2018年アンケート回答者特別SS
『最強の鑑定士って誰のこと? ~満腹ごはんで異世界生活~』書き下ろしSS/港瀬つかさ
- 作者
- カドカワBOOKS公式
- このエピソードの文字数
- 7,704文字
- このエピソードの最終更新日時
- 2018年7月3日 18:12
暑い日には、冷製パスタとひんやりゼリーをどうぞ
「暑いねー」
「暑いよねー」
「……何やってんだ、お前ら?」
「「暑いから伸びてる」」
「……阿呆か」
食堂のテーブルの上に、ぐでーっと上半身をくっつけてごろごろしている悠利とレレイの姿に、クーレッシュが呆れたように呟く。所用を終えて戻ってみれば、午前中の家事を一通り終えたらしい悠利と、本日は休みのレレイが二人、ごろごろしている光景に遭遇したのだ。ここは本当に、初心者冒険者のためのトレジャーハンター育成クランなのかと思ってしまったのも無理はなかった。
とはいえ、二人が口にした通り今日は暑い。日差しは強く、風は少ない。木陰や屋内ですら、じりじりと照りつける太陽の恩恵を受けているかのようだった。……おかげで洗濯物はよく乾くし、布団もふかふかになるのだが。それでも暑いものは暑いのであった。
「レレイはともかく、ユーリは平気か? 昼飯とか」
「んんー? 大丈夫。ヤックが戻ってきたら一緒にご飯作るよ」
「俺も今日はもう手が空いてるから、手伝えることあったら言えよ? 後、レレイはこき使って良いからな? 邪魔かもしれねーけど」
「クーレひどい!」
「まぁ、つまみ食いが怖いから、レレイには頼まないかなー」
「ユーリもひどいんだけど!」
ざっくざっくとこき下ろされたレレイが、二人に向かって叫ぶ。叫んで、再び暑いとうなりながらテーブルに突っ伏した。叫んだことで体温が上がったらしい。ちょっと考えれば解りそうなものだが、そこで叫んでしまうからレレイなのであった。
二人のレレイに対する扱いがアレすぎる感じだが、これはいつものことなのでレレイもそこまで怒っていない。仲の良い同年代がじゃれているだけなのだ。後、レレイは細かいことを気にしないので。
「そういや、今日の昼飯いるの、誰?」
「僕らと、ヤックと、アリーさん」
「リーダー戻ってんの? 朝早く出掛けてただろ」
「うん、クーレより前に戻ってきてたよ。今は部屋でお仕事中」
「相変わらずリーダーは忙しそうだなぁ」
「だよねー」
のほほんと会話をする悠利とクーレッシュ。その二人の会話に口を挟まず、レレイはぐでーっと伸びていた。猫獣人の父親を持つレレイは、基本的には元気だが、暑いのはあまり好きではないらしい。そういえば暑い日の猫は、いつも涼しい場所にいるなぁと思う悠利である。こうして食堂のテーブルに突っ伏すことを始めたのも、レレイだった。ひんやりとして気持ちいいのだ。
指導係達がいたら怒られそうな光景だが、忙しいアリーは部屋に籠もりっきり。それ以外の面々は外出しているとなれば、留守番をしている悠利とレレイがひんやりを堪能しても仕方ないのだ。多分。
そんな風に暢気に過ごしていると、お使いから戻ってきたヤックが食堂へと顔を出した。テーブルにぐでーっと突っ伏している悠利とレレイ、その二人の頭を突っついて遊んでいるクーレッシュという三人の姿に、一瞬ぱちくりと瞬きをする最年少だった。
「……えーっと、ただいま?」
「あ、ヤックお帰り」
「おっかえりー」
「お帰り」
「ユーリとレレイさん、何してんの?」
「「涼んでた」」
「へー……」
時々妙に子供っぽいことするなぁとヤックが思ったかどうかは定かでは無いが、若干呆れたような顔をしているので概ねそんなところだろう。
とはいえ、ヤックが戻ってきたことでお昼ご飯を作るというモードに入った悠利は、さっさと起き上がり、椅子の背に引っかけておいたエプロンに手を伸ばす。手早くエプロンを身につけると、同じように身支度を調えたヤックに向けて笑う。
「それじゃ、お昼ご飯の準備しようか?」
「了解」
「手伝いいるか?」
「人数少ないから大丈夫だよ。クーレはレレイがつまみ食いに来ないように見張り番でよろしく」
「任された」
「ひどくない!?」
あんまりだとレレイが訴えるが、食欲旺盛な彼女を知っている男子三人は首を横に振った。レレイの場合、隠れてこっそりつまみ食いをすると言うよりは、側にやってきてきらきらした顔で「美味しそうだね?」とやり出すのだ。あまりに物欲しそうにされるので、ついつい与えてしまいそうになるのである。……成人女性のはずなのだが、まるで子供のような行動を取ることがあるレレイだった。
納得していないレレイをそっちのけで、悠利とヤックは昼食の支度に取りかかる。クーレッシュが何だかんだと言いつつもレレイの相手をしているので、彼らはさっさと作業を進めようと思ったのだ。腹ぺこの虫が鳴き出したら大変なので。
「今日は暑いから、冷製パスタにしようか? サラダ載せたらそれだけで色々食べられるし」
「オイラはそれで良いけど……」
「ん? 何か問題あったっけ?」
「レレイさん、肉無かったら拗ねない?」
「……温泉玉子載っけたら、機嫌直ると思うんだ」
「ユーリ……」
言い方、とヤックが呆れたように呟いた。しかし、間違っていないので仕方ない。レレイは肉食女子なので、肉の気配が無いと少しばかり寂しそうな顔をするのである。しかし同時に、卵料理も好きなので、温泉玉子で機嫌を直すであろうことは確かだった。食べ物で簡単に機嫌が上下する解りやすい腹ぺこ女子なのだ。
二人にそんな会話をされているなどと知らないレレイは、クーレッシュ相手に雑談をしている。相変わらずテーブルに突っ伏したままだが、料理が出来上がれば顔を輝かせるであろうことも解っているので、誰も気にしない。
そんなわけで、本日の献立は冷製サラダパスタに決定した。温泉玉子はおまけのトッピングだが、多分全員食べるだろうからと、冷蔵庫から卵を取り出しておく。温泉玉子を上手に作るコツは、卵を常温に戻しておくことです。そうしておかないと、せっかく沸かしたお湯が冷えてしまうので。
「パスタは何味?」
「んー、今日はサラダ仕立てだから、ドレッシングとかポン酢とかで各自でかけて貰おうかな」
「え? でもそれじゃ、パスタに味があんまりついてないんじゃ……?」
「うん。だから、パスタはスープで茹でて下味を付けようと思うんだよね」
「スープで?」
不思議そうに首を傾げるヤックに対して、悠利はにこにこと笑っている。そこでヤックは気付いた。いつもパスタを茹でている大鍋に、何故か昆布が入れられていることに。じわじわと温まっていくお湯の中で、昆布が色鮮やかな緑へと変化している。スープを作るにしては大きな鍋だと思っていたのが、まさかのパスタを茹でるためだったらしい。
沸騰する前に鍋から昆布を取り出して、悠利はそこに酒、塩、醤油などの調味料を加えていく。イメージはすまし汁で、ほんの少し濃いめの味付けにしている。ヤックにしてみれば、そこへそのまま野菜を入れてスープを作ると思うのだが、悠利はそこでオリーブオイルを取り出した。
とぽぽぽとスープの中にオリーブオイルを入れる悠利。きょとんとしているヤックだが、悠利がやることなので多分大丈夫なんだろうと考える。順調に、「ユーリが作るものは美味しい」が浸透していた。何故そうなった。
ちなみに、お湯にオリーブオイルを入れて茹でるのは、吹きこぼれの防止になる、らしい。悠利はお湯だけで茹でていても吹きこぼれたことが無いので解らないのだが、油分をお湯に入れることで、急激な温度上昇を防げるらしい。なお、パスタのくっつき防止に入れるのは、生麺や幅広の麺のときに有効なだけで、普通の乾麺のパスタは軽く混ぜていれば大丈夫らしい。
ついでに、今回はこのスープはパスタを茹でたのちに野菜を加える予定なので、先にオリーブオイルを入れていても大丈夫だと思ったのもある。……勿体ない精神を持っている乙男は、パスタを茹でるためだけにスープを作ったりなどはしないのである。きちんと有効活用するつもりだった。
「ヤック、サラダの用意してもらっても大丈夫?」
「大丈夫!」
悠利に言われて、ヤックはぱたぱたと冷蔵庫の前へと移動する。サラダの用意といっても、朝食用に大量に野菜を切ってあるので、それを混ぜるのがメインだ。ちぎったレタス、スライスしたタマネギ、千切りにしたキャベツにパプリカ。それらを大きなボウルで混ぜ合わせ、別のボウルにトマトを食べやすい大きさに切って入れていくヤック。その作業も手慣れていた。
ヤックにそちらを任せている間に、悠利は人数分のパスタを茹でる作業に入る。本日は冷製パスタを作ろうと思っているので、パスタの麺も茹でた後に少し冷やそうと思っているのだ。たっぷりのお湯でパスタを茹でて、茹で上がったら麺をザルを入れたボウルに引き上げる。
ただし、今回パスタを茹でるのに使ったスープは野菜スープにするつもりなので、いつものようにザルに入れてお湯を流すことはしない。スープは残したまま、麺だけを引き上げる作業だ。そうしてザルにパスタを引き上げると、スープをしっかりと切って、ボウルに空ける。そして、固まるのを防止するために、オリーブオイルを絡めた。
「ユーリ、それ、スープで茹でたら何か変わった?」
「味見してみる?」
「する!」
「はい、どうぞ。オリーブオイル絡めたから、ちょっと味がするかもしれないけどねー」
「解ったー」
そっと掌の上に載せられた一本のパスタを、ヤックはぱくりと口に入れた。まだ少し熱いパスタだったが、口の中に入れて、少し驚いた顔をする。スープで茹でたことによって、ほんのりとその味が染みこんでいるのだ。
勿論、それだけで食べ続けられるほどの強い味ではない。だがそれでも、普段のお湯で茹でたパスタに比べれば、十分に味が染みこんでいる。すまし汁に近い優しい味わいが広がって、ヤックの顔が少し緩んだ。
「これ、美味しい」
「少しだけでも味がついてると、ちょっと違う感じに仕上がるでしょ?」
「うん」
嬉しそうに笑うヤックの姿に、悠利もにこにこと笑った。そして悠利は、オリーブオイルを絡めたパスタの入ったボウルを、あら熱を取るために濡れた布巾で底の部分を包むようにして放置した。それが終われば冷蔵庫に入れて、少し冷たくする予定なのだ。
パスタが冷めるのを待つ間に、悠利はヤックと二人、温泉玉子を作る作業に取りかかる。人数分の卵は既に常温に戻っていた。常温に戻すのは、勿論お湯の温度が不必要に冷めないようにということもあるが、お湯をかけたときの急激な温度変化で卵が割れるのを防止する意味もあったりする。
温泉玉子と半熟ゆで玉子の違いは、白身が固まっているかいないかである。大雑把に言ってしまえば、白身が固まっていればゆで玉子で、固まらずにとろんとしていれば温泉玉子である。なので、同じように卵をお湯に入れて作る料理でも、手順が異なる。
「それじゃ、まずはお湯を沸かして、沸いたら少し冷まそうね」
「いつも思うけど、この冷ます時間が難しいんだ……」
「そうだねぇ。温度計があると良いんだけど、お湯に使えるのは見つからなかったしねー」
ヤックがしみじみと呟くと、悠利も素直に頷いた。体温計の類いはあるのだが、お湯に使えるような頑丈な温度計はアジトでは見当たらなかったのである。探せばどこかに売っているのかも知れないが、悠利はそこまで積極的に探そうとはしなかった。
何故ならば。
「あ、ヤック、お湯の温度、良い感じになったみたい」
「了解ー」
「鑑定
「……いや、多分普通は、そういう使い方しないと思うんだ、オイラ……」
「そうかな?」
「そうだよ」
「そっかー」
ヤックのツッコミに、悠利はのほほんと笑っていた。そう、悠利は自分が手にしている鑑定系最上位というチート
そうして適温になったお湯を、ボウルに入れた卵の上にかけていく。卵が隠れるぐらいにお湯を入れたら、そのまま放置だ。ただし、お湯の温度が下がりすぎると固まってくれないので、蓋代わりに布巾をかけて、ボウルの側面も布巾で包んでおいた。後はこのまま二十分から三十分ほど放置しておけば完成だ。ちなみに適温とは、六十五度から七十度ぐらいらしい。
温泉玉子が出来上がるのを待っている間に、悠利は具材を刻んでスープを完成させ、ヤックはテーブルの上を拭いて飲み物の用意を始めている。昼ご飯の気配を察知したレレイがうずうずしているが、クーレッシュに襟首をひっつかまれて大人しくしていた。そんな二人のやりとりも、いつものことである。
そうして全ての準備が整ったら、盛り付け開始だった。作業の途中で冷蔵庫に片付けておいたパスタを取り出して、器に取り分けていく。悠利がパスタを人数分盛りつけると、ヤックがその上にサラダを載せていき、最後に彩りとしてカットトマトを並べていく。白い器に、淡い色のパスタと緑がメインのサラダ、赤いトマトが映えて、実に美味しそうだった。
「それじゃ、玉子割ってみようか」
「うん」
小さな器に、ボウルから取り出した温泉玉子を割ってみると、良い感じのとろりとした半熟に仕上がっていた。それに満足そうに笑うと、悠利とヤックはサラダの上に温泉玉子を載せていく。白と黄色のとろんとした温泉玉子が、サラダの上でぷるんと揺れた。
これでメインは完成だ。後は、各自に好きなドレッシングをかけて食べてもらえば良いのだ。てきぱきと二人は出来上がった料理を食堂へと運んでいく。野菜たっぷりの温玉載せ冷製パスタに、キノコと野菜とベーコンのスープ。シンプルだが、栄養はしっかり取れそうなご飯の完成だった。
料理が全て並ぶ頃にはアリーも食堂にやってきて、五人揃っての昼ご飯は開始された。いただきます、と最初に呟いたのは、いつも通り悠利だった。何となく、悠利が最初に挨拶をして、皆がそれに倣うというのが染みついていた。理由は誰にも解らないが、不都合も無いのでこの習慣は続けられている。
サラダパスタの上にかけるのは、ドレッシング派がクーレッシュとヤック。ポン酢派が悠利とアリー。そしてレレイは、マヨネーズでチャレンジしていた。一応下にパスタがあると伝えてあるのだが、マヨネーズで食べるサラダもお気に入りなレレイは、気にせずマヨネーズをかけていた。まぁ、温泉玉子だろうと卵は卵なので、マヨネーズとの相性はそこまで悪くないだろうと気にしないことにした一同だった。
「んー、美味しいー」
ポン酢で味付けをしたサラダパスタを口に運びながら、悠利は幸せそうにふにゃりと笑った。シャキシャキした野菜サラダはポン酢と合うし、スープで茹でたことで下味のついたパスタは控えめながら味を添えてくれている。潰して混ぜた温泉玉子の風味も実に絶品だった。
その感想は他の面々も同じだったらしく、悠利と同じくポン酢でさっぱり食べているアリーも、ドレッシングでサラダっぽく食べているクーレッシュとヤックも、ご機嫌だった。ポン酢と違って油分のあるドレッシングだが、サラダと一緒に食べるのでパスタの味が濃くなることもなく、良い感じだった。そして、マヨネーズ派のレレイも美味しそうにもぐもぐと食べている。
ぺろりと一皿を食べ終えた彼女は、じーっと悠利を見ている。
「……お代わりなら、まだあるから、自分で欲しいだけ入れてね? あ、温泉玉子はもうないけど」
「解ったー!」
レレイは即座に台所へと向かっていった。大変解りやすい。彼女は美味しいご飯を食べるのが大好きで、更に言えば大食漢に分類されるタイプだったので、一杯では足りなかったらしい。ちなみに、スープもきっちり食べ終えている。早い。
醤油ベースの味付けのスープは、野菜とキノコとベーコンの旨味とオリーブオイルの風味で、優しい味わいに仕上がっている。サラダとはまた別の野菜を使っているので、口に広がるのも違う味だ。パスタが冷たいので、スープは少し温かいぐらいで丁度良かった。
「お前、その山盛り食えんの?」
「え? 食べるよ?」
「……そうかよ」
「クーレはお代わりしないの?」
「するけど、お前みたいに山盛りにはしねぇよ」
お代わりのパスタを山盛りにしてきたレレイに対して、クーレッシュが呆れたように呟いた。しかし、当人はけろりとしている。彼女の胃袋は大きいのだ。ちなみに、お代わりは違う味を堪能するためか、ポン酢をかけて食べていた。
「ユーリ、これ、美味しいね! パスタにちょっと味がついてるのも凄く美味しいよ」
「気に入ってもらって良かった。アリーさんはどうですか?」
「お前の作るもんは何でも美味いだろうが」
「ありがとうございます。でも、好みってありますよね?」
「今日も美味い。ご馳走さん」
「はい」
にこにこ笑顔で食べているレレイからのお褒めの言葉に、悠利は嬉しそうに笑った。そうして視線を、隣で食べているアリーに向ければ、少々素っ気ない反応が返った。けれど気にせず言葉を続ける悠利に、アリーは苦笑しつつも素直な感想を告げてくれる。その言葉が嬉しい悠利だった。
アリーを初めとする指導係達は、あまり大袈裟に美味しいとは言わない。それでも、そんな彼らが自分の料理を美味しいと思って食べてくれているのだと思うと、幸せな気持ちになる悠利だった。
「あ、デザートがあるんで、取ってきます」
「デザート?」
立ち上がって仕事に戻ろうとしたアリーに、悠利が慌てて口を開く。ぱたぱたと走って行った先は冷蔵庫の前だった。そうして悠利は、冷凍庫から小さな器をいくつも取り出して持ってくる。スプーンを添えて渡されたそれは、凍ったジュースのように見えた。
だがしかし。
「昨日作ったゼリーが残っていたので、凍らせてみました。ひんやりして美味しいですよ」
「ゼリーを凍らせたのか?」
「はい。普通に冷やしたのも美味しいんですけど、凍らせたのも美味しいですよ」
そう言って笑う悠利に首を捻りつつ、アリーは手渡されたゼリーを受けとる。スプーンを入れてみれば、凍っているので抵抗があった。それを力を込めることで通り越えれば、固さの中にも奇妙な弾力が感じられる。これがシャーベットや氷の類いでは無くゼリーだと解る感触だった。
ショリとぷるんの間のような不思議な感触のそれを、アリーはスプーンで掬って口の中に入れた。広がるのは、果実の甘みだった。悠利に視線を向ければ、オレンジで作りましたとほわわんとした笑顔で言われる。確かに広がるのはオレンジの味わいで、そして、ゼリー特有のぷるぷるとした食感と、それが凍ったことによる固さという不思議な調和だった。
「……冷たくて美味いな」
「今日は暑いですからねー」
「ユーリ、これ、面白い食感だな」
「でしょー?」
美味しい美味しいと食べているレレイと、幸せそうな顔で食べているヤックを横目に、クーレッシュが笑顔で悠利に感想を述べている。あえてゼリーを凍らせていることでぷるぷるした食感が残っているのが、ちょっと楽しいのだ。悠利もそう思っているので、答える顔は楽しそうな笑顔だった。
かくして、その日の昼食も、美味しいご飯を堪能する一同でありました。暑い日には、それに合わせた献立が美味しいものなのです。
共有されたエピソードはここまで。 カドカワBOOKS公式さんに感想を伝えましょう!
小説情報
- 小説タイトル
- 2018年アンケート回答者特別SS
- 作者
- カドカワBOOKS公式
- 公開済みエピソードの総文字数
- 0文字