こちらでの報告が遅れましたが、先日のうちに「幕間」を、本日に「第13話」を更新しました。
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「幕間」より
幕間
昔々の大昔。
あるところに、一人の善良で誠実な男がいた。
ある日彼は、神からの言葉を受け取り、その教えを他の者たちに伝えようとしたのだが、彼らはそれを信じないばかりか、男を嘘つき呼ばわりし、貶めた。
長い間、男は人々の誹りに耐えた。しかしあるときとうとう、彼らの心が変わらないことを確信した男は、神にそのことを伝えた。
すると神はこう謂われた。
船をつくり、そこに彼の言葉を受け入れ神を信じる者と、ひとつがいのあらゆる生き物を乗せよと。
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「第13話」より
「それに、俺、そんな大したことしてませんよ。大体、ケマルさんの遺したノートが無かったら、何もできなかったと思うし」
「あら、そんなことはないわ」
マーリカが、俺の慌て具合を見ておかしそうに笑う。
「あの人のノートを見たって、村の誰にもこんなことは成しえなかったわ。義手を作り直すのも、石を焼くのも、あなただからこそ出来たのよ? 違うかしら?」
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幕間は伝承というか、あのお話についてのパートで、すごく短いです;
13話でようやく規定の10万字に到達しました。
評価期間残りわずかですが、お気に召していただければ、★評価やレビューの方もよろしくお願いいたします。