第13話 二つの塔

「これからは、塔の中での戦闘を想定して行う。そこで塔について説明をする」


――パチパチッ


 オリオン先生の『優しい! 塔での戦闘講座』が始まりました。

 私は椅子に座って背を伸ばし、拍手を送りました。


「茶化すな」

「真面目に聞いてます」


 そんなに睨まなくても……二割くらいしか巫山戯てないもん。

 もちろん、話が始まったら全力で真面目に耳を傾けます。

 真剣な眼差しを向けて合図しました。

 さあ、どうぞ始めて下さい。


「……」


 オリオン先生は文句を言いたげな顔をしていましたが、諦めたようで解説をスタートさせました。


「塔は見たな?」

「うん」


 この世界に初めて来た時は間近で見ました。

 空高くそびえる巨大な塔は城からも見ることは出来るし、目にしない日はないくらいです。


 二つの塔は円柱で横幅はパッと見たところの印象で言うと、野球場くらいでしょうか。

 煉瓦積みの外壁に、蔦のような植物が巻き付いています。

 近くで見たときは棘が見えたので、『茨』でしょうか。


 二つの塔は少し離れて立っていて、その間は豪華客船が通り抜けられそうな程度開いています。

 見た目はほぼ同じなのですが、少しだけ違うところがあります。

 それは『色』です。

 右が鉄が錆たような暗い赤銅色、左が紫がかった黒です。


「右が『暁闇の塔』、左が『宵闇の塔』と呼ばれている」

「なんで?」

「明け方に建ったのが暁闇、日暮れに建ったのが宵闇、と言われているが諸説ある。まあ、気にするな」


 確かに、名前なんて何でもいいか。

 気になったからつい言葉にしてしまったけれど、大人しく話を聞きましょう。


「見た目は差異無いが、宵闇の塔の方が難易度が高い。向こうは恐らく、宵闇の塔に行くだろう。だから俺達は暁闇の塔を進む」


 『なんで宵闇の塔の方が難易度が高いの?』と、またすぐ思ったことを口にしそうになりましたが黙りました。

 大事なことはオリオン先生の説明があるはずです……ほら。


「宵闇の塔の敵は、麻痺や毒、状態悪化を使う厄介な敵が多い上、弱い敵でも、複数現れた場合は、弱点が正反対な組み合わせで現れることも多い。全体に火の攻撃をすると片方が回復したり、強化・凶暴化することもある。正直面倒だ」

「弱っちい奴らはパパッと纏めて始末したいよなあ」


 リンちゃんが、オリオンの説明に深く頷いています。

 私は説明を理解していくことで精一杯で、頷くどころではありませんが。


 多少、RPGのゲームをしたことがあるので、それに似てる事象だろうと予想を立てながら話を聞いています。

 暁闇の塔はシンプルに、『火属性弱点の小物が三匹』現れた! だから、火の魔法で一掃! が出来る。


 一方宵闇の塔の方は、『火属性弱点で毒攻撃が出来る小物一匹』と、『水属性弱点で麻痺攻撃が出来る小物二匹』が現れた!

 火の魔法で攻撃したら一匹倒せたけど、他二匹には火は得意な属性だったため強くなったし、麻痺の攻撃してきた、動けない! ……なんてことになる。

 恐らくこういう話でしょう。

 絶対嫌だな、宵闇の塔。


「あと、宵闇の塔の方が難しいと言われる最大の理由は『巡礼者』だ」

「巡礼者?」

「そう呼ばれている魔物だ。こいつは『倒せない』と思った方がいい」

「どうして?」


 あ、聞いちゃった。

 でも、オリオンも聞いた内容を話すつもりだったようなので邪魔はしていないはず!


「こいつは、弱点属性で攻撃を加えなければダメージが通らない。その上、弱点がころころ変わるし、変化に規則性も無い。しかも、弱点じゃない属性で攻撃すると瞬時に全回復する」

「え、それって、例えば『火』が弱点の時に、普通に斬ったりしたらどうなるの?」

「単純な物理攻撃は属性無しで『弱点ではない』と判定され、全回復する。斬るなら魔法を纏わせて、属性をつけてやらなきゃならない」

「超面倒臭い!」


 一々攻撃に属性をつけるなんて、魔力がすぐに無くなりそうです。

 属性がついた武器もあるそうですが、それだと弱点属性の時にしか攻撃できません。


「属性なんてどうやって分かるの」

「道具か魔法で解析するしかないが、この解析にも苦労する。攻撃する度にしなければならないからな」


 またもや魔力を消費しますね……。


「それと基本的に塔の下層から上層に向けて、魔物の強さは上がっていくようになっているのだが……巡礼者は動き回っている。何処に現れるか分からない。塔に入った瞬間遭遇なんてこともありえるし、かなり進んだところでこいつと戦い、戻る余力がなくなるなんてことも起きうる。だから、こいつは遭遇しても戦わない方が得策なんだ。幸い、逃げることは容易いが……厄介だろ?」

「厄介すぎます」


 やっぱり絶対嫌だな、宵闇の塔。

 頑張れ、灰原さんと愉快な仲間達。


「アーク達も『巡礼者』を知ってるだろ? だったら向こうも暁闇の塔から始めないか?」


 黙って聞いていたリンちゃんが難しい顔をして口を開きました。


「いや、あいつらはプライドが高い。自分達が難しい方を行くと言うはずだ」

「同じ塔を進んじゃだめなの?」


 一緒の所を勧めた方が、早く終わりそうな気がします。


「奴らとは連携が取れそうにない。同じ場所を進むのは危険だし、効率も悪い」


 そう言われれば……確かに。

 灰原さんとセイロン辺りは、こっそりとこちらの邪魔をしてきそうです。


「万が一向こうが暁闇を攻略するって言い出したら?」


 リンちゃんの質問に、思案している様子のオリオンが私を見ました。


「……お前は早く帰りたいんだな?」


 急に自分のことを聞かれたのでドギマギしてしまいました。

 もちろん、私は早く帰りたいです。

 自分の体にも戻りたいです。

 オリオンの目を見て首を縦に振りました。 


「だったらその時は宵闇の塔に行こう。こいつらもいるし、なんとかなるだろう」

「まあ宵闇の方が、貴重なものがありそうだな」


 二人がとても頼もしいです!

 どっちの塔だろうとドンと来い、そんな気になります。


「それに宵闇に行くことになって巡礼者が出たら、脂肪が多くて食べ応えのある奴を齧らせているいる間に逃げよう」


 ……灰原さん。お願いだから、宵闇の塔をお願いします。




※※※




「ステラ様、微力ながらお手伝いさせて頂きます」


 今まではリコちゃんは戦闘に参加していませんでしたが、これからは加わってくれることになりました。


「何が『微力』だ。ボクより強いくせに」

「そうなの!!?」


 心底吃驚して、大声で叫んでしまいました。

 そんなに驚くことか? と、皆を吃驚させてしまっているくらいです。

 失礼かもしれないけれど、リンちゃんの方が断然強いのだと思っていました。

 それはリンちゃんが凄く強いということもありますが、リコちゃんの方がほんわかしているので『強い』というイメージに結びつかないのです。


「ふふ。素早さではリンに負けてしまいますが、魔法の威力では負けませんよ?」


 リコちゃんは魔法使いタイプのようです。

 素早さや物理攻撃力も低いわけではないけれど、魔力に関しては飛び抜けて秀でているとオリオンも絶賛でした。

 もしかすると、ポン汁にも何か魔法が使われているんじゃ……。


「リコちゃんの武器は何?」


 そういえばリンちゃんは剣を持っていますが、リコちゃんは武器と思われるものは何も持っていません。

 服もメイド服のままです。


「私の武器はこれです」

「え……本?」


 辞書のような分厚い本を持っているのは何故だろうとは思っていたのですが……武器?


「……角で殴るの?」

「ぶっ、あはは! あはははは!!」


 リンちゃんが漫画のように爆笑し始めました。

 オリオンも背中を見せていますが、こっそり笑っていますね?

 小刻みに震えています。

 いや、私だって真剣に思ってるわけではありませんよ?

 魔物に本の角でドーン! と攻撃してくとは思っていません。

 でもそれくらいしか思い浮かばないくらい分からない、ということを言いたかったのです。

 そんなに笑うな!


「いや、悪い。実際にリコがそうやって攻撃してるところを想像したら我慢出来なくて……痛っ」

「流石ステラ様、新しい攻撃方法を編み出してくださいました」


 リコちゃんが本の角で容赦なくリンちゃんの頭をドーン! しました。

 全く躊躇してませんでした、絶対痛いよ、あれ……。

 私とオリオンは、リコちゃんの笑顔に凍り付きました。

 

「これは魔法書。物理的な攻撃はステラ様が編み出してくださった方法しか出来ませんが、その分魔力行使を補助する機能に長けています。あと、印を刻んだページもありますので、千切って使うアイテム的な利用も出来ます。勿体無いので、余程のことがない限りしませんが」

「へえ、便利! ……でもお値段が……お高そう」

「おう、高いぞ。お前のその貴重な装備と同じくらいするぞ」

「ええ!?」


 この装備、セットで揃っているとかなり高いと言ってましたよね?

 具体的な値段は聞いていませんが、いや、怖くて聞けませんでしたが……本一冊でそれと一緒!?


「魔法書を作るのは難しい上に時間がかかる。だから値段が高騰する。……まあ、使う奴はあまりいないがな」

「そうなの?」

「物理攻撃が出来ない、魔法に特化してしまうからな。よっぽど魔法の才が有り、使いこなせる奴でないと使わない」


 そっか……全てが魔力頼りになるから、魔力が少ない人なんて無理だし、宝の持ち腐れになっちゃうのか。


「リコちゃん凄いねー」

「いえ。私の場合はリンが一緒なので、安心して魔法一本で集中出来るだけです」


 ふむ、つまりこの双子は凄い、そういうことですね。

 オリオンも凄いし心強い仲間です。

 頼ってばかりにならないよう、私も精進しなきゃ。

 良い装備も貰ったし、頑張るぞ!


 私達は今まで来たことのなかった島に来ています。

 寂れてはいましたが港がありました。

 でも人の姿は全くありません。

 今は無人島になっているようです。

 廃墟となった村を通り、草木が生い茂った山肌を歩きます。

 背が高くなった草を掻き分けながら進んだ先。

 そこには、灰色の大きなブロック岩を積んで作った建物がありました。

 二階建てくらいの高さ、日本の一軒屋によくある大きさです。

 建物の前には石畳が敷かれ、両端には柱が立っています。

 『神殿』のような雰囲気がします。


「久しぶりだな」

「来たことがあるの?」

「ああ。かなり昔だが。すっかり廃墟だな」


 オリオンが懐かしそうに建物を見ています。

 オリオンの言う『昔』とは、どれくらいなのでしょう。

 というかぶっちゃけ何歳なの!?

 凄く気になっています……聞けないけど!


「塔に出てくる魔物は基本的にはこの世界の魔物の変異種だ。この遺跡は塔と空間の感覚も近いし、出てくる魔物も似ている。練習には最適だ。あと、魔物の特徴と弱点なんかも言いながら行くから学習も兼ねる。体だけじゃ無く頭も使えよ?」

「うん!」


 オリオンが先頭で柱の間を進み、遺跡の中に入りました。

 入り口付近は大きなホールのようになっていました。

 でも真っ暗です。


「光隠の印に周りを明るくする魔法があるだろう? それを使え」

「あ、うん」


 姿を隠すために使っていた光隠の印ですが高位の魔物には効かないし、あまり意味がないので外すか検討したのですが、便利だから置いておけと言われていました。

 こういうところで役に立つからだったのですね。


「わっ」


 光で照らすと、バサバサと羽音が聞こえ……蝙蝠が飛んで来ました。


「あれも魔物だ。ポイズンバット、名前の通り毒を使う。弱いが群れて動くから数が多いことがある。これくらいなら少ない方だ」


 今は六匹、こちらに目掛けて飛んで来ています。

 多い時には何十匹もいるとか。

 それは嫌だな……。

 大体が濃い紫の蝙蝠に見えるのですが一匹だけ赤い個体がいます。


「色が違う奴がリーダーだ。大したことはないが、残してしまうと援軍を呼んだりする。面倒だから先に叩くようにしろ。翼がある魔物は、雷系の魔法に弱い。こいつらもそうだ。やってみろ、これくらいなら一気に始末出来るだろう」


 宣言通り、講義付きの戦闘です。

 頭を使いつつ、戦う。

 忙しいです。

 雷ですね、かみなりかみなり。

 新しくつけた『雷鳴の印』を使いました。

 初使用でドキドキしながら使うと、六匹いたポイズンバットが一斉に黒焦げになり、パラパラと落ちました。

 一撃で仕留められたようです。

 というか、思っていたよりも威力が大きくて吃驚しました。


「……装備凄い! こんなに違うの!?」


 威力も魔力消費も、全然違います。

 今減った魔力も一瞬で回復しました。

 確か常時回復するし、倒しても回復すると言っていました。


「ステラ様、素晴らしいです」

「ありがとう、自分でも吃驚。装備が凄いの!」

「へえ。いいなあ」

「嫁げばリンちゃんも貰えるんじゃない? 痛あ!?」


 羨ましがるリンちゃんに軽い冗談を言っただけなのに、リコちゃんの魔法書を奪い、角で殴ってきました。


「傷害事件!」

「こら、リン! 申し訳ありません、私がしっかり持っていれば」

「ふん」

「遊んでないで、進むぞ」


 あ、待って、まだ痛いの。

 足を止めないオリオンの後を追って、移動が始まりました。

 待っててば、血が出てない!?




※※※




 遺跡は地下へ伸びている構造になっていました。

 地下十階まであるそうです。

 塔が開くまでの期間で、ここを攻略するそうです。

 『そうです』なんて、他人事のように言ってしまいましたが、もちろん私もするのです。

 やってやりますよ、うん!


 今は少し進んで、地下三階にいます。

 一番最初に遭遇したポイズンバットがまだ良く出ます。

 併せてパラライズラットという囓られると稀に麻痺になってしまう鼠、ボーンシーフという骨の盗賊が出ました。

 ボーンシーフの方は、回復魔法をかけるとダメージになると学習しました。

 ここまでは特に苦戦もなく来ることが出来ました。


「ここから下に行けるよ」


 リンちゃんが示す所に地下四階への階段がありました。

 オリオン曰く、ここから少し魔物の様子が変わるそうです。

 出てくる種類も増え、難易度が上がるそうです。

 気を引き締めながら階段を下りました。


「早速来ましたね」


 階段を下りて四階のフロアを踏んだ瞬間、ウネウネと動く何かがこちらに近づいてきました。


「うげ」


 どういう魔物か全体像が見えると思わず顔を歪めました。


「ストーンワームだな」


 それは大きな灰色のミミズでした。

 灰色で肉々しい色ではない分、気持ち悪さは和らいでいるような気はしますが、うねりながら動くこの動作に鳥肌が立ちます。


「石化させられると面倒だよ。弱点は水系だからステラの担当。さっさとやって」

「ええ!?」


 ストーンワームに顔を顰めながらリンちゃんが背中を押してきました。

 よりによってこいつの弱点が水だなんて。

 というか、弱点が水でもリンちゃんがやってよ! ……なんて甘えているわけにはいきませんか。


 私は水系の印、『水渦の印』をつけています。

 これは回復もあれば攻撃もあります。

 私が使える一番強力な攻撃魔法でストーンワームを倒しました。


「そこまでしなくても」


 オリオンが魔力の無駄遣いだと言いたげな視線を向けてきますが、あれは全力を持って退けるべきです。

 ああ、気持ち悪かった。


「流石です、ステラ様。さっぱりしました」

「うん!」


 流石リコちゃん、良き理解者です。


 リコちゃんは未だまともな戦闘はしていません。

 簡単な階層では私の特訓をしようということで、ほぼ私一人で頑張りました。

 なのでリコちゃんの実力ははっきりと見えないのですが、私がふいうちなどを食らい、ヘマをしそうになるとスマートに助けてくれます。

 この余裕、絶対強いですね。


 そしてやっぱりリンちゃんも凄いです。

 戦闘面は把握していましたがそれ以外のことも凄いです。


「あ、そこに使えるものが落ちてる。あ、あそこにも。あ、そこは壁が崩れるから気をつけろ」


 まるで攻略本でも見ているように落ちているものや罠を見つけます。

 説明してはくれませんが、本来はアイテムや魔法を使わなければ見えないものもリンちゃんには見えているようです。

 どんな目をしているのでしょう。

 関心ばかりしていないで私も見習わなければ。


「あ、あったよ!」

「馬鹿、それは……」


――ボンッ


「ぎゃあああ!?」


 使うと魔力が回復する『魔力球』という、野球ボールサイズの水晶玉のようなアイテムが落ちていると思い、手を伸ばしたのですが……手が当たった瞬間爆発が起きました。

 び、びっくりした……心臓がはち切れそうなほどドキドキしています。


「……手が木っ端ミジンコになるところでした」

「馬鹿なこと言ってないでちゃんと見ろ!」


 リンちゃんが急いで引き寄せてくれたので何とか助かりました。

 有り難いです。

 でも、この世界にもミジンコっているの?


「……お前、大分軽くなったな」

「うん?」


 引き寄せてくれたままでいたので今も腕を掴まれています。

 顔の近くでリンちゃんが何か呟いたのですが聞こえませんでした。

 何かと聞こうと思ったのですが、暑苦しいと突き飛ばされました。

 ヒドイ。

 っていうかリンちゃん、結構力が強いですね?

 あの細い腕の何処にこんな力があるのでしょう。

 この体の脂肪、少し分けてあげたいです。


 そんなことより『ちゃんと見ろ』と言われても、私には見分けがつきません。


「見ても分かんないよ。リンちゃん、凄いね? そういう印でもつけてるの?」

「分からないんだったら何もせずに大人しくしてろ!」


 あれ、質問は無視ですか?

 これも乙女の秘密なのでしょうか。

 兎に角、言われた通りに大人しくしておいた方が良さそうです。

 頑張ろうと思ったことが空回りしてしまいました。

 でも、見分けるコツなんかを教えてくれたら勉強出来るのになあ。


「リコちゃんは分かる?」

「多少は。でもリンのように正確には分かりません」

「オリオンは?」

「分からない。トラップでも対応出来るから、欲しい時は気にせず取る。というか基本的に拾わない」

「あーあ、勿体無い。オリオンが行く所ってあまり人が出入りしてない所が多いだろうし、見逃したお宝がいっぱいありそうだなあ」


 リンちゃんが残念そうに呟きました。

 中身が分かっていれば、確かに勿体無いと思ってしまいますね。

 それにしても、オリオンでも見分けがつかないというのは意外でした。


 この後も順調に進み、地下六階まで進みました。

 新たに出てきた魔物はストーンワームに続き、パーダマー。

 これは見た印象、一言で言うと空飛ぶカラフルなパンダの頭でした。

 パンダの白の部分が赤、黒の部分が緑というクリスマスな配色、首の辺りでは仙人の髭のような長い毛が風になびいていて魔物にしては可愛いと思ったのですが、相打ちを狙った自爆をしてくるので焦りました。


 それとハサックマンという落ち葉が固まって人の形になった魔物。

 これは物理攻撃をすると分裂するという特性を持っていましたが、燃やしてしまえば簡単だったので楽勝でした。


 四階から六階が『中層』。

 七階に下りるとまた魔物のランクが上がるということで、今日は中層で引き返すことにしました。

 でも、一日で半分終わってしまいました。

 ハイペースですね、明日には終わってしまいそうです。

 『想定以上に戦えている』とオリオン先生にも褒めて頂きました、えっへん!

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る