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  • 文芸部へのご参加、ありがとうございます。

    高い塔の上から見知らぬ誰かへ向けて放たれた、人生で初めての手紙。無機質な名前ではなく、見知らぬ相手が呼んでくれる素敵な名前を夢見ながら文字を認める鳥の愛らしい佇まいと、手紙という言葉の温もりが静かに海を渡っていくような、幻想的で深く愛おしい物語をじっくりと読ませていただきました。

    ■ 全体を読んでの感想

    「手紙の街」の豊かな情景や、塔の上から見下ろす風の音、好きな食べ物や場所を問いかける素朴で瑞々しい語り口に、一気に引き込まれました。

    ラストの「もし手紙が落ちてきたら空を見上げてみてください」という一言と白く羽ばたく翼の情景には、遠く離れた読者自身の胸の奥まで爽やかな風が吹き抜けていくような、どこまでも広がる美しい余韻をいただきました。

    ■ お題「二人称表現(「あなた」への語りかけ)」と描写の活用について

    本作は、お題である「二人称表現」を、まだ見ぬ誰かとの心の距離を縮め、言葉を届けるための最高に美しい手紙の形式として使いこなされています。

    ・「あなた」と呼びかけることで生まれる親密な当事者感
    「今あなたの手の中にあるこの手紙」と直接語りかけられることで、読者はまるで自分が砂浜で瓶を拾い上げ、手紙をそっと開いて読んでいるような、不思議で温かい当事者感を覚えます。

    ・お題の「二人称」とボトルシューターというモチーフの重なり
    どこにいるかもわからない相手を思い浮かべる「あなた」という呼びかけが、海を漂う瓶の手紙というモチーフと完璧に調和しています。二人称の語り口によって、言葉の矢印が海の波に乗ってまっすぐに読者の心へと届いてきました。

    ・問いかけが紡ぐ温かな余韻
    好きな音や場所を「あなた」に問いかける言葉の数々が、二人称の魔法によって、作中の相手だけでなく読者自身の心にも「あなたの好きなものは何ですか」と優しくノックしてくるような、豊かな余韻を残してくれています。

    ■ 最後に

    「あなた」と呼びかける手紙のなかに、誰かと繋がりたいと願う温かな祈りと、言葉を紡ぐことへの誇りが宿っており、心洗われるような素晴らしい読書体験をいただきました。

    また部室にて、あなたの紡ぐ、風と光の匂いがするような素晴らしい物語に出会えるのを心より楽しみにしております。

    作者からの返信

    こんにちは。とても温かなコメントをありがとうございます!
    そして素敵な企画を立ち上げてくださり感謝しています。

    実は前々からこちらの文学部が気になってはいたのですがなかなか勇気が出ずにおりました。思い切って扉を開けたところ、このような丁寧な感想と深い分析をいただき、とても幸せな気持ちでいっぱいです。

    これからも新しい物語を紡いでいく大きな励みになりました!

    またお邪魔した際は、どうぞよろしくお願いします。