5 ホリスモ王国とかただのホモ王国じゃん

★★★

異賊暴オーガ〉第1使徒〈神炎ウリエル〉船内。豪華な客間の長テーブルに豪華な料理が並んでいた。地球では滅多に見られない料理も多々。その長テーブルを挟むようにして座る、女と男。

メーリスとレッカは食事をしながら話をしていた。

「素直についてくるとは思わなかったわ」

「んーこれ美味しいね。……そりゃー、さすがに僕等でも〈異賊暴〉には勝てないからね」

「何いってんのやら……〈鷹蛇狼マルコシアス〉に適う者はないわ」

「お褒めありがとうございま〜す」

レッカは嬉しそうに食べている。もう半分ぐらい減っていた。

どんな食欲してんのやら……かなり多くめに作らせたのだけれど……腹がおかしいのやら……。

「ところでユー、同盟を結んでくれたお礼に1つなんでも聞くわ」

「モグモグ……ん?なんでも?本当に?」

「えぇ」


「なら、一緒にバグ・レオンを殺そう」


それへの答えはメーリスには決まっている。

「えぇ」


★★★

――ユーは弱い。私より弱い。雑魚い

目の前で仁王立ちした女がベチャクチャ言ってくる。

今の今までこの女と練習戦闘をしていたのである。それで、俺は負けた。

――何か喋れば?あ、喋れないのかゴメンゴメン。

――うる……せぇ

――うるさい?ユーは私に負けたのだけれど?ユーは私の下僕なのだけど?

――そんなことはない!

――何言ってのこの子。

――てめぇ……★★★から何を教えてもらってるんだ!

――は?あのーユーは何もわかってないねー。あの御方がユー如きにかまってる時間はないの。ユーはこの中で1番弱いのだから、大人しくここからでてきなさいよ

――俺は……

――あ、そうだったゴメンゴメン。そーいえばユー家族いないんだっけ?

瞬間、俺は立ち上がり女の首に剣を当てていた。

――これ以上それを喋るな……

――ゴメンゴメンわざとだから安心して

何を安心するのかわからないが。

――まぁ所詮?ユーはどうせ戦ってもすぐ死ぬだけだからね?

――黙れ……


――この、




ハッ!と目を覚ます。とても思い出したくはない記憶を思い出していた。それにしても、女王の名前だけがわからない。そこだけ音が聞こえてこない。なぜだ……!なぜなんだよ!

それよりここは……

「あ?起きたか」

横を見るとヘルとゼロがマル椅子に座っていた。時計を見ると、あの戦いから結構時間が経っていることがわかった。

「貴様ゼロに刺されたあと動かなくてな」

「すまん……」

「いやいいんだ。貴様が寝てる間に異世界競技場の修理費は貴様名義で書いておいたから、明日ぐらいにはその修理費の請求がくるだろう」

「てめぇ何やってんだよ!」

「人に請求押し付けてんだけど!?」

「開き直って逆ギレすんな!」

起きて早々これとか寝てた方がいいんじゃね?てかヘル永眠させてほうがいいんじゃね?

「それより蓮雄殿、少々やりすぎてしまいました。誠に申し訳ございません」

「い、いや……俺もちょっとアレだったから……」

『雑魚』という言葉が頭を駆け巡る。

ま、まぁ?お、俺本気出してなかっただけだから。負けてあげただけだから。

「そこでどうでしょう。一緒に……ヤンキーやんねぇーかゴルァ」

「中二病!」

「ブンブン!ブルンブルン!」

「中二病!」

「中二病じゃないです。中56病です」

「だからなんだよ!自慢にもなんにもなんねーぞ!」

あーもう!本当関わりたくない!もうやめてくれ!ツッコミめんどいんだよ!って……俺がツッコまなきゃいいだけか。でも、俺は反射的にツッコンでしまうんだよな。突っ込むじゃないからね?ツッコミのほうだからね?あっちの方考えるとかあなたホモですか(笑)

「……あと、貴様が寝ている間に依頼が来た」

「マジか」

ヘルがスマホの画面を見せてくる。そこに書かれていたのは、


依頼。異世界No.17ホリスモ王国を攻略してほしい。By王子


あのこの王子って誰ですかね。ホリスモ王国って変な名前だな。それにしても、

「攻略ってどういうことだ?」

「それは私が説明致します」

さすが情報屋。

「実は、ホリスモ王国はエ★ゲー的な攻略系異世界なのです。そこに異世界No.2地球の者を転送させて、攻略させるというものなのです」

あ、あれか、よくラノベである異世界転生もののやつか。あれ俺は好きだけどな。

「ホリスモ王国は難易度が難しく攻略は困難なのです」

「ラスボスが強いとかそんな感じ?」

「いえ、なぜならホリスモ王国はホモの王国だからです」

「は……?今なんて?」

「ホリスモ王国はホモの王国なのです」

「なんだそれぇぇぇぇぇぇぇぇ!なんでそんな異世界があるんだよ!誰が得すんだよ!難易度難しいどころのレベルじゃねーぞ!」

「はい。実はこの前まで地球の者が攻略しようとしていましたが……落ちました」

「そいつホモに目覚めたんじゃねーか!」

「攻略の途中、後ろから一突き……」

「おいやめろ!」

「そこからどんどんどんどん……掘られ……ついに目覚――」

「やめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇ!聞きたくねぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

「そう、略してホモ王国」

「てめぇは急にどうした!?」

「そう、君はもうホモなのだよ」

「ホモじゃねぇ!」

「そう、★YA★RA★NA★I★KA★」

「ホモネタはもういいわ!……っで?そのクソ異世界を俺に攻略しろ、と?」

「あぁ」

ヘルが答える。

ざけんな。なんで俺が救わないといけねーんだよ。てかその異世界行ったら救って欲しいのはマジこっちなんですけど!?

「今行きたくないとか思ってると思うが、貴様は行かなければならないことになっている」

「は?なんで――」

の瞬間、世界が変わった。目の前が真っ白だ。なんだこれ。よくわかんねー。すると、突如コマンドが現れた。

『ようこそホリスモ王国へ』

は?

『早速あなたの性別を教えてください』

男の絵と女の絵が現れる。ってどっちもこれ男なんですけど!?てかこれなに!?まぁいいや、とりあえず押そう。

俺は男を押した。

『次に、あなたの名前を教えてください』

爆颶蓮雄っと。

『次に、あなたの★★★の大きさを教えてください。(興奮した時)

A.10cm

B.25cm

C.40cm

D.1m』

Dとかなめてんのか!Aはちっさいわ!背のちっちゃい中学生レベルだぞそれ!

もう滅茶苦茶だった。てかこれ教える必要あんのかよ……。

俺はBを押した。……決してこの大きさというんけじゃないからね?

『次に、掘られたことありますか?

はい

いいえ』

いいえに決まってんだろ!なんだよ!

押すと、

『よかったですね(笑)これから掘られますよ(笑)』

うるせぇボケェ!殺すぞボケェ!ぜってぇ掘らせねーからな!

『次に、今の気持ちどう?ねぇねぇどんな気持ち?やっぱ掘られたいよね?ねぇねぇ?』

まじで殴るぞゴルァ!

『最後に、いれられるなら何cmがいいですか?

A.1m』

一択じゃねーか!あーもう!

俺は1mを……押した……ちょいれられたらこれ死ぬから……口から出てきちゃうレベルだから……覚悟しとこう。

『それでは、ホリスモ王国を攻略してみてくださいね〜!』

すると前に現れた光に俺は吸い込まれていった。


目を開けると、そこは洞窟だった。あ、やっぱりなんで異世界は洞窟からなのね。

洞窟を抜けると、すぐに男2人の姿が目に入った。

1人は女みたいな男、もう1人は超絶イケメン。

「よぉ蓮雄、来たか」

「蓮雄殿、お待ちしておりました」

「……え?」

ということはこの2人はヘルとゼロ!?え?は?え?な?は?

「あー設定で男にしたらこうなったんだよな。ほら貴様も男に戻ってるじゃないか」

投げてきた鏡をキャッチし、自分の顔を見てみる。あ、俺だ……俺の顔が帰ってきたぁぁぁぁ!体も!元の俺じゃないか!やった!戻った!ちょー嬉しい!

「まぁここ攻略したら、元の私の体に戻るがな」

「……」

「ところで、私男にしたけど大丈夫だったか?」

いや、男しか選択なかったような気がするんだけど。まぁいいか。元から男みた――危ない。

「うん……てかあんた!なんでそんなにイケメンになってんだよ!」

「封印された力が目覚めただけだ」

「もういいわ。それより、みんなその後の選択何にした?」

ヘルは、名前ヘル、★★★の大きさ1m、掘られたことない、最後に1m。おいこいつクソだな。大きさ1mっておま(笑)

ゼロは、名前地獄の破壊神、★★★の大きさ1m、掘られたことある、最後に1m。おいちょっとこいつ抹殺していいか?……こいつほられたの?……え……?

正直、2人ともクソだった。てか、もうどうでもいいや。

「もういいや……ところで、これからどうすんの?」

「さぁな」

「とりあえず、街に行ってみましょう」

「……うん」

もう不安しか残らなかった。

街に行ってみると、うんじゃかうんじゃかオネェがいた。そう、オネェだ。もうオネェ大国でいいんじゃないだろうか。

さっきからチロチロ見てくんの何?気持ち悪いんだけれど。やめてくれる?

「やはりこのイケメン顔にみんな見とれているようだな」

「相手ホモだけどな!?」

ポジティブなのかもうよくわからん。

すると、1人の男が近寄ってきた。その男が第一声が、

「掘らせろ」

「させるか!」

そしてその場をスルーした。これが1時間ずっと続いた。もう地獄だわ。何?ホモはなんでホモになってしまったの?

ただ1人、違うやつがいた。

「俺を掘ってくれ!」

「なんでだ!?」

「蓮雄殿、ここは私に」

「おいあんた絶対掘るつもりだよな!?」

「ダメなんですか?」

「ダメだわ!てかアンタホモだったのかよ!」

「いえ、私は全員オバチャンに見えるだけです」

「あんた精神科行ってこい!」

「精子科?」

「精神科じゃボケェ!」

「精子科?」

「もう耳鼻科行ってこい!」

「俺を掘ってくれ!」

「てめぇーは黙っとけ!」

「俺も……掘ってくれ!」

「あんたもう一生この世界にいろよ!」

「なんでですか!?」

「あんたがホモに目覚めたからだよ!」

「目覚めたのは私の真なる力……マンライク!」

「おいそれ男が好きっていう意味だよな!?マンライクってそういう意味だよな!?てかなんでも真なる力とかつけやー厨二病になると思ってんなよ!?」

「私は★★★ライクと言っていたのですが?」

「もっといかんわ!」

あーもう!ふざけんなよもう!この異世界マジ嫌だ!抜け出したい!あ……でも抜け出したら体が女になっちゃう……できればこの体のままがいい……。

「言っておくが、この異世界攻略しないとここから出られないからな」

「ええええええええええええええええええええええええええええええ!?」

よし、変えよう。

俺はホモの王国で暮らすことにした、というタイトルに変更でよろしくっ!……ってなんのタイトル?

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