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AIに書かせた「霊獣旦那」 その1

 こんにちは。
 ちょっと前にやってみた「AIにプロット提示して小説書かせてみた」を公開です。
 作品にしようかなーとも思ったのですが、短いので近況ノートにします(笑)。

 元ネタは「霊獣の旦那様はポンコツ!? 毎月キスで契約更新とか聞いてません!」
 https://kakuyomu.jp/works/16818792436558434544
 5万文字強の中編です。
 なのでAIにも5万文字ほどの中編で、って注文つけたのですが……。

 まずは「第1章:封印、解放」。



 宵闇が山に覆いかぶさり、わずかな灯りだけが石畳の温泉街に細く伸びている。京都北部の古い温泉街、「湯ノ原」には、寂れた風情が漂っていた。この街の最も古い一角に、創業百年の看板を掲げながらも、今は閑古鳥が鳴いている茶屋がある。

「ふぅー……今日こそ、蔵の奥まで掃除しきるぞ!」

 茶屋『月見亭』の裏手にある土蔵で、宮原美月(みやはら みづき)は軍手をはめ、己を鼓舞した。蛍光灯の薄暗い光が、積み上げられた荷物の上にチカチカと揺れる。二十代前半にしては場数を踏みすぎたせいか、美月の目つきは鋭く、その所作には迷いがない。

 美月の父は一年前に姿を消した。残したのは、莫大な借金と、病に倒れた母。そして、このガタのきている『月見亭』だけ。病院代と借金の返済に追われ、美月は休みなく働いていた。

 蔵の整理は、そんな美月が藁にもすがる思いで始めたものだ。もしかしたら、先祖が隠した価値ある骨董品や、父が忘れていたヘソクリの一つでも出てくるんじゃないか、と。

「……埃まみれの壺ばっかりじゃない」

 出てくるのは、古びた茶器やガラクタ、そしてやたらと呪文めいた紙が貼り付けられた「壺」ばかり。先祖代々、何かしらの霊的なものに関わっていたらしく、蔵には怪しげな品が多かった。

 美月は、積み重なった段ボール箱の上から、両手でも抱えきれないほど大きな黒い壺を降ろそうとした。その壺には、何重にも和紙が貼り付けられ、墨で達筆な文字が書き連ねてある。

「これ、めっちゃ重いな。何が入ってるんだろ」

 慎重に、慎重に。しかし、疲労困憊の美月の足元が、濡れた床でわずかに滑った。

「っ、まずい!」

 巨大な壺は、美月の手から滑り落ち、鈍い音を立てて床に激突——する寸前、美月は寸でのところで背中の段ボールを壁に蹴り込み、壺の衝撃を受け止めた。

「はぁ、危な……え?」

 壺本体は割れなかったが、衝撃で古びた和紙の封印が破れてしまった。まるで長い時を経て乾いたセロテープのように、バリバリと音を立てて封印が剥がれ落ちる。すると、壺の蓋から、ゆらりと白い煙が立ち上った。

「え、なにこれ? お香でも入ってたの?」

 その煙は、やがて光の粒となり、美月の目の前で一人の青年の姿を形作った。

 彼は、息をのむほどに美しかった。薄い肌に、艶やかな黒髪。どこか浮世離れした、優雅な和装を纏っている。年の頃は、美月と同じくらいか、少し上に見える。何より、彼の瞳の色が、夜の帳のような深い藍色で、美月を真っ直ぐに見つめていた。

「……ようやく、外の空気を吸えたか」

 青年は、深呼吸するように肩を揺らし、心地よさそうに目を細めた。そして美月をじっと見て、ふわりと微笑んだ。その笑顔は、夜に咲く白い花のように静かで、不思議な安らぎを美月にもたらした。

「あ、あの……あなたは、誰ですか? まさか、泥棒?」

「泥棒? ふむ、聞きなれぬ言の葉だな。私は白澄(しらすみ)。そこの壺に、長らく封じられていた妖(あやかし)だよ」

「……は?」

 美月は、一瞬で頭の中が真っ白になった。父のせいで、借金取り、役所、医者、あらゆる面倒事に対応してきた美月だったが、「妖」という単語は人生で初めての事態だった。

 白澄は、美月の反応など気にせず、しずしずと美月の目の前に歩み寄った。
 
「礼を言う、娘よ。永きに渡る封印から、私を解き放ってくれたな」

「ちょ、ちょっと待って。妖って、何? 本当に? ドッキリとか、新しい借金取りの嫌がらせとかじゃなくて?」

「嫌がらせ? ふむ……。私は確かに、お前のいう妖だ。だが、現世に留まるには、少々厄介な決まりがあってな」

 白澄は、困ったように首を傾げた。その仕草すら絵になる。

「私は元・霊獣(れいじゅう)の妖。力が安定しない。故に、現世に意思を持って長く留まるためには、人間と『契り』を交わさねばならないのだ」

「ち、契り?」

 美月は、全身の血の気が引くのを感じた。

「ああ、契りだ。それは、夫婦の契り。つまり、君と私が夫婦となる、ということだ」

 美澄は思わず後ずさった。こんな美形の、しかも「妖」なんて胡散臭すぎる奴と夫婦? 冗談じゃない。

「とんでもない! 私は借金で首が回らない茶屋の娘よ! 結婚なんて、してる暇ないわ! しかも、あんたは妖でしょ? 警察に通報するわよ!」

「通報、ね。試してみるといい。だが、もし契りを交わさなければ、私の意思は現世に留まれず、すぐに山へと帰ってしまう。それは、君にとって不利益だぞ」

 白澄は、美月の顔を覗き込むようにして囁いた。

「なにせ、私は君を封印から解き放ってくれた礼として、この『月見亭』を立て直す手伝いをしようと思っているのだからな」

「茶屋を、立て直す?」

 借金、母の病、店の存続。美月の心の重荷を、白澄は正確に突いてきた。この美貌と、言葉に嘘がないような不思議な雰囲気が、美月の警戒心をわずかに揺さぶる。

「ああ。君の抱える問題は、私が解決する。ただし、私が現世に留まるための『契約結婚』が条件だ」

「なんで、あんたがそんなことしてくれるのよ?」

「礼だと言っただろう。それに、私は長らく封じられていて、退屈なのだ。君と茶屋で過ごすのは、面白そうだ」

 美月は、必死に頭を回転させた。この男が本当に妖なら、とてつもない力を持っているかもしれない。茶屋の再建どころか、借金も消せるかもしれない。しかし、契約結婚?

「ねえ、契約って、何をすればいいのよ?」美月は、眉間に深い皺を寄せて尋ねた。

 白澄は、にやりと笑った。それは、壺の中にいたはずの妖とは思えないほど、現代的な、ちょっといたずらっぽい笑顔だった。

「簡単なことさ。月に一度は、夫婦として『口づけ』を交わすこと。そして、君が私を、この『月見亭』の主人の一人として認めること。それだけだ」

「……口づけ、だと?」

 美月の頬が、カッと熱くなった。月イチのキス。なんともロマンチックな響きだが、相手は正体不明の妖だ。

「し、仕方ないわね……わかった。ただし! この契約は、私が借金を返し終わるか、あんたの力を私が信用できなくなった時、どちらか早い方で解消できることにするわ!」

「承知した。これにて、我らの『契り』は結ばれた」

 白澄は美月の手をそっと取り、その手の甲に、まるで羽根のような軽いキスを落とした。

 その瞬間、美月の全身に、これまで感じたことのない温かい力が流れ込んだ。張り詰めていた肩の力が抜け、数年ぶりに、心の奥から安堵が広がっていくのを感じた。

(な、なにこれ……?)

「これが、私の力の一部だ。さあ、奥方殿。今日から、この茶屋を共に盛り立てていこうではないか」

 美月は、呆然としたまま、白澄に手を引かれ、土蔵から薄暗い裏庭へと連れ出された。彼女の心には、借金の重圧と、目の前の美青年への警戒心、そして、得体の知れない期待感が渦巻いていた。

「……とりあえず、あんたは今日から、住み込みで茶屋の手伝いね! 月見亭の再建が、あんたの仕事なんだから!」

「心得た、奥方殿」

 白澄は、満面の笑みで答えた。美月は、その「奥方殿」という呼び方に、めちゃくちゃ渋々ながらも、反論の言葉を飲み込んだ。

 こうして、借金まみれの茶屋の娘と、壺から出てきた妖との、奇妙な契約結婚生活が始まったのだった。



 1章が、これだけ? 3千文字しかないよ?
 めちゃダイジェストやん!

 ツッコミ箇所が多すぎてここに続けて書くと長くなるので分けます。

2件のコメント

  • つ、ついに公開してしまわれたのですね

    >めちゃダイジェストやん!
    なんていうか、台無しにする方向にまとめますよね。生成AIって。
  • ゆるりとひかりさん、コメントありがとうございます。
    公開しちゃいました(笑)。

    もう、どうしてそんなにめちゃコンパクトにしたがるのって感じです。
    小説の感想では「ここをもうちょっと会話文で盛り上げて」とかいうくせに……。
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