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ギガントアーム スズカゼ 第3話 WIP1

「ク」

 トーリスは笑った。視界に映るのは、四機のフェアリーユニットに囲まれてようやく足を止めた二人の反逆者。先程仕留めた男の本体も、十中八九どちらかが持っているのだろう。本国からの接続無しであれ程の出力と速度を出すには、それ以外に在り得ない。

「しかしまあ、恐るべき使い手だったな。改めて称賛してやりたいものだ」

 そうトーリスが評するのは、無論先程撃破したミスカの事である。
 今し方、ミスカはフラッシュブーストを行った。即ちそれは、己の身を構成する魔力をも攻撃へと転じた攻撃手段である。
 ひとたび行えば解除は不可能、本体のみを残して行動不能状態となる捨て身の突撃形態。生身でギガントアームへ抗するには、なるほど確かに有効ではある。
 だがそれは、相手が対抗手段を持っていなければの話だ。そしてトーリスのグラウカには、対人攻撃を想定した速射バルカン砲が装備されていた。
 加えて決定打となったのは、そもそもトーリスがグラウカの外へ身体を出していなかった事だ。先程外に出たトーリスどころか、彼が足をかけたコクピットハッチ類が、そもそも魔法による偽装だったのだ。
 起死回生を狙い、トーリスを目掛けたジャンプパンチ。それが何の手ごたえもなくすり抜けたミスカの驚愕顔を、トーリスはまだまだ忘れられそうになかった。


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