オタの人たちが1990年へ行くタイムトラベルものです。
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「今日、お弁当、忘れてったでしょ。お兄ちゃんにお礼、ちゃんと言った?」
言ったよぉ、と口をへの字に曲げる。
「ぞろぞろと三人も来てみっともなかったんだから」
礼を言った話にしてはありがた迷惑そうな口ぶりに、ぴくと箸が止まる。
「拓海君がヤンキーのカッコしてるから、遠野君に心配されちゃうし」
「あら、遠野君に見られちゃったの? それじゃあ、誤解されちゃったかもしれないわね」
「ごっ、誤解って、ちょっと、お母さぁん!」
大あわてする娘に、ウフフフ、とゆるゆる、顔をほころばせる。
「もぉっ、未来のお兄ちゃんたちがもっと気をきかせてくれれば、遠野君の前で恥ずかしい思いをせずに済――」
「なら忘れていくなっ」
バンっ。
叩きつけるように箸を置く。
静まりかえる食卓。
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オタク時間旅行 in バブル時代の決定版『iqqo ⇆ zozo(イッコ・ソソ)』の物語も後半戦。
伏線はりまくり、難易度SSSSSの激ムズ暗号をはじめ、謎解き要素が盛りだくさん。
非バブル世代もノープロブレム。
このイカれた時代へようこそ!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054896495855/episodes/822139837743491208