全六話、ラブコメ短編小説の本作は先日無事、完結を迎えました。
しっとりとした、甘酸っぱくも温かい物語になるよう意識して書きました。
春に咲く、那知さんは色づく世界を作りだす
https://kakuyomu.jp/works/1177354054888193924本文中に触れますので、以降は本作を読み終わったあとにお読みください。
短編という都合上、「どの部分にスポットを当てて書き出すか」で悩みました。
字数という制限がなければ、それこそ事細かに一日目、二日目というように飼い主捜しを書いていたと思います。
流れとしては、
子犬を拾った一日目、
初の声掛けをした二日目、
学校の生徒に呼びかけた三日目、
公園で子犬を連れて声掛けをした四日目、
というように。
実際には一日目と五日目、七日目の三日間とエピローグが描かれています。
主人公の佐々木遙は、冷めた見方で世界を見ています。
基本面倒くさがりで、見て見ぬ振りができるなら、それをしちゃう男です。
しかしそれを吉川那知は許しません。
彼も一人だと見なかった振りをしていたかもしれませんが、そこに彼女がいたことで、子犬探しを手伝うことになりました。
とはいえ彼にも、思うところはあったのだと思います。
子犬には何の罪も無く、なのにそこにいること自体が許されない。
それは冷めた見方で世界を見ている男には、世界から見捨てられた存在のように思えるからです。
ようは世界を冷めた目で見る新しい仲間ができた、ということですね。
もし吉川那知がいなかったのだとしても、管理事務所に預けにいくくらいはしたでしょう。
それ以降、どのように行動したのかはわかりませんが、悪い結果にはならないだろうと思います。
それで子犬は助かりますが、しかし彼の世界の見方、冷めた見方は変わらなかったことでしょう。
色づく世界に到達することは出来ず、彼の成長もなかった。
春に咲く、那知さんは色づく世界を作りだす。
このタイトルには二重の意味を込めました。
表は裏で、裏は表であるというちょっとひねったカタチのタイトルになってます。
本作はいかがでしたでしょうか?
レビュー等いただけましたら嬉しいです。励みにかえて書いていきます。
また、もうひとつ連載中の作品があります。
くうちゃんと末那さんの二人暮らし
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887933485こちらもよろしくお願いします。