingを行なってもよいのかもしれません。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
仰る通りなのですが、CTやAi抜きに司法解剖に進んでしまうというのが、苦難の始まりになります。
次回に御期待ください。
第8話 言葉の切り札への応援コメント
今回の「秘密録音」についてですが、会話に参加している本人が、その会話を許可なく録音すること(秘密録音)は、最高裁判所の判決で、「原則として『適法』」とされています。
なので、この質の悪い「荒本」が、自身の診察室でのやり取りを若村医師の許可なく録音することは、「違法行為ではない、合法的な行為」になります(以前の職場で、こういった話が出るような「下らない状況」を過ごしたことがあるので、勉強しました)。
逆に、自分が参加していない会話を録音した場合には「盗聴」となり、「違法」です。小川さんが録音していたICレコーダー、前川医師と小川さんは途中から会話に参加していますが、この二人が、「荒本と若村医師」二人の会話に割り込む前の録音については、「その会話が録音されている妥当な理由」がなければ、「盗聴」と解されるのではないか、と思います。
あるいは、このことが次回の伏線となっているのかもしれませんが。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
特に伏線という事はありません。
このような乱暴者に対しては、厳密に適法か違法かを論じることなく、ちょっと揺さぶりをかけてやればいいだろう、という話です。
実際に裁判になったらお互いに屁理屈の応酬になるので、その時に適法か違法かを論じれば十分かと思います。
ただ、裁判所での争いの場合は「切り取り」は通りませんが、以前に患者さんが行政に訴えた事があり、先方の「切り取り」が通ってしまったという苦い経験があります。
相手が監督官庁だと完全に事務方の腰が引けてしまって、争いにもなりませんでした。
せめて「なるほどお話は良く分かりました。が、後学のために前後の部分も聞かせて下さい」くらいの事は言ってやっても良かったのに、と後で思った次第です。
こういった失敗を重ねながら知恵がつくわけですね。
第7話 魔法の言葉への応援コメント
「患者さんを死なせないこと」と、「自分が訴訟に巻き込まれないこと」のどちらもが大事、という意見に賛成します。
日々、「石橋をたたいて渡る」気分で仕事をしています。違和感があれば、いつも以上に丁寧にカルテを書く、詳細に記録に残す、というのも一つの自衛策だと思って、実行しています。それもあって、私の外来は時間がかかるのですが。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
何故こう考えたのか、何故この治療を選んだのか。
その思考過程をカルテに残しておく事が大切ですね。
たとえ後で間違いが判明したとしても、何も書いていないより、何か書いてある方が裁判で抗弁しやすいです。
第5話 不吉な予兆への応援コメント
徳洲会での研修医時代、半年に一度、関西グループで勉強会がありました。大抵テーマは「失敗症例」で、ほぼ毎回「SAHの見逃し症例」がどこかの病院で提示されていました。「SAH」の見逃しをなくす、というのはある意味「至難の業」だと思います。初発は放射線科医でもわからない、そしてsecond attackで死んでしまった、というSAHを身近で数人見聞きしているので、「sudden onset」の「こんなの初めてです」という頭痛は、「疑わしければ、高次医療機関」に紹介しています。
そんな患者さんがいつ来るか分からない、という点で、ERも、一般外来も怖いところだと思っています。医師になって20年以上たちますが、今でも「外来診察」は怖くていやだ、と思いながら行なっています。
作者からの返信
救急における二大地雷がクモ膜下出血と心筋梗塞ですね。
怪しい頭痛があったら「クモ膜下出血があるように見えます」で、高次医療機関に送ってしまいましょう。
編集済
第3話 専門外という言い訳への応援コメント
ERで「頭部外傷後の嗅覚テスト」していませんでした。ちょっとした手間で済むのに、その必要性すら気付けていませんでした。すみません。
「シートベルトをしておらず、フロントガラスに頭をぶつけるほどの交通外傷」であれば、私の感覚では「それはヤバいやつだ!」と思います。
高齢者や、精神疾患を有している方の「自己転倒後から始まる四肢のしびれ感、筋力低下」という患者さんで、「頭部CT」だけを取って「異常なし」と放置されていた方を数人経験しています。たまたま私の外来を受診されたり、私の訪問診療にentryして、そのお話を伺い、頚椎(頚髄)の画像評価を行ない、「頚椎症性脊髄症/外傷性頚髄損傷」の診断がついています(もちろん、初診時に腱反射の更新を確認しています)。
「鑑別診断に上がらない疾患は診断できない」という格言がありますが、おそらく私より以前に診察していた医師の頭には、「頚髄の問題」という鑑別が上がってなかったんだろうなぁ、と思います。患者さんの話をしっかり聞けば、容易に気づくだろう、と思うのですが、「軽微な外傷」を起因とする頚髄損傷、見逃されやすい疾患だと思っています。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
嗅覚は「火のついていないタバコ」「インスタントコーヒーの粉」「石鹸」などで簡単に調べるだけで良いと思います。
ウチの脳外科外来の引き出しにはイヴ・サンローランのベビー・ドールがあるので、それで調べます。
おそらく30年以上前からあるのですが、全く匂いが飛んでいないのには感心します。
中心性頚髄損傷は過伸展、過屈曲のどちらでも起こります。
特徴的な四肢末端の痺れと脱力が見られるので、慣れると画像診断無しでも簡単に診断できます。
参考になれば幸いです。
第2話 窒息の限界への応援コメント
顔面の外科的トラブル(頬骨骨折や眼窩底吹き抜け骨折など)で、ERで初期評価後、「あとは耳鼻科の先生に診てもらってください」と言って大学病院に紹介しようとすると、よく、「えっ??『耳鼻科』ですか?」と言われました。
一般の人にはほとんど知られていませんが、先生もご存じの通り、「耳鼻科」は今では、「耳鼻咽喉科・頭頚部外科」として、脳神経外科の先生の守備範囲以外の、頸部より上の外科疾患は、「耳鼻科」の守備範囲になります。
今の若い先生たちが、医学生時代、そして初期研修医時代、どのような本を読んで勉強されているのかはわかりませんが、私が若いころは、「研修医 当直御法度」という本(今でも「赤本」と呼ばれているようですが)を愛読していました。ERで陥りやすい落とし穴や、ちょっとした手技で命を救える「裏技」などが載っていました。「緊張性気胸だと思ったら、患側の胸にピンク針を刺せ」とか、「気道閉塞なら、輪状甲状靭帯部にピンク針を数本刺せ」などなど。
私も一度、急性喉頭蓋炎の患者さんで挿管困難例を経験したことがあります。完全閉塞ではありませんでしたが、本当に「ピンホール」状態でした。ポータブルの気管支鏡を使った挿管はうまくいかず、当日の内科当直が消化器内科の先生で、先生の使い慣れた「経鼻上部消化管内視鏡」を使って、何とか気道確保ができたことを覚えています。
2次救急を受け入れている病院であれば、ミニトラックは用意していると思います。高齢者の多い内科病棟では、こまめに気管内の吸痰処置を行わないと窒息してしまう患者さんもしばしばなので、そういう方にはミニトラックを挿入して、容易かつ確実に気管内吸痰を行なえるようにしていました。
そんなわけで、ミニトラックの挿入なら、案外「内科病棟」の方が症例が多いのではないか、と思いました。力強い自発呼吸が残っているなら、ガイドワイヤ挿入用の穿刺針が気道に入った時点で、「半分助かった」状態なのかもしれません。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
確かにこの場合、ミニトラックも正解の一つだと思います。
私も緊急気道確保目的に脳外科病棟の救急カートに入れていたのですが、年月が経つ間にいつの間にか消えてしまいました。
道具が無ければ何もできないのにもかかわらず、危機意識が共有されないのが残念です。
本稿では、「ミニトラック!」「ありません」「馬鹿野郎、メスを寄越せ!」の後に切開するという形もありですね。
第16話 舞台裏のドラマへの応援コメント
外因性SAHと内因性SAHについては、私も苦い思い出があります。前職場(診療所)かかりつけの方で、朝の散歩中に急に体のバランを崩して、横にあったブロック塀に崩れかかるように転倒され、頭部を打撲(話からするに、外力はそれほどでもなかったようす)、その後から様子がおかしいとのことで、一緒に散歩していた奥様が朝の時間外にご本人を連れてこられました。院長が初診医で、院内でCTの機械を扱えるのが、まだ出勤していない放射線技師と私だけだったので、「先生、急いでCTをお願いします」と頼まれました。
撮影し、頭蓋骨骨折なし、受傷部の硬膜外血腫なし、硬膜下血腫なし。脳実質のCoup injury、Contre-coup injuryなし。Silvius裂の所見は忘れましたが、ペンタゴンが真っ白でした。院長に「ペンタゴンが真っ白で、SAHです」と伝え、院長は紹介状を作成、私は患者さんへのルート確保など、ベッドサイドにいました。GCSでE4M4V6でしたが、いわゆる「うんこ・おしっこ症候群」があり、「まずいなぁ」と思っていました。院長が紹介状を作成し、転院先が決まり、何とか救急車で患者さんを見送りましたが、転院先では「外傷性SAH」との診断で経過観察となり、同日夜に永眠されました。私は、受傷起点(頭部外傷としては弱い外力)、CT所見から「内因性SAH」だと思っていたので、「外傷性SAHと診断され、同日に永眠された」と後日聞いて、大変びっくりしました。個人的には「内因性SAH」で、手術適応だと思っていたからです。
hekisei先生に伺いたいのですが、小説内の患者さんも、私の経験した患者さんも、それほど強い外力がかかっていない状態で、司法解剖所見、私の場合は画像所見からも臨床的には「内因性SAH」を疑いましたが、「強い頭部外傷歴がなく、脳表面(受傷側あるいは対側)に所見がなく、「大槽」に出血が強いSAH」を「外傷性SAH」と判断するのは、どのような根拠を持ってでしょうか。ご教授いただければと存じます。
また、小説内の話ですが、患者さんの死因が「外傷性SAH」だったとしても、それが患者さんの点滴ミスとの関連がほぼなさそうな場合、この看護師さんを「業務上過失致死」として送検できるのだろうか、と思いました。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
> 「強い頭部外傷歴がなく、脳表面
> に所見がなく、大槽に出血が強いSAH」を
> 「外傷性SAH」と判断するのは、
> どのような根拠を持ってでしょうか。
これは全く根拠がないと思います。
先生の経験された症例では、ただちに脳血管造影を行って破裂脳動脈瘤を手術すべきでした。
> この看護師さんを「業務上過失致死」として
> 送検できるのだろうか、
点滴ミスと頭部外傷の間の因果関係の有無が争点になるかと思います。
検察側が「因果関係あり」と主張しても、被告人側は「因果関係なし」として争うべきですね。
結局、「因果関係あり」というのは、かなり無理があると思います。