“黒色の救い姫” は護られているだけじゃない

 ゆっくりスタートな物語ですが、読み進めると面白くなります。

 最初こそ、ウィルくんに拾われて、タイトルどおり過保護にされている夏妃ですが、「Ⅵ.龍宮に嵐来たりて」では、指輪のことで鋭い所を見せてくれます。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、ずっと過保護にされていた夏妃がやってくれます。気持ちの良い活躍ぶりです。

 登場キャラのほとんどが、生真面目でいい人なのも安心して読めました。(……王族を除く)
 一見するとお人好しな龍族ですが、エルヴァさんをはじめ、考えている人は、考えている様子です。
 夏妃も過保護に甘えることなく自立しようと頑張っています。読み進めると、キャラクターたちの深い一面が垣間見える。そこが面白い。そんな物語です。