用語の説明をさせる際、ふわふわだった部分を固めるために練り込んだ長文です。
結局本編ではかなりアバウトな説明に落ち着いたため、こちらに供養として置いておきます。
素人が色んな物漁って唸りながら書いた設定なのでね、色々察してくださいね!
・霊力
霊力とは全ての生物が有する不可視のエネルギーである。
霊力は素粒子サイズの物質「霊子」から構成されており、霊子は他の素粒子と作用しない独自の性質を有している。
そのため、霊力はそのままでは如何なる物体にも作用しない。
霊子が結合し、様々な形を成すことで霊力は他の物体に作用できるようになる。
霊力を用いる、その最たる例は生命活動の促進である。
霊力は生命活動の維持を行うために必要な原子単位の働き(細胞呼吸によるATPの生成など)を始めとし、多くの生命活動を極めて促進させる。
この促進作用が無ければ細胞は生体維持に必要なエネルギーを生成できないため、霊力は生命活動に於いて非常に重要な存在である。
その他にも霊力は霊子の結合により多様な元素へ作用したり、既存の元素や分子を真似る事で擬似的に物質を創り出すことも可能であるなど、既存の科学技術を遥かに凌駕したエネルギーであると言える。
それ故にその存在は厳重に秘匿されており、霊力やそれに付随する存在を知る者は極僅かである。
・霊器
霊器とは全ての生物が有する霊力を生成し、身体全体に送り出す不可視の臓器系である。
人間は胸部の正中線上、胸腺付近に霊力を生成して貯蔵する「霊臓」があり、そこから全身に伸びる「霊導管」そして霊導管の各所に分布する「霊導管節」が存在し、それらを総称して霊器と呼ぶ。
霊力と同様に霊子で構成され、他の臓器に干渉しないのが最大の特徴。
口語で霊器と称される場合、大抵が霊臓を指す。
霊力の示唆ともなる霊臓は個人差による臓器の大小が顕著な傾向にあり、標準的な大きさは心臓の半分ほどであるのに対し、大きい物では胴体内の内臓全てを覆うほど巨大な霊臓も記録上に存在する。
霊導管は、霊臓から生成された霊力を各部の霊導管節による収縮運動により送り出し、霊力を全身に満たす役割を持つ。
霊導管内を通った霊力は最終的に体表付近の霊導管の弁が開くことで霊器外へ放出される。
霊導管には霊力を送る物の他に「還霊導管」及び「還霊導管節」と呼ばれる、霊臓へ霊力を送る霊導管も存在する。
これは主に脳付近の霊導管節から伸びる霊導管と、消化管全域及び生殖器付近の霊導管節から伸びる霊導管があり、それぞれ役割が異なる。
・霊臓と自我境界線
霊臓には霊力の生成の他に、自らの記憶と自我、生物としての「定義」を保持し保管する役割が存在する。
霊力には生物の記憶や感情といった情報を一時的に保持する性質が存在する。
霊臓は脳と消化管にある還霊導管から送られる記憶や感情を保持した霊力を、自身を構成する霊子組成に組み込む事で自我境界線を永続的に保持、保管する。
・不活性霊力
不活性霊力とは霊器外に放出され、エネルギー作用の停止した霊力である。
霊力は霊器から放出されると暫くの間は「活性霊力」として霊器内の霊力と同様の振る舞いをするが、時間と共にエネルギー作用量が減少、霊子の結合力も失われて不活性霊力となる。
更に時間が経つと霊子そのものが崩壊し、観測不可能な域まで霧散する。
・霊力の喪失と回復
生物が通常の生活を送る場合、霊器内の霊力量と放出する霊力量は一定の水準で安定し、大きく変化する事はない。
しかし霊器に損傷を受けた場合や意図して霊力を放出した場合など、外的要因により霊臓の霊力生成量のを上回る霊力を喪失した場合、霊器内の霊力濃度が著しく低下、生命活動に支障を来す。
霊臓は霊力濃度の低下を感知した場合、貯蔵していた霊力を供給して霊力量の回復に努める。
それと同時に、消化管の還霊導管から体腔外の不活性霊力を呼吸によって取り込み、霊臓内の霊力と混合し再活性化させて不足分を補う。
他者から直接霊力供給を行う事でも霊力濃度の低下は改善出来るが、霊力に保持された雑多な情報を取り込む事により自我境界線の不安定化に繋がる恐れがあるため、有事の際を除き推奨されていない。