こんばんは。
青い鳥と 日記 〜コウタとディック 幸せを詰め込んで〜
読んでいただきありがとうございます!
近況報告にもきていただき、嬉しいです。
スローペースな物語ですので、まだまだ序盤。もふちゃんズもソラとラビの2匹です。こちらに投稿して間もないですが、嬉しいことにフォローをいただきました。本当に感謝しています。タイトルからして埋もれがちなお話をよくぞ発掘していただいたと感謝です。
ありがとうございます!!
目指すは日々の幸せと完結までの安定更新。どうぞ末永くよろしくお願いします。
フォローしてくださった皆様、読んでくださった皆様に感謝とよろしくお願いしますの気持ちを込めて、ショートストーリーを載せます。カクヨムオンリーです。
SS ソラとラビと
『一応、あなたが先輩だから挨拶しておくけど、コウタはわたしが守るんだから』
小さな脚でぴょんぴょんと周囲を跳ね回る瑠璃色の小鳥。大きな白い毛玉は、うっすらと眼を開けるだけで反応を示さない。
くるくると短い首を捻って柔らかな羽根を膨らませながら反応を待つが、微動だにしない相手にピピピと透き通る声を上げる。
『あんたってどうしてそうなの? ただ寝てるだけ。コウタにだってされるがままじゃない。もっとこう、そう、主張ってものをしないの?』
ふぁあ、大きな口を開ければ、両端に尖った牙。この物体が天敵だと小鳥はびくりと羽根を震わせた。
『こ、怖くなんかないわ! わたし、強いもの! シールドだってはれるし、魔法だって……』
そう続けようとした時、青い小鳥はパタタタと飛び上がった。
ーーーーゴロン!
巨大な白いぬいぐるみが自分の方に転がってきた。ミルキーピンクの首毛がふわりと柔らかく大きく膨らんで、すっと身体に落ち着いていく。
『お、驚かさないで! 急に動くなんてびっくりするじゃない。あんたのことなんて怖くない。へ、平気だけど、び、びっくりはするのよ』
秋の温かに差し込む光の上に転がったラビ。ソラは宙を舞いながらツンツンと小さなクチバシで柔らかい毛を突いて抗議する。だが、尻までのびるウサギのような長い耳がぴこぴこと動いて、青い小鳥の攻撃を防いでいる。
『もう、なんとか言いなさいよ! あんた、それでもペットなの?』
苛立ちを覚えた瑠璃色が薄くなった腹毛に飛び込むと、ラビはすっと光の中に溶けてしまった。
ーーーービタン!
「わぁ、ソラ、大丈夫?」
床に飛び込んだソラを慌てて拾い上げるコウタ。瑠璃色の小鳥は恥ずかしそうにピピピとさえずって、自分を撫でる小さなふくふくとした指の感触を楽しんだ。
「ラビ、消えちゃったね。幻獣猫なんだって。幻獣って不思議だね。いつもここにいるのに、幻なんだって。あんなにふわふわなのに。意志がなきゃ触れないんだよ」
『幻獣? じゃぁペットじゃないの? 従魔でもないの?』
よくわからないとピピと鳴いたソラにふふふとぽちゃぽちゃの頬で返したコウタ。ペットだと決めつけて悪かったかしらと青い小鳥は反省した。
「でもきっとまたここにくるよ。だってオレの遊び相手だもん。友達だから。ずっと一緒にいたら、ソラみたいに親友になれるかな?」
何気なく“ 親友“だと持ち上げられたソラは、少しだけ得意気にコウタの頬に身体を擦り付け、次はちょっとだけ優しい言葉をかけようかしらと思ったのだった。
幻獣。それは幻。意志を失えば消える。捕まらない。捕まえられない。
だけどラビはいつもここ、エンデアベルト家のサロンでゴロンと転がっている。その理由は誰も知らない。