誰しもが狂人たり得るのだ。人の弱さ故に

病の様に、狂気は伝播する。
この物語には多くの狂人が現れ、そして多くが悔いる。
狂気とは誰しもがかかりうる病であり、その発露が殺意であり、後悔とはその後遺症のようなものだと。
人間は誰しもが当事者たり得る弱さを持ちながら、それから目をそらしながら逃げ続けている。
ここにはあるのは逃避の果の惨状だ。
既に終わりきった惨劇を常人の傍観者が紐解いていく。
そして知るのだ。
己自身が何であったのかを。

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