6. その名はレギオン


 

 数十分後、何とか落ち着いたニアとリーンは互いに顔を直視することは出来ないものの、何とか旅路を再開できるようになるまで回復したので、一行は粛々しゅくしゅくと帰路を進みだした。


 ラグールとパマも何事もなかったように平然としている。


 月がすっかり顔を出し、辺りが闇に包まれた頃に彼らは、小さな村にたどりつき、体を休めるため宿を取った。


 ここから、あと半日ほど歩けば、国境を抜けられる。そうすれば、寄り合い馬車に乗って、あっという間に自分たちが拠点を構える国に帰りつくことだろう。旅の終わりが見えてきたせいだろうか、皆気を緩めている。


「いや~、助かりましたね。ここの村はまだまとも・・・で。」


 宿に備え付けられた、小さな酒場で遅めの夕食をとっている中、ラグールは、ほっとしたように言い、それを皆が思い思いに肯定する。


 元々、国の鉄鉱石しょうひんが売れなくなって多くの失業者が出ている中、戦争による物資の強制徴収や制限がおきたのだ。泣きっ面に蜂とはこのことである。


 ただ一欠けらのパンを求めて、大の大人が殴り合う。そんな光景を道中、彼らは嫌というほど見てきたのだ。


 その中で、この村は村人に覇気がないだけの、まともな村だった。酒場には自分達以外いないがちゃんと経営している。


 口減らしでもしたのだろうかとニアは眉をしかめるが、栓ないことだと首を振る。皆、今を生きるのに必死なのだろうと考え、自分にそれを責める権利はないと思ったのだ。


「これで、この国ともお別れね~。あまり、いい思い出はなかったけれど……。でも、ほら“英雄”の像はすごかったんじゃな~い?」


「おお、そうだったな。おいちゃんも、アレは一度見てみたかったんだよね。貴重な鉱石や宝石を惜しみなく使ってるって話でしょ?」


「……すごかったの」


「ええ、素晴らしかったですね。像から伝わりましたよ、彼の力強さを」


 この国の現状を思い出して陰鬱いんうつな空気になってしまったのを吹き飛ばそうと、パマが話題を今回の旅路にうつし、“英雄”の話に花を咲かせる。


 今回の旅の目的は、ニアの制作を依頼していたグレート・ソードの受け取りだった。


 彼が一年程前に依頼していたモノで完成したがつい最近。

 本来、ニアの手元にまで行商人の手を介して輸送される手筈てはずだったのだが現在イヴァール王国は戦時中だ。


 戦火の中を潜り抜けて配送するような命知らずの商人なぞいるはずもなく。

 そもそも一介の商人程度には街道の通行許可さえ下りることもなかったため、配送は戦争が落ち着いてからという話になったのだ。が、それを刀馬鹿ニアが素直に受け止めるはずもなく。

 

 彼が「じゃあ、オレが取りに行く」と言い出したのがこの旅の始まりなのだった。


 ニアの数年来の付き合いである【朝日迎える、モーニング・五枚の花弁グローリー】のメンバーも、たかだか刀剣一本の為に険しい山脈を乗り越え、凶悪な魔物ひしめくイヴァール王国に行くのを最初は渋ったが、ニアの押しに負けこの旅に同行したのだ。


 何だかんだ言っても、ニアはパーティーのムードメーカーであり、そしてリーダーなのだ。

 皆、彼のことを憎からず思い、その小さな体に秘める力を認めている。なので、今回は彼のわがままに付き合ってあげようと思ったのだ。


 だが、刀剣を受け取るだけでは流石にどうかということで、一行は帰り路のついでとばかりに“人類最強”とまでうたわれた男、【人類の最終兵器ピースメーカー】‟アートムヴァッフェ・フリーデン”の生まれた地に訪れようと考えたのだ。


 彼に憧れる冒険者は少なくないのだ。――もっとも、ニアは乗り気ではなかったのだが


――アートムヴァッフェの逸話は語ることに事欠かないほど数多くある。

 有名なのは単独で【血濡れの山脈】のドラゴンを打ち取ったことだろうか。

 彼は、本来、義務であるはずのパーティーを作らず単独で活動していたという。


「……オレは何とも思わなかったね。あんな鉄クズの塊」


 話の流れを断ち切る様にニアはぶっきらぼうに言い放つ。


「だって、そうだろ? アートムヴァッフェは誰よりも強かった。確かに、‟人類最強”だ。俺達なんか足下にもおよばねえ力を持っていたらしいじゃねえか。でもよ、違うだろ? 人間の強さってのはよ、自分てめぇだけの力じゃねえ。足りない所をよ、補いあって、力合わせて戦うことじゃねえのか? だからオレは、ソレを否定するかのように一人でいつ続けた“英雄”様が嫌いだね。」

 

「……そりゃ、まあ。……そう言われっちまったら、何も言い返せないわ」


 困ったように頬をかきながら答えるボザエッグ。そう言えば、コイツは“英雄否定派”だったなと思い出す。


 実際、ニアの述べた考えを少なくない者が持っている。


 【人類の最終兵器ピースメーカー】とまで称される、アートムヴァッフェ・フリーデンが他の冒険者と肩を並べれば、魔物を一掃することも夢ではないとさえ言われていた。

 しかし、彼はその言葉にがんとして首を縦に振らず、単独での活動を続けたのだった。


 一人を貫いた彼の最期は陰惨なものであった。


 人里を離れ、山奥で余生を過ごしていた往年のアートムヴァッフェ。

 そこに、魔物の最上位種、亜人型の魔物の中でも特に残虐な存在、気まぐれに国をも亡ぼすとも伝えられる、狂気の【日を征する夜の覇者デイ・ウォーカー】二人組に襲われたのだ。


 彼は散々に拷問を受け遂には息絶え、最後はこの町の中央広場にある時計台に死体を晒し者にされたのだ。


 既に老人と言ってもいい歳だったが、‟人類最強”の敗北は人々に魔物の恐怖を思い起こさせ、大きな動揺を生じさせた。

 それは、国を超え大陸中に伝播し、各国に混乱の渦を作り出したのだ。


 焦った国々と冒険者ギルドは慌てて事を収めようと、“英雄”の墓と銅像を作った。

 そして、彼が人類を守るために命を賭した英雄だったのだと持ち上げ、神格化させ、人々の『“英雄”が殺された恐怖』を『“英雄”のわが身顧みぬ美談への称賛』に塗り替えようとしたのだ。そして、それはおおむね上手くいった。


 しかし、人の口には戸が立てられない。ねつ造された話を信じない者も少なからずいた。

 その一部の人々、俗にいう“英雄否定派”には、『アートムヴァッフェは独りよがりの大馬鹿野郎』と蔑まれているのだ。


「……それに、そんな鉄クズなんかより、もっとヤバイのが目の前に居ただろ」


  ニアは、独り言のように付け加えるが、か細い声だったのか誰の耳にも入っていないようだった。

 ニアは一人、あの日見た少年のことを思い出す。







 それは、“英雄”の生まれた街に訪れたその日の出来事だった。そこは流石さすがに他の村々と比べ治安もよく、活気にあふれている街だった。


 くだんの“英雄”像を見上げる様に、その少年はいた。


 緋色の髪はぼさぼさで痛んでおり、頬は痩せこけ、大きな隈をこさえた虚ろな緋色の瞳を持つ、ぼろきれのようなマントに身を包んだ少年だった。

 歳は15の成人を迎えたばかりだろうか、彼はブツブツと銅像に向かって話しかけていたのだ。


 それを見たニアは背筋に走る謎の悪寒を感じたが、仲間たちは天高くそびえ立つ“英雄”の銅像に目を奪われ、少年のことなど気にも留めていなかった。


 少年のことは、そこらのスラムの者だと判断したのだろう。しかし、よく見るとマントの下に軽装の鎧を身に着けているのが見える。

 恐らく、新米冒険者なのだろうとニアは当たりををつけた。なりたての冒険者の暮らしはお世辞にもいいと言えない、冒険者は人類に貢献して初めて認められるのだ。

 ニアは少年の格好もそのためだと判断した。

 

 だから、彼は自分が感じた悪寒の正体を確かめようとした。ひよっ子である新米冒険者に自分がわずかに気おされたことに興味を持ったのだ。面白半分でそっと、少年のぼそぼそと呟く声に耳を傾けた。


「うん、今日も魔物をぶっ殺したよ。三匹。うん、えへへ、そんな褒めないでよ。うん、……おじいちゃん、もうすぐだよ。……もうすぐ、あの二人を殺す準備が整うよ。……もうすぐ、もうすぐだよ。待っててね。僕が――――まで」


「――なっ!!」


 少年の言葉も衝撃的、と言えばそうであったが、何よりニアを驚かせたのは、少年のつむぐ一言、一言に込められている悪感情。

 少年が持つには不釣り合いな、憎悪の塊だった。


 虚ろな表情からは想像もできない激情の洪水。

 先ほど一瞬感じたものとは比ではない量のソレを感じ取ってしまったニアは気づけば武器に手を掛け、臨戦態勢を取っていた。体もわずかに震え、嫌な汗が流れている。


 それなりの場数を踏んだ自負のあるニア。それが、成人したての少年ひよっ子に気おされた事実に呆然とする。それも少年が、誰かに向けているのだろう激情。その余波・・だけでだ。

 ニアが意識を少年に再び向けた時にはその姿は影も形もなく、ただ仲間達が像を見ながら騒いでいるだけだった。


「……あのアートムヴァッフェに孫なんていたか?」


 思わず出た言葉は誰に聞かれることなく、風に乗って消えたのだった。


 





 散々に”英雄”をこきおろし、何かを呟いたあと、急に心ここにあらずな雰囲気をかもしだすニア。


 また、周りの空気が悪くなったことに辟易へきえきしながらもボザエッグは、場をとりなそうと演技かかった話し方でしゃべる。


「――っな、なあ? お前らよ。何を隠そうおいちゃんが名付けた、このパーティー名! 【朝日迎える、モーニング・五枚の花弁グローリー】!! その由来をちゃんと知っている者はおるかな? ま・さ・か! 数年来の付き合いのパーティ―名を知らん者はおらんよな、んん?」


「え、そんなのがあったのですか? 知りませんでしたよ」

「何だッて? おいちゃん悲しいなぁ!」


 ボザエッグに乗っかるように、少し喰い気味で話す、ラグール。それを見て他の面々も気を取り直す。


「え~と、確か。モーニング・グローリ―って花の名前よねぇ?」

「……ん。それ、……確かアサガオなの」

「そう、それ! その花! で、だな。その花には、込められたある意味が――」


「ぼ、冒険者さま!! どうか、どうか、わたくしめ共をお助けください!!」


 またもや周りの空気を破壊されたことに、ボザエッグ深くため息をつくが、ただならぬ雰囲気を感じすぐに顔を引き締める。


 突然、酒場に転がり込んできた細身の老人。身なりからして村長だと思われる者が、ただでさえ皺だらけの顔をさらにクシャククシャにし、頭をたたきつける勢いで床に押し付け懇願する。

 その様を冷静に見ながら、ボザエッグは老人に冷静に話しかける。


 「――まず、話をききましょうか」







 翌日。太陽がようやく月と代わり、顔を出そうとする早朝。

 ニアたちは、村の正面入り口を背にして陣取り、武器を構え立っていた。

 ニアは昨日のことなど忘れ、グレートソードで素振りをしながら、今か、今かと待ち受けていた。


「フンっ、フンっ、……にしてもあれだな。宣戦布告してくる魔物なんて初めてだな。」


「ええ、ご丁寧に攻める場所、時間、おまけに人数まで記載していましたよ。人間の文字を使っているので最初は驚きましたが。やはり、魔物は魔物ですね。馬鹿正直に情報をさらしすぎです。真正面からぶつかる事しか考えないのでしょうね」


「……そうなの。ゴブリンなんて……ちょいちょいのちょい、なの」

「うーむ。でも本来、ギルドを介さない依頼は受け付けちゃいかんのよ?」

「い~じゃないですか~。旅の締めってことで~。ニアさんも張り切っていることですし~」


 昨夜、訪れた村長の依頼は宣戦布告して来たゴブリンの討伐だった。

 なんでも、村長が夜半に用を足し自室を離れ、戻った時には机の上にその旨を記した手紙と一枚の羽根がいつのまにやら置かれていたらしいのだ。


 村長は、始めは何かの冗談かと思った。

 魔物が宣戦布告など馬鹿げている。彼らは本能に従い暴虐ぼうぎゃくの限りを尽くす化け物なのだ。

 人間並みの知能があると言われている亜人型でも、そんなまどろっこしいことなどしない。亜人型は刹那を生きる者だ。一秒後のことさえ考えていない輩が明日のことなど考えるわけがないだろう。

 

 故に、村長は悪戯だろうと一笑に伏して終わらせようとした。

 魔物特有の紫色の血によって、人間のものとは思えない野太い指でされたであろう血判が手紙の終わりにあるのを見るまでは――

 

 絶望に顔を青ざめた村長は、冒険者が村を偶然・・訪れていたことに、神への感謝の言葉を思いつく限り叫びながら、ニア達のいた酒場に転がり込んできたという訳だった。

 

 村長に見せてもらった手紙の内容は、自身の力を誇示する実に魔物らしいものだった。


――曰く、『我ら、最強の魔物なり。その数、三十』


――曰く、『日が天に最も近づくとき村の正面入り口より侵攻す』


――曰く、『降伏せよ、さすれば命だけは保証しよう。』


 最期の文言あたりは少し気色が違った気がするが、ニア達は特に気にすることはなかった。


「オレたちがここに居ると知らないで、全く哀れな奴らだぜ。」

「……ん。それに……最強とか、ちゃんちゃら……おかしいの」


 ニアがニヤリと顔をゆがめ、追随するようにリーンが頷く。


 確かにゴブリンでも手紙通り三十人もいれば村の一つ容易く攻め滅ぼすことができるであろうが、ニアたちはそれなりのキャリアを持つ冒険者、”人類の反撃のつるぎ”なのだ。


 ゴブリン程度、文字通り朝飯前である。


「あ、来たみたいですよ」

「お! やっと、おいでなすったか!」


 ラグールの指さす方向の繁みから、布告通りの時間と数でコブリンが悠々と現れた。彼らは皆、まるで人間の様に鎧や武器を身に着けている。その様に、ニア達は 一瞬、唖然あぜんとするがすぐさま戦闘態勢に移る。


 先頭を歩くのは片眼に三つの傷を持つゴブリン。

 ニアより高い身長を持っており、ゴブリンにしては大柄で非常に筋肉質だ。

 さらに、他のゴブリン達より一段上の装備を身に着けている。彼がリーダー格のゴブリンなのだと、すぐさまニア達は理解した。


 確かにゴブリンにしては恵まれた体格をしている。そのせいで調子に乗ってしまったのだろうと判断し、哀れな奴だと、あざけるように笑みを浮かべる。

 

「……人間ども、降伏する準備はできたか?」


 ニアたちから約十メートルほど離れた位置で歩を止めたゴブリン達。リーダー格ゴブリンが、無表情を崩すことなく淡々とニアたちに話かける。

 それに性質の悪い冗談を聞いたような顔で聞いたニアが剣をゴブリン達に構えて言う。


「かっ、オレ達を見てまだそんなこと、言ってんのか? おいおい、勘弁してくれ。オレはいつでも準備万端だぜ? もちろん、お前たちを斬り刻む準備だけどな」

「そうか、降伏しないのだな……愚かなことだ」

「おいおい、それはこっちのセリフだっての。まあ、お前らゴブリンでさえも確かに身体能力は人間より上だ。だが、それだけだ。お前たちはただ群れているだけだ。みせてやるぜ? 本当の集団パーティーの力をよ!」


 今だに、冷静さを欠かず話しかけるリーダー格のゴブリン。

 まるで魔物らしくない彼に、薄ら寒いモノを感じながらもニアはゴブリン達めがけ飛び掛かる。それに続くように他のメンバーも続く。


 しかし、ゴブリン達は動かない。ただ、黙ってリーダーの指示を待っている。「パチン」とリーダー格のゴブリンが何かの合図かのように指を鳴らし、感情のこもらない声で呟く。


「……集団の力か。ならば、俺たちの力はさしずめ――軍勢レギオンとでも呼ぶのだろうよ」



 ―――――パァッン

 



 乾いた音がやけに鮮明に鳴り響く。


 泣き叫ぶような、誰かの叫び。


 ドサッと、力なく倒れるナニカ。


 大地に染み込んでゆく、赤黒い色・・・・の液体。



「……え?」


 ニアは音が聞こえた方向を振り返る。音は村の方から聞こえたのだ。

 敵を目の前にしながら致命的な隙をさらしてしまう。しかし、そんな事を考える余裕がなかった。


 目の前には倒れ伏したパマを言葉にならない声で絶叫しながら、抱きかかえるクーデル。

 ボザエッグもリーンも青い顔で、ただその光景を何が起きたか理解できないと、呆然と見ている。


 ニアの視界に映るのは、パマから噴き出るおびただしい程の血、血、血。


 「はっ!? ば、馬鹿野郎!! 早く、し――っ!!」


 「止血を」と叫ぼうとするが、ラグールに抱きかかえられているパマの姿に言葉を飲む。



――パマの胸には拳大の大きな風穴があった。


 

 ビクンッ、ビクンッと体は機械的に動いているがただの生理反応だ。そこに意志はない。

 何が起きたか理解する間もなかったのだろう、彼女の光のない目は驚愕に見開いている。

 

「……馬鹿正直・・・・に正門で立っていてもらって感謝しよう、冒険者よ。お前達が現れたと聞いたときは焦りもしたが、こうも上手くいくとはな。」


 ゴブリンの声はもうニアに届いていない。目の前の事実が理解できないし、理解したくないのだ。


 彼に聞こえるのは、噛み合わない歯がガチガチと奏でる狂った不協和音のみ。


 何かの気配を今更・・気づき、壊れたオモチャの様にゆっくりと村の方に視線を向ける。


――そこにあるのは、赤く、紅く、朱い、世界。


――そこにあるのは、村人だった・・・モノ達。


――そこにあるのは、百を超す緑の悪魔ゴブリン


 村にいるゴブリンは皆、体中に木の葉や草を擦り付けたり、泥を被ったりと、奇妙な恰好をしていた。が、ニアはソレを冷静に把握することは出来ない。


「……あ、う。う、うそだ。おか……しいだろ? だって……」


「……ところで、集団チームの力とやらはソレ・・がいなくても大丈夫なのか?」


  敵を眼前に膝をつき、ぶつぶつと呟くニアに、リーダー格のゴブリンは嘲りも、侮りもなく、ただ事実確認をするかのように問う。「ソレ」の所でパマに目線を送りながら。


「パマアアアアアァァァァ!!!!」


 しかし、その問いかけは、ニアが理解してしまった事実に対する絶叫にかき消されていった。




――そう、あっさりと、実にあっさりと、パマの命は奪われたのだ。




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