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となりの人妻さん 第5話 人妻と酒を飲む 試し読み (増量中)

 目の前で、ホカホカと湯気が立っている。

「うわ、カレー美味そう。普段、俺が食べているレトルトのやつよりも、具だくさんのゴロゴロカレーだ!」

「うふふ、童心に帰っちゃう?」

「そうですね、お恥ずかしい」

「良いのよ。じゃあ、いただきましょうか」

「はい」

 俺と藤間さんは、一緒に手を合わせる。

「「いただきます」」

 早速、俺はスプーンを手に取って、美味そうなカレーをいただく。

「あむっ……んっ、美味い!」

 見た目通り、きちんと美味しかった。

「本当に? 良かったわ」

 藤間さんは、ホッとしたように言う。

「いや、でもこうなると、本格的に旦那さんが羨ましいですよ。こんなに美人で優しくて、おまけに料理上手の奥さんがいるだなんて。それだけでもう、人生の勝ち組って感じっすよ。しかも、エリートなんですよね?」

「まあ、そうね。でも、いつも仕事でクタクタだから」

「大変ですね~、社会人は。俺はまだまだ、気楽な大学生でいたいな~」

「そんなこと言っていると、あっという間にニートになっちゃうわよ」

「ちょっと、怖いこと言わないで下さいよ~」

 そんな冗談を言いつつ、美味しい夕ごはんをいただいた。



      ◇



「はぁ~、美味しかったぁ」

 俺はふくれたお腹を撫でる。

「カレーって、どうしてついつい、食べ過ぎちゃうんですかねぇ? ていうか、旦那さんの分も食べちゃいました?」

「ううん、旦那の分はちゃんと取ってあるから、大丈夫よ」

「それなら良かったです。じゃあ、俺はそろそろ……」

 立ち上がろうとしたところで、スッと手の甲に触れられる」

「えっ?」

「……旦那、まだずっと帰って来ないから、寂しいの」

「そ、そう……なんですか」

「どうせ、お隣なんだから、もう少しゆっくりして行ってよ」

「いや、でも……」

 俺が戸惑っていると、藤間さんはスッと立ち上がり、冷蔵校へと向かう。

 それから、何かを持ってまたこちらに戻って来た。

 テーブルに置かれたのは、缶チューハイだ。

「えっ?」

「あ、ごめんなさい。男の子だから、ビールの方が好きだった?」

「いや、ビールはそんなに美味いとは思わないので……ていうか、えっ?」

 俺が困惑している間に、藤間さんはプルタブを開けて、グラスにチューハイを注いでいく。

「最近、流行のレモン味、一緒に飲みましょう?」

「あっ……はい」

 半ば有無を言わせない空気を感じて、俺は大人しく頷いてしまう。

 いや、決して嫌な訳ではない。むしろ、超絶ラッキーな展開だ。

 アパートのおとなりの美人で巨乳な奥さんと、旦那さんがいない隙に2人きりでお酒を飲むだなんて。

 でも、背徳感が半端ない。

 だって、相手は人妻で、俺だって彼女がいて……

「カンパーイ♪」

 ちん、とグラスをぶつけ合う。


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