これはただの自己満です、この話は紗奈が爆発に巻き込まれ、行方不明となった後何が起きたのかそこに焦点を合わせた後日談となります。
後日談:骸を抱く少女
───私は先日カガミのセカイ崩壊作戦に参加していた、しかし崩壊作戦の成功はすぐそこにという所で油断していまい1点に集中させていた大量の魔力の塊が爆発して私たち魔法少女の殆どは瀕死、または絶命していた。僅かな生き残りは居たもののこの世界には動物が居ない、魔物は倒すと塵となり消えるため食べることが出来ない、水は一応存在してはいるものの水だけで生きられるのは一般的に精々4、5日程度、私たちは憔悴しきっておりその間すら生き残れるか怪しい。そしてこの世界から出るためには魔力と鏡という2つの要素が必要だ。しかしこの世界の鏡は全て先日の魔力の塊が爆発したときに粉々に砕け、存在しているかすら怪しく、探すための探索をするほどの体力すら無い。
「紗奈…私たちもう…助からないのかな?」
そう私に問うのは私の親友である魔法少女フラーこと坂神 凪。生き残りの魔法少女は私たち含め30人程度しかいない、他の人は至近距離で爆発に巻き込まれて肉片すら残らなかったか原形をとどめないレベルでぐちょぐちょになった、またはギリギリ生きてはいたもののすぐに限界を迎え亡くなった人など…
「きっと大丈夫、もう少し頑張れば救助はきっと来るよ」
そう紗奈は凪を励ます、しかし現実とは残酷であり、このカガミのセカイは今現在も少しづつ崩壊しておりもう既にこの世界に出入りすることは不可能となっているため、たとえ鏡が見つかってももうここから出ることはできない。しかしその事を知っているものは少なく、紗奈はその事を知っていた。
この世界に閉じ込められたばかりの頃、紗奈は爆心地から離れており奇跡的にあまりダメージを負っていなかった、だから紗奈は鏡を探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して…何時間も掛かってついに見つけた、その事に紗奈は非常に喜んで、急いで元の世界に繋がるかを試した、しかし"繋がらなかった"もうその時には既に元の世界とこの世界の繋がりは絶たれ、この時点で帰ることは不可能だった。その事に絶望した紗奈だったがまだ生きている魔法少女たちにはこの事実を伝えず、生きる希望を失わせないために見つけた鏡を粉々に破壊し、見なかったことにして生存者を探した、そしてこのとき、紗奈の心はもう生きる希望を見いだせていなかった、この世界から出られない、つまり妹の早香に二度と会えない、家を出る前に約束した『必ず帰ってくる』という約束を果たせない、早香を…1人にしてしまう…その罪悪感からか紗奈は生きることに対しての執着を無くした、絶望した紗奈は一人歩き続け、1人の少女と再会した、魔法少女フラーこと凪、彼女はかなりひどい怪我を負っており、あと数日も持たないことが察せられた。そして、紗奈を見た凪はこう言った
「紗奈…良かった…生きてた…」
その言葉を聞いた瞬間紗奈はもし自分が死ねば凪が自分のように絶望してしまう、その事を本能的に察した紗奈は凪を看病して現在生き残り達とこの池の近くで過ごしていた。紗奈は時間がある時に世界を探索して気を紛らわせていた、その時に見てしまった、世界が端から少しづつ崩れ、崩壊していることに。
それから2日後、私たち生き残りは既に20人ほどに減っていた、いつまで経っても来ない助け、喉の乾きは無いものの満たされないお腹、それらの要因が合わさり何人かが自殺、残りは衰弱死した、そしてもうそろそろ凪の方も限界を迎えるであろうことも察せられた──
「紗奈…」
「どうしたの?凪」
紗奈は凪が急に話しかけてきたことに少し驚いたがすぐに凪に何の用かを訪ねた
「あのね…紗奈に…どうしても…伝えたいことがあってね…」
「凪?」
凪は微小を浮かべ、紗奈にずっと伝えたかった思いを告げた。
「私ね…紗奈のことが…好き…」
「え?」
紗奈は突然の親友の告白に動揺を隠せず思わず驚きの声を上げてしまった
「それは…どういう?」
「ふふ…分かってるくせに…もちろん…恋愛的に…だよ…」
凪は自分の最期を悟り、本来崩壊作戦が成功したら告げるつもりだったずっと胸の中に秘めていた自身の気持ちを最も愛する人物へと告げた。
「ずっと…好きだった…紗奈…私と…付き合って…くだ…さ……い──」
凪は薄れゆく意識の中なんとか最後まで言い終えると言葉を発する気力も無く、目すら開くことが出来ぬまま少しづつ、意識を手放していった。
紗奈は、親友の突然の告白と親友が最後の言葉を発した後目を開けることや言葉を発することが無くなったことに焦った。
「凪?凪!?凪!起きて!まだ死んじゃダメだよ!待ってよ!置いていかないで…死なないでよぉ…!」
紗奈はそう弱々しく言葉を発すると自然と涙が零れ、自身の思いを自覚した、そして、それをもう話すことも出来ない親友に告げた。
「凪…私分かったよ…私は、凪のことが好きなんだって…だから目を覚まして…ねぇ…お願い…起きて…起きてよぉ…!うわぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!」
紗奈は泣いた、周りのことも気にせずに、死んでしまった自身の好きな人である親友の死を悲しんだ…
ひとしきり涙を流した後、冷たくなった凪の唇にキスをした。紗奈は、世界が完全に崩壊するまでの間、凪の骸を抱きしめながら眠り、そして世界と共に消え去った───