十三章 此岸の解釈

 三条と名乗った男は風溜に壱師達と風太夫である湯山、そして騒ぎの間も風溜に残っていた日奈子と宗佑、そして早苗だけを集めた。

 三条と並び立つように、まゆらと久保も同席した。

 久保が捕えた女は、行方がわからなくなっていた。村の者で捜索に当たるという案も出たが、千葉がそれを却下した。

 曰く、女を見つけ出し次第殺してしまう者は少なくないという。

 そんなまさかとは思ったが、現に女を捕えていた千葉家に村の者達が襲撃をかけたという事実がある。

 そこまでしてあの女を憎悪する理由は何なのか。

 三条はそれを話すという。

 それだけではない。今までこの村を襲った、全ての不可解な現象についても、全てを話して聞かせるのだという。

 三条は舞戸の真ん中に立ち、柔和に笑ってから話し始めた。

「まず、僕は探偵ではありません。現場に訪れた訳でもないですし、所謂安楽椅子探偵などというものでもありません。しかし今ここで一つの真実を語ろうと思います。何故僕がそんなことが出来るのか、それはこちらの二人」

 三条は見物席に並んで座っているまゆらと久保を目で指し示した。

「久遠まゆらさんと久保若葉君のもたらしてくれた情報のおかげです。二人は見たままの情報だけでなく、自ら推測し、確信した事実についても僕に伝えてくれました。なので今回の探偵役は、言わばこの二人に他ならないのです」

 まゆらが神妙な面持ちで三条の言葉を聞いているのに対し、久保はにやにやと薄ら笑いを浮かべて見物しているといった様相だった。

「問題は、何から語るべきか、ということです。一旦時系列に沿って整理してみましょう。

 まずは戦前、湯山栄吉さんと千葉幸雄さんが、風祭の最中に二体目の樒鬼を目撃しました」

 壱師達が一斉にざわめく。坂部はウチギリの時に湯山から昔に風流しの現場を見たという話を聞いていたが、それでも驚いた。

「次は一気に飛んで三十七年前、村内のある家が火災で全焼しました」

 さらにざわめくが、反応は人によって違った。坂部のようにどういうことかわからずに疑問に思う者と、何かを悟ったようにはっと息を呑む者。

「また一気に飛びます。去年、火野日奈子さんの息子さんが行方不明になりました」

 坂部は日奈子の方を見る。日奈子は事情が呑み込めないような表情を浮かべ、ぼんやりと三条の言葉を聞いている。

「そしてこれは一昨日から、簡潔に纏めましょう。

 一日目、ウチギリの日に霊能者を名乗る久遠さんが、村内の秘であるはずの風流しを防ぐという名目で村を訪れます。

 二日目、フキナラシの準備中、三十七年前の火事について聞き回るために久保君が村を訪れます。

 フキナラシの最中、湯山さんの自宅の裏山の祠が何者かに放火されます。

 その後同じくフキナラシの樒の舞いの中、存在しないはずの二体目の樒鬼の装束を纏った千葉さんが現れ、樒の実の中毒で倒れます。

 三日目――つまり今日――正確にはもう昨日ですが――久保君の自動車が何者かによって放火されます。

 再開するはずだった樒の舞いの直前、久保君が見物客の女性に首を絞められる騒ぎが起こります。

 女性はそのまま千葉達雄さんに連行され、警察に引き渡されるまで千葉家に身柄を置かれます。そこに村の方達が襲撃に訪れます。その後千葉家は火災に見舞われました」

 三条はそこで一度言葉を切る。後はこうして集まった――ご覧の通りという訳か。

 しかし探偵役だと言ったまゆらと久保が、謎の中に組み込まれているというのも妙な話だ。

「これらは、ある意味では全て一つの事実に端を発すると言えなくもありません。そこでまずは、久遠さんがこの村を訪れたところから話を始めましょう」

 三条がまゆらの方を見ると、まゆらは小さく頷いた。

「久遠さんは――本人は否定するでしょうが――純然たる霊能者です。見て、聞き、触り、話し、対処することが出来るだけの力を持っています。僕はそうした人達に仕事を斡旋しています。今回は湯山さんから『風流しを未然に防ぐように』と依頼を受け、久遠さんに請け負ってもらったということになります」

 ただ――三条はまゆらとアイコンタクトを取りながら、続きを話していく。

「結論から言えば、霊能者を派遣したのは、正しい手ではなかったと言えるでしょう。しかし、久遠さんに依頼を請け負ってもらったのは正解でした。久遠さんは己の経験則だけではなく、他の知識を蓄えていくタイプの霊能者です。故に、久遠さんには風流しが一体何を意味するのか――それがわかった」

 壱師達が思い出したかのようにざわめき立つ。

 昔話でしかなかった風流しに、理論的な答えを求められるとは誰も予想出来なかったからだ。

「風流しとは何なのか――これが全ての鍵になります。そこでこれを明かす前に、まずは一旦二体目の樒鬼について話を移そうと思います」

「もったいぶりますねえ三条さん」

 久保が茶々を入れると、三条は困ったように笑った。

「そう言わないでよ。この二体目の樒鬼というのも、風流しに重要な意味を持つんだから」

 砕けた口調になっていたのを矯正するように一度咳払いをしてから、三条は続きを話す。

「九十年近くも前になります」

 そこで三条は湯山と千葉が体験したという二体目の樒鬼との邂逅を短く話した。

「ここで湯山さんは一つ、今は失われた過去のこの村での常識を久遠さんに話しています。『風流しは、二体目の樒鬼が引き起こす』。つまり、その時お二人が目撃した樒鬼は、まさに風流しを引き起こしていたと言えるでしょう」

 三条はそこで千葉へと視線を向けた。

「一度、時代をこの直近三日間まで飛ばします。フキナラシの最中、千葉さんが二体目の樒鬼の装束を纏って樒の舞いに乱入しました。僕が性質の悪い霊能者なら、こう言って皆さんの不安を煽ります。『千葉さんは二体目の樒鬼の呪いを受け、樒の実を飲み、死の舞いを踊ったのだ』――しかし、冷静に考えれば簡単な解が求められます。この推理は、久保君が僕に教えてくれたものでした。それと久遠さんが湯山さんから聞いた話を統合すると、過不足ない答えが考えられるのです」

 三条は暫く千葉と目を合わせ続けた。千葉は確固たる意志を持ったようにまばたき一つせず、じっと三条を睨み返す。

「ええ」

 千葉は短く、だが威厳のある声で言う。

「話せ」

 三条は小さく頷くと、千葉から目を逸らした。

「千葉さんは、二体目の樒鬼のありかを知っていた。もっと言えば、千葉家こそが、二体目の樒鬼を保有する家筋だったのです」

 誰も声を上げなかった。

「千葉家は風太夫である湯山家に比肩する力を持つ家筋でありながら、一度として樒鬼の役を与えられたことがない。何故なら、もう一つの樒鬼を纏うことこそが、千葉家の役目だったからです。ですが、風流しは去年までただの昔話だとされてきた。つまり風流しはその間一度も起こっていない――二体目の樒鬼の出番がなかったということになります。それでも千葉家は二体目の樒鬼を大切に保管してきた。そして、千葉さんはあることを思い付きます。使う機会がないのなら、有効活用すればいい。二体目の樒鬼を纏い、仙内さんに成り代わって樒の舞いを奉じるのです」

「そんな――子供みたいな」

 仙内が呆然として呟いた。

「千葉さんは小さな頃より筋金入りの風狂だったそうです。自分の家に樒鬼がありながら、風祭のクライマックスである樒の舞いを舞えない――そう知った時から、千葉さんは思い付いていたのかもしれません。そしてその時を完璧にこなすため、樒の舞いの練習は欠かさなかった」

「そうじゃった――」

 湯山が呟く。

「幸っつぁんが樒の舞いを練習しとったのはわしも知っとった。ただ風狂が高じただけと思っとったが――」

「そして千葉さんは、今年をその時に選んだ。それは――身体がもう限界だったからです」

 千葉は弱っていた――宗佑から聞いたこの意外な情報は、坂部が久保に流している。

「それまでは良識が邪魔をしていたのでしょう。しかし自分の身体がもう限界――舞えるのはもう今年しかないと知った時、千葉さんの覚悟は決まった。そして千葉さんは二体目の樒鬼の装束を纏い、樒の舞いを奉じた。見事なものだったと、聞いています」

 坂部を始め、壱師達は皆あの完璧を超えた千葉の舞いに思いを馳せていた。

「だが、千葉さんの身体はやはり限界だった。舞いの途中で、限界を超えて倒れてしまった」

「え――?」

 待て。順序が違う。千葉は樒の実の中毒で倒れたはずではなかったのか。

 三条はそこで視線を湯山に向ける。

「そこで湯山さんが駆け寄り、面の隙間から樒の実を滑り込ませた。千葉さんは最後の力でそれを飲んだのです」

 皆が訳がわからないまま湯山を見ると、当人は深く項垂れていた。

「どういうことです?」

 仙内が皆を代表して訊くと、三条は湯山を見ながら話し始めた。

「湯山さんは恐らく、舞いを見た時点で樒鬼の中身が仙内さんではないことに気付いたのだと思います。そしてそれが千葉さんだということも。二体目の樒鬼のありかは知らなかったのかもしれませんが、千葉さんが樒の舞いの練習を欠かさなかったことも、その身体が限界だということも知っていた。そこで祭壇の樒の実を、あらかじめ隠し持っておいたのでしょう」

「一体何を恨んで……」

「それは違う!」

 千葉が強く言う。

「言ったれ、栄吉」

 千葉に促され、湯山が口を開いた。

「――舞いの途中でぶっ倒れるなんてことになったら、幸っつぁんは末代までの笑い物になってまう。だが、実際幸っつぁんの身体はもうガタがきとることをわしは知っとった。それなら自分の身体のせいで倒れたんでなく、樒の実を飲まされて中毒で倒れたいうことにした方が、まだ弁明が立つ」

「そんな――」

「千葉さんも湯山さんの意図には気付いたのでしょう。だから自ら樒の実を飲んだ」

 千葉が頷く。

「爺ぃ二人のわがままで風に迷惑をかけた。本当にすまんかった」

 頭を下げる千葉に全員が仰天する。千葉が頭を下げるなど前代未聞だ。

「わしからも謝ります」

 湯山まで頭を下げ、壱師達は完全にまごついてしまった。

「さて、これで一つ、疑問が解決したことになります。何故これを一番最初に明らかにしたかというと、これが一番穏当な問題だったからです。以下の問題は、どれも闇が深い。そこでいよいよ、風流しの本質に話を移したいと思います」

 坂部は生唾を飲み込む。

「先程の話で、風流しというのが元は人為的に起こされたものだということが示されたと思います。二体目の樒鬼が風流しを起こす。これは比喩ではなく、そのまま、それを纏う人間が風流しを起こすということになります。九十年前の事件の現場を思い出してみましょう。小屋の中で、幼児が倒れていた。死んでいた――殺されたと見ていいでしょう。誰が殺したか? それはまず間違いなく、二体目の樒鬼の装束を纏っていた人物です。『風流しは、二体目の樒鬼が引き起こす』です。つまり、その幼児の殺害こそが、風流しに他ならないということになります」

「風流しが殺人の隠れ蓑だったっていうのか?」

 宇津木が思わずといった様子で声を上げると、三条は複雑な表情を見せた。

「半分はそうでしょう。ですが、風流しにはもっと重要な意味があった」

 視線を地面に落としながら、三条は言う。

「風流しというのは、間引きの言い換えだったのです」

「間引き……?」

「今の時代では考えられないでしょうが、昔の日本の各地の農村の生活は、それは苦しかったといいます。子供が生まれれば、それだけ必要な食料が増える。食うや食わずの生活で、一人でも食べる者が増えれば、それは重大な問題としてのしかかります。それは昔のここ根津村でも同様だったことでしょう。泣く泣く、産んだ子供を殺さねばならない時もある。その言い換えとして用いられたのが、風流しだったのです」

「惨い――」

「いいえ。これは実に愛に溢れた儀式です。樒鬼は風祭ではれっきとした神です。それによって別のところに連れていかれるというのは、そういうものだと割り切ることを促し、子供の魂の安寧を願うことも出来ます。間引きが当然のこととして横行していた時代において、これ程亡くなる子への慈悲深い行為はそうはないでしょう」

 さらに言えば――三条はまゆらと頷き合った後で、続ける。

「『七つまでは神のうち』などと言って、昔は子供が小さな頃はいつ死んでもおかしくないと思われてきました。それは間引くだけではなく、小さな子供は体力も免疫力も弱く、ほんの些細なことで死んでしまうからです。それに加えて、出産というもの自体が本当に命懸けの行為だったのも事実です。故に、出産中に亡くなる女性もまた多かった。流産も当然多かった――もっと言えば、堕胎技術は昔から存在しました。望まない子を孕んだ女性は子供を堕胎してもらっていた」

 話が見えてこない。

「そして、『出産による死』、『死産』、『流産』、『堕胎』というキーワードが、実はこの村には色濃く現れているのです」

 三条は竃に置かれた釜の前まで歩み寄ると、その上に設置された「しゃっけ」を見上げた。

「例えばこのしゃっけですが、赤い紙で作られた天蓋に、清められた水をキョウフリと呼ばれる祭具でかける。これは、流れ灌頂の見立てと見ることが出来ます」

「流れ灌頂……?」

「水死者や難産で死んだ方のための儀礼です。水辺に四本の杭や竹を立てて赤い布や経文の書かれた布を張り、道行く人に水をかけてもらって、布の色や経文が消えると成仏出来るという信仰です」

 三条はしゃっけから目を落とす。

「この場合のしゃっけは赤い布の代用と見ることが出来ます。湯立てでは水をかけ、終わった時にはぼろぼろになってしまう――赤い色を落とすという目的の簡略化と取っていいでしょう。それに、キョウフリという祭具の名前も暗示的です。これは『経文を振りかける』という意味ではないでしょうか。流し落とす経文を振りかけ、擬似的に落とす訳です。久遠さんの話では、清水を取りに行く火無川の支流には古い四本の杭があったそうです。これは恐らく昔は実際に流れ潅頂を行っていたという形跡でしょう。さらに、風祭の重要な祭具となる樒は、流れ灌頂の際に供えられるものとして知られています。そういう意味では二体目の樒鬼の行う間引きも、同じ意識から生まれたのかもしれません。『七つまでは神のうち』ですから、死産した子供と間引きされた子供は同列に語られてもおかしくはないんです」

 三条は竃から舞戸の真ん中へ移動すると、今一度まゆらと目を合わせてから続きを話していく。

「では、流産と堕胎はどうか。この場合の死んだ赤ん坊を指し示す言葉として、我々は水子というものを知っていますが、水子供養は現代になって始まった新しい信仰の形です。水子というのは元は『スイジ』と読み、死んだ胎児だけでなく、生まれてあまり年を経ていない乳児や幼児が死んだ後に付けられる法名の最後の部分のことでした。つまり繰り返しになりますが、死産した子供や風流しに遭いやすいと言われてきた子供――間引きされた子供も、この水子の概念に含まれると言っていいでしょう」

 三条はそこで、言葉を失いただ座っている壱師達を順番に見回した。

「壱師という役職名が、また実に暗示的です。壱師というのは、彼岸花の異名なのです」

 その意味するところをすぐに理解出来た者はいなかっただろう。だから皆、三条の次の言葉をじっと待っていた。

「彼岸花は全ての部位が毒性を持っています。それ故、昔から堕胎に用いられてきました。煎じて飲んで堕胎薬としたり、茎を直接陰部に突き刺して堕胎を促したりと。それを役職名に用いているというのは――なんとも暗示的ではありませんか」

「そんな、おぞましい――」

「いいえ。この村のそうした習俗は、亡くなった子供への愛に溢れていると言えます。堕胎や間引きは、当時は当たり前のこととして、公然と行われてきました。『七つまでは神のうち』というのも、小さな頃はいつ死んでもおかしくないから諦めろと言い聞かせているようなものなのです。そうした考えを否定するというのは我々の驕りでしかないのでしょうが、当時のこの村の人々は亡くなった子供への愛情を捨て去ることが出来なかった。そうして儀礼の中に、その子供達を供養するという行為を忍ばせていった。やむを得ず行った間引きも霊的な儀礼と見做すことで、精神の安寧を保ってきた。称賛されこそすれ、非難することは決して出来ません」

 全員が呆然と三条の言葉を聞いていた。違うのは探偵役と紹介された二人。久保は依然薄ら笑いを浮かべたままで、まゆらは――。

 坂部はまゆらの顔を窺い、はっとする。まゆらは強い視線をどこかへ送っている。その視線の先には、日奈子の姿があった。

「さて、ここからは一気に俗っぽい話に移ります。三十七年前にこの村で起きた火事についてです」

 それで息を吹き返したように、壱師達がざわめきだす。

「三十七年前、この村のある家が全焼、夜中だったために中にいた住人が全員死亡するという火災が起こりました。現在の村内では村上の火事と呼ばれ、口にすることを憚られている事件です。ではその燃えた家の名は村上というのか。それはある意味では正しく、ある意味では間違っています。村上というのは、屋号なのです。名字という時代がなかった時代から明治を経ても、屋号というのは社会で機能していました。村上というのは村内で大きな家という意味でしょう。では何故火災に遭った家を屋号で呼称するのか。それは、その家の姓を明らかにすることは非常に危険だったからです」

 三条は坂部のような意味をまるで解していない若い壱師達と、今まさに空が割れるかのようにぐっと身構えた年配の壱師達を交互に見てから、躊躇なく口を開く。

「その家は、高山家といいました」

 沈黙。言葉を失っている者。何のことだかまるでわからない者。それでも目に見える反応は同じだった。

「その意味するところを理解するには、この村のもう一つのタブーについて触れなくてはなりません。火清会という、宗教団体についてです」

 火清会――確か久保が坂部にその名を知っているかと質問をしてきた。

「火清会は戦後すぐに誕生した、所謂新興宗教です。その最大の特徴は、創設者の代だけで終わることなく、二代目三代目と会長が代替わりしてきたことにあります。戦後多く現れた新興宗教の多くはその場限りの隆盛だけですぐに廃れていきます。しかし火清会は、指導者を代えて現在まで残っています。火清会は現在では全国規模の一大宗教組織へと成長し、絶大な権力を握る巨大組織となりました。火清会をそこまで大きくしたのは、殆どある一人の男の力によるものと言ってもいいでしょう。三代目会長にして、信者からは神とばかりに崇め奉られる、圧倒的なカリスマの持ち主。名を――高山孝明といいます」

「高山……?」

「殆どの方はご存知のはずです。ここ根津村は、高山孝明氏の出身地なのです」

 それが――どう火事と繋がる。

「火清会は神道系の教義を持っています。そして他の宗教に対し、苛烈に排他的なのです。それは本来の神道に対しても例外でなく、特に寺院への過激な攻撃は大きな問題になっている程です。そして高山氏は火清会内での権力闘争の中で、この村に残る風祭という儀礼が、己の邪魔になると考えたのでしょう。風祭は現在こうして神社で行われていますが、実際の儀礼は非常に神仏習合的です。例えばこの湯立て神事などは過去には伊勢神宮でも行われていたものですが、明治の神仏分離により禁止されてしまった――つまり神道的とは認められなかったのです。高山氏は、これは危ないと考えた。他の宗教をまるで認めない火清会の中、上へと駆け上がっていく者の出身地では、淫祠邪教と見做されかねない祭礼を行っている。高山氏のこれからの人生に、その事実は必ずや汚点としてのしかかってくる。そう判断した高山氏は、既に存在した信奉者を使い、自らの生家を放火させたのです」

「そんな、無茶苦茶な」

 坂部が思わずそう口にすると、三条は重苦しい声のまま続ける。

「過去を断ち切る。いずれ火清会を背負って立つ高山氏にはそれが必要でした。まあ――理解しようとする方が間違っている思考ですが」

 三条の言葉は相変わらず穏やかで落ち着いたままだったが、その言葉には確かに侮蔑が込められていた。

「それ以降、この村では火清会と高山家の火事については触れてはならない禁忌となりました。その教育は徹底されているようで、若い方々は火清会という名すら知らない状態だといいます」

 それは――坂部のことだ。

「でも、なんで? なんでそこまでして――」

「簡単な話です。下手に刺激すれば、それこそ村ごと滅ぼされかねないからです」

「は――?」

「恐らく村上と呼ばれていた高山家は、村内でも大きな力を持つ家筋だったはずです。それが無慈悲にも住民諸共燃やし尽くされた。そしてその裏には高山氏が存在する。そのショックは計り知れないものがあったのでしょう。高山氏には触れてはならない。その意識は強烈に当時の村に焼き付いたことでしょう。そしてその恐怖は、決して間違ってはいなかったのです」

 三条はそこで日奈子の横に座っている宗佑へと目を向ける。

「次に進みましょう。久保君がこの村を訪れた理由――それは本人から聞いている僕には謎でもなんでもないのですが、これは非常に大きな意味を持ちます。久保君の許に、ある情報がもたらされました。その中に、先程お話した高山家の火事の情報が含まれていました。具体的には、高山孝明氏の出身地が根津村だということ。三十七年前の火災が高山氏の生家を燃やし、一族郎党を根絶やしにしたこと。それを引き起こしたのが高山氏の息のかかった火清会の手の者によることが明白だということ」

 三条が話している途中から、壱師達は一斉にざわつき始めた。

「そんなことが外に漏れれば――」

「そうです。この村が滅ぼされる。少なくとも皆さんの見解はそうでしょう。現にこの情報は出版社やライター達の間を駆け巡った過程で、火清会の目にも触れています。結果、この村を火清会の手の者が訪れることになった」

 三条は今度は久保と目を合わせ、その薄ら笑いを確認すると続きを話していく。

「火清会の根本的な教義は、火によって全てを浄化する――というものです。具体的には、執着を持つ物や忌まわしいとされる物などを、火によって燃やしてしまう――『お焚き上げ』と呼ばれる儀式を行います。火之迦具土を祀ったり神道的な教義を作ったりしたのは、この根本の教義を補強し、外面的に真っ当な宗教であるとアピールするという目的のためでした。この火によって全てを浄化するという教義は、今日でも最も重要な教義として残っています。それ故、狂信的な信者の中には、放火という行為で教義を全うしようとする者もいるのです」

 放火――それは村上――高山家の火事に始まり、この二日間この村に付き纏う悪意。

「高山家が放火されたのは、それが手っ取り早いという意味もありますが、一番はこの火清会の教義に従ったためだと思われます。そして湯山さんの裏山の祠への放火、久保君の車への放火と、どれもこの教義に則ったものです。それは信者の心を満足させるのと同時に、この村への――二回目は久保君個人への――警告を示していたのではないでしょうか。若い方は火清会の名すら知らないようですが、ここに集まった方の多くは、火清会について厭という程知っているでしょうから」

 壱師達の多くは、無言で俯いた。首肯も同然だった。

「この放火は言うまでもなくその情報を知り得た火清会の手の者によるものです。久保君は相手が見物客に紛れた狂信者だと目星を付け、見物客が多く集まっている前である行動を起こしました。高山孝明氏の写真を、燃やしたのです」

 坂部は懐に隠したその写真の燃えカスをそっと確認した。

「これは久保君曰く奥の手だそうで、実際非常に有効な手であるのと同時に非常に危険な賭けでもありました。激昂した女性は久保君を殺そうとしましたし、久保君が写真を燃やした意味を理解した村の方達は、怒りに燃えて千葉さんの家を襲撃しました」

 千葉はつまらなそうに鼻を鳴らした。

「さて、では何故この村の禁忌とされる情報が外に流れたのか。理由は簡単です。皆さんの恐れることを、目的とする人間がいたからです」

「この村が滅ぼされる――」

「そう。この村を滅ぼそう――滅ばされてしまえと願った者がいたのです。何故か? ここで話を、去年に起こった風流しへと飛ばそうと思います」

 坂部は思わず日奈子の表情を窺った。相変わらず何が起きているか理解出来ていないかのようなぼんやりとした顔のままだ。ちらりと奥にも目をやると、まゆらはまだ日奈子を睨んでいた。

「火野日奈子さんのお子さんが、風祭の最中に忽然と姿を消した。風流しというものの本質に気付いた久遠さんは、大いに首を傾げました。何故なら、この事件は風流しと思われていて、久遠さんが招聘された理由でもあるのに、本来の風流しの解釈では説明が出来ないからです」

 確かに――そうだ。三条の語ったことによれば、風流しは間引きの言い換えだという。だがこの時代に間引きを行えば、絶対に罪は免れない。そんなことをする程火野家が逼迫していたという訳でも無論ない。

「日奈子さんのお子さんは私生児だったそうです。父親は周囲には明かしていなかった。父親のわからない子供を産んだなどと口さがない中傷が起こったこともあったそうですが、日奈子さん自身は幸せにお子さんを育てていた」

 そこで三条は一瞬坂部の方に視線を向けた。

「まだ久保君の手にした情報を全て明かしていませんでした。火清会の神経を逆撫ですることを目的としたこの情報には、こんな一文が挿入されていました」

「根津村には高山孝明の子供を産んだ女がいる。その子供は現在行方不明になっている」

 三条に代わって、久保がその文章を諳んじた。

「なんだって!」

 壱師達が騒然とする中、三条はゆっくりと日奈子の前まで移動する。

「D県青川市という地が、火清会発祥の地であり火清会本部の座する地です。日奈子さんは、久遠さんが青川市から訪れたと言った途端に拒絶反応を示したそうです。それが何を示すのか。さあ、日奈子さん」

 三条は目の焦点の合っていない日奈子に向き合い、冷酷なまでに落ち着いた声で問い質す。

「高山孝明という男を――知っていますね」

 日奈子の焦点が、三条に合わさる。

「い――厭ァアアアアア!」

 絶叫し、何も聞きたくないとアピールするように頭を激しく振る。

「姉ちゃん!」

 三条は暴れる日奈子の耳元で何かを囁いた。すると先程までの狂乱ぶりが嘘のように、日奈子は落ち着いて居住まいを正した。

「――すみません。答えたくないことを訊いてしまいました。ただ、これではっきりとしましたね」

 あの子の父親は――。

「ここまで拒絶するということは、自ずと高山氏が日奈子さんにどんな仕打ちをしたのかわかると思います。ここではそれ以上は言及しません」

 父親が誰かということを明らかにしなかったのは、相手の男を決して父親と認めたくなかったからなのか。

「こういう考えはどうでしょう。この村では火清会、高山氏は絶対のタブーです。日奈子さんのお子さんが、その高山氏の子供だと判明したならどうなるでしょう。災いの芽は早めに摘まねばならない。あるいはただ単に高山氏の子供だということだけで、長年この村に溜まってきた火清会への憎悪が爆発するかもしれない。故に、日奈子さんのお子さんは、風流しという名目で間引かれた――殺されたと」

 三条は日奈子に背を向け、舞戸の真ん中へと移動する。

「その結果日奈子さんは精神を病んでしまった。いや、子供を奪われたというあまりにもショッキングな出来事です。平然としている方がおかしい。先程も言いましたが、日奈子さんはお子さんを確かに愛していたのです。父親が誰かは関係なかった」

 三条は再び久保と目を合わせる。

「久保君はこの情報提供者を探し出そうとしていました。彼の立てた仮説はこうです。

 まず、火清会が強いタブーであると身に染みている年配の方ではない、若い方である。タレコミという手法を取ったことから、そう判断したそうです。

 次に、これらの情報を提供者が知ったのは最近である。情報には村内で火清会が禁忌とされていることも詳述されていたので、前項の若い方という面と合わせると、情報を知る以前からある程度は火清会について知っていた可能性もあります。

 そこで久保君が辿り着いたのが、千葉幸雄さんでした」

 全員がぎょっとして千葉の方を振り向くが、よく考えれば脈絡が全く異なっている。久保の仮説では若い人間だと言っておきながら、一番の長老格の千葉を何故挙げる。

 千葉はまるで臆することなく泰然と構えていた。

「千葉家は二体目の樒鬼を扱う家筋です。ならば風流しの本質を知っていてもおかしくはない。あるいは、生来の読書好きが高じて、自ら風流しの本質に気付いたか。久保君の話ではご自室にはそういった関連の書籍も多くあったそうですからね」

「幸っつぁん――」

「黙っとれ」

 湯山が不安げに声をかけるが、千葉はそれを一蹴する。

「千葉さんはお孫さんに恵まれていなかった。それ故、幼い頃から秀才と呼ばれてきた村の子供に目をかけてきた。いずれは千葉の家を継がせよう――そう考えたんですね」

 千葉は何も言わない。いや、既に久保に全てを語ったからこそ、繰り返す必要はないと構えているのかもしれない。恐らく三条は久保から聞いた千葉の話を確認しているだけなのだ。

「だが、その人物は村を出ていってしまった。そして今年、正月に帰省してきた時を狙い、千葉さんは全てを語った。その話をすることで、この村に呪縛するという意味もあったのでしょう。だがその目論見は大きく外れてしまった。その人物は、確信したのです。自分の姉の子供を殺したのが、この村の因習によるものだと」

 三条の話の途中から、既に全ての視線は一点に集中していた。

「そうですね。火野宗佑さん」

 宗佑は、蒼白な顔に狂気染みた笑みを浮かべていた。

「ああ、そうだよ」

「なんてことを――」

 誰かが呟くと、宗佑は奮然と立ち上がった。

「なんてことだって? じゃああんたらが姉ちゃんになんてことをしてくれたんだよ! 子供を失って姉ちゃんはおかしくなっちまった。子供には、姉ちゃんには何の罪もないのに関わらずだ! こんな頭のおかしい村なら、同じように頭のおかしいカルト共に燃やし尽くされりゃいいんだ!」

 誰もが言葉を失う中、三条は変わらずに落ち着いた声で宗佑に座るように促した。

「まだ僕の話は終わっていません。全てを語るのが僕の役目です」

 穏やかな声だが、有無を言わさぬ力があった。宗佑は憤懣やるかたないといった様子だったが、大人しく席に着いた。

「宗佑さんは日奈子さんがお子さんを産んだ時から、その父親が高山氏であることを知っていたと思われます。その過程で、火清会についての知識も得たのでしょう。では周囲はどうか。父親が高山氏であることを完全に隠し通せたのか。宗佑さんの考えに準拠すれば、結論は明白です。高山氏の子供であるからこそ、風流しという名目で殺された――これが宗佑さんの考えですね?」

 宗佑は蒼褪めた顔で頷いた。自分の考えが瓦解する――三条の言葉から、そんな兆しが見え始めているのだ。

「では、去年の風祭の際に風流しが起きたということは、その前の年の風祭から風流しの前までの間に、高山氏の子供であることが露見したという考えですね?」

 暫しの逡巡の後、再び頷く宗佑。

「ならば、何故その時にその事実が露見したのでしょうか。宗佑さんのように周囲に密告する者がいた――それは考えにくいはずです。もったいぶるのはやめて、僕の知り得た結論を申し上げましょう。周囲の人間は、日奈子さんのお子さんの父親が高山氏であることを、生まれた時から知っていたのです」

「な――」

 絶句した宗佑は、三条から目を逸らせない。

「この村に入ってすぐ、藤田内科の藤田和幸医師に確認を取りました。藤田先生は知っていましたよ」

「なら、なんで、去年に」

「そうですね。高山氏の子供であることがわかっているなら、生まれてすぐに殺してしまえばよかったはずです。その方が怪しまれませんし、何より抵抗しないだけ楽です。何故去年に風流しが起こったのか。それは、情勢が大きく変わったからです」

「情勢……?」

「高山氏の子供であるから殺す――この考えはこの村の禁忌を考慮すれば当然の帰結のように思われますが、実の子を殺されたことがもし高山氏に伝われば、それこそ逆鱗に触れかねません。殺害は、あらゆる意味であまりに危険な手です。それ故、日奈子さんは去年までお子さんを何事もなく育てることが出来ていた。ですが、高山氏には最近、ある心境の変化が訪れています。最初は火清会の幹部に収まっていた長男を教団から追放しました。続いて次々と自身の子供達を重要ポストから外していきます。中には不審な死を遂げた方もいたそうですが、公には報道されていません」

 高山孝明は自らの生家を放火した――だがそれは、過去との繋がりを断ち切るための行為だった。子供は言わば、未来への繋がりだ。それを処するというのは、どう考えても異常である。

「火清会を禁忌としながらも、相手の動きはある程度は探っておかなければならない。高山氏のこの行動と付き纏う不審死の影は、去年の風祭の前に、藤田先生の耳に入ったそうです」

「藤田先生……?」

 宗佑の疑問を一旦無視し、三条は続ける。

「実際噂としてのタイムラグは殆どなかった。そこで藤田先生を始めとした日奈子さんのお子さんの父親を知っていた一部の方々は、風祭当日に行動を起こした。それが、去年の風流しです。高山氏の子供は、あるいは行方不明、あるいは不審な死を遂げた。高山氏の子息が高山氏にとって邪魔だと見做されていると考えていいでしょう。そうなれば、日奈子さんのお子さんも狙われる恐れがある。さらにそこに、この村の方々が抱く根源的な不安が重なったのです。邪魔な子供を匿っていると知られれば、この村を滅ぼされかねない――日奈子さんのお子さんは、とにかくこの村にいてはならない状況になった」

 さらに言うならば――三条の言葉は止まらない。

「日奈子さんという人間には、高山氏との接点が確かにあった。その日奈子さんが父親のいない子を育てているというだけでも、高山氏は訝る恐れがある。だが、日奈子さんはお子さんに目一杯の愛情を注いで育てている。それを説得して引き離すことは不可能だと思われた。そこで、強硬手段を取ることにした。そうですね、早苗さん」

 それまで全く存在感を消していた早苗に、ここで初めて視線が注がれた。

 早苗は、泣いていた。

「ごめんなさい――ごめんなさい――藤田先生に説得されて、それで仕方なく――」

「手を貸したってのか!」

 宗佑が激昂する。

 わっと泣きながら早苗は頷いた。

「いいえ、私は元からあの子が好きじゃなかったんです。火清会の会長の子供なんて、考えただけで気が変になりそうだった。なのに日奈子は子供を愛していた。これは絶対によくないと思った。それで、風流しということであの子を日奈子から引き離せるならと……」

「あんたそれでも人の親かッ!」

 宗佑に怒鳴られ、早苗はさらに咽び泣く。

「まさか日奈子があそこまでおかしくなるなんて、思わなかった。宗佑が火清会について知っているなんてことも知らなかった。それで――まさかこんなことになるなんて。ごめんなさい日奈子……宗佑……」

 宗佑はもはや言葉を失くしているようだった。

 日奈子は――まるで意を解していないかのように、ただ席に座っている。

「もうおわかりだとは思いますが、日奈子さんのお子さんは今も生きています。とにかく、この村と日奈子さんから引き離すことが必要だったんです。風流しという名目を使って、どこか遠いところへ預けているのでしょう」

 そういえば、去年の風流しが起きた後に当然警察の捜査が行われたのだが、不自然なまでにあっさりと捜査が打ち切られたのだった。坂部を始めとした村の者達は風流しだからだという理由で納得していたのだが、ひょっとすると早苗や藤田が警察にある程度の真相を話していたのかもしれない。

「千葉さんが宗佑さんに風流しの実態をそのまま話したのは、大きな齟齬を生んでしまったと言えるでしょう。宗佑さんの頭には風流しというキーワードとその実態がこびりつき、もう子供が殺されたと考えることしか出来なくなっていた。それを言うならば風流しという伝承を隠れ蓑に子供を攫った藤田先生達にも落ち度は大いにあったと言えます。単なる神隠しの伝承だと見くびったところが拙かった。その裏の真相に一方は気付かず、一方は辿り着いた結果、今回の騒動は起こってしまったのです」

「生きてるのはよかったよ。でも、姉ちゃんから子供を奪った事実は変わらない」

 宗佑が敢然と食い下がると、三条は宗佑だけに何かを囁いた。

「え――?」

 宗佑が呆然とする中、三条は壱師達に向き直る。

「これで、この村の人間の中には直接断ずるべき人間はいないということは理解していただけたと思います。久保君」

 久保は立ち上がり、薄ら笑いのまま口を開く。

「俺はこれからあの火清会の狂信者さんを捜し出して警察さんに突き出す予定です。まあ俺のせいで厄介事が招かれてしまったという部分もありますから、これで結構責任感じてるんです。こんな俺でよかったら、何人か手を貸していただけませんかね。勿論、あの人を殺してしまわないと宣誓出来る方に限らせていただきますけど」

 まともに喋れるのか――と坂部はここでそんなことに衝撃を受けていた。

 すぐに何人かの壱師が立ち上がり、久保と共に風溜を出ていった。

「湯山さん」

 三条は悄然とする湯山に声をかける。

「なんですかな、三条太夫」

「もう、風祭を続行することは、出来ませんか」

 湯山は首を横に振る。一気に老け込んだような仕草だった。

「こんな騒ぎが起こった後です。これはもう、来年に持ち越すしかないでしょうな」

 三条の表情にそこで、不意に影が差す。

「そうでしょうね。では、少しこの風溜や祭具をお借りしてもよろしいですか」

「構いませんが、何を?」

 三条はそこで日奈子を真っ直ぐに見つめ、

「まだ。完全に幕が引いた訳ではないんです」

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