マスコミ報道やSNSの書き込みを眺めていると、
かつてのパソコン通信やBBS、インターネット黎明期の掲示板を思い出します。
「コテハン」「荒らし」「無視と寛容」――
あの頃もまた、人の欲と衝動、そして“正義”がぶつかり合っていました。
誹謗中傷、侮辱、名誉毀損。
正義警察と監視社会への嫌悪。
“真実”とは何か――。
そうしたテーマを、古典心理学の概念であるリビドーやペルソナに絡め、
現代社会の“群衆心理”として描いた短編集です。
具体的な事例として、前橋市の報道をモチーフにしていますが、
特定の個人・組織を批判する意図はありません。
むしろ、そこに映る「現代社会の鏡像」を描くことが目的です。
キーワードは、
「不適切だが違法ではない」
「社会通念・道徳・倫理観」と同調圧力への嫌悪、
そして**「法と私刑」**。
多様性を掲げながら、なお「他人を裁きたがる社会」。
その曖昧さの中で、私たちは何を正義と呼ぶのか――。