第38話 反省会みたいです
「さぁ、反省会を始めるぞ!!」
「…ん」
「そうね、始めましょう」
俺たちは宿で予定通り反省会を開くことにした。
「まずは、俺に関しての意見はあるか?」
そう聞くと、アイラが手を挙げた。
「はい、アイラ」
「…ん、ツバサは最近の夜、一人で欲を満たしてる。もっと私たちを頼っていい」
あちゃー、バレてたのか…あんまり毎夜ヤるとアイラたちに引かれるかなぁと思ってたんだけど、その心配は必要なかったんだな。
「分かった。じゃあ、今夜からそうする。」
「…ん、私も頑張る」
やっぱりアイラは可愛いな。そんなことを考えていると、次はイズナが手を挙げた。
「はい、イズナ」
「えーと、その…夜の事なんだけど、私がツバサと初めてしたときがあったじゃない?」
「あぁ、あったな。つい最近の事だ。だけどそれがどうかしたのか?」
なんだかイズナの様子がおかしい気がするが…
「そ、その……」
「どうしたんだ?何でも言ってみろ、なるべく意見を取り入れるようにするからさ」
「じゃあ言うけど、引かないでね。」
「大丈夫だ、多少なら問題はない。」
俺がそう言うと、イズナは深く深呼吸してから話し始めた。
「わ、私が言いたいことは…よ、夜するときにもっと激しくして欲しいの!!」
…は?ナニイッテンダコイツ
「ほら、この前ツバサはアイラにするみたいに激しくしてくれたでしょ?だけど、あれじゃあ物足りなくて…もっと激しいのがいいの。…ダメかな?」
ま、まるで捨てられた子犬みたいな目をしていらっしゃる!!
「もちろんOKだぜ!!」
俺はそう即答した。だって、こんな可愛い顔されたら断れないじゃん!!
「それにしても、イズナが激しくされて興奮するほど変態だったなんて知らなかったよ」
「ふぇ!?私ってそんなに変態なの!?」
「あぁ、きっと罵られて興奮しちゃうくらい変態なんだろうな…試しにちょっと体験してみるか」
そう言って俺はイズナに亀甲縛りをしてあげた。
「え?なにこれ?なんで私は縛られてるの??」
「だってこういうのが好きなんだろ?違うのか?」
「…ツバサ、イズナ喜んでる」
「縛られて嬉しいわけないじゃない!!」
「…でも、イズナ笑顔」
「ホントだな…イズナはなんてはしたない子なんだ…」
「はしたないなんていわないでぇ!!でも、そう言われるとなんだか嬉しいかもしれな…ち、違うよ!!私はそんな変態じゃないわよ!!」
「そんなことを言いながらしっかり濡らしやがって、ほんとに変態だな。」
「ふぇええ!?そんなことないよぉ!!!」
閑話休題
「とりあえず、イズナは夜はさっきみたいな感じでいいとして…後は何かないか?」
そう言うと、次はアイラが手を挙げた。
「はい、アイラ」
「…ん、ツバサはもっと好きなことをしていいと思う。最近のツバサは、なんか物足りなそうな顔してる。」
「グッ、そこまでばれていたのか…」
「…ツバサの考えることはだいたいお見通し。ツバサの夢はハーレムを作ることだって言ってたから、他の女の子とも仲良くしたいはず…」
「…申し訳ないと思っているが、やはり夢は捨てられないんだ。」
「…ん、大丈夫。その話はこの前イズナと話し合ったから…。問題ない」
「そうなのか?」
そう言って俺はイズナの方を見る。すると、イズナは
「べ、別に私たちの事をちゃんと愛してくれればそれでいいのよ!」
と、顔を赤くしながら言った。まったく可愛い奴だ。
「ありがとな、それとだらしない奴でごめんな。」
「…ん、ツバサは自然な方がカッコいい…」
「そうよ、我慢なんてツバサらしくないのよ!それに、たまにすれ違う女を見てニヤニヤしているのを知ってるのよ?」
「なんでもお見通しってわけか…。こりゃまいったな、今日の夜は激しい夜になりそうだ。」
「…今夜は、寝かさない?」
なんで疑問形なんだ…。だが、そこも可愛いぜ!!
「とりあえず、今日の話はこれくらいにして…眠くなる前にしようぜ。」
「…ん」
「そ、そうね。さっさとしましょう」
そう言って俺たちは楽しい一晩を過ごした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ここはどこだろうか…あぁ、そうか。この何度も見た真っ白な部屋は夢の中で誰かに呼びだされたってことか…
そんなことを思いながらぼーっとしていると、誰かが声を掛けてきた。
「再び呼びだしてしまって申し訳ない…。」
「おぉ、誰かと思えばいつぞやのヴァルキリータソではありませんか!別に呼びだされたことは全く気にしていないぞ!むしろこんな美人に会えるなんて大歓迎だ!!」
「ツバサは私のような堅物が可愛いと思うのか?ホントにおかしな奴だ。」
そう言ってヴァルキリーは楽しそうに笑った。…ヴァルキリーが笑ったところは初めて見たな。
「ヴァルキリーは笑うともっと可愛いんだな。」
「…!?いきなりへんなことを言うんじゃない!!恥ずかしいだろう!」
「全く、ほんとに可愛い奴だな。…そういえば、あんたのホントの名前はなんていうんだ?本名がヴァルキリーっていう訳じゃないだろう?」
俺がそう言うと、ヴァルキリーは少し寂しそうに笑った。
「私は生まれた時からヴァルキリーとしか呼ばれていない。だから私にはヴァルキリー以外名前はないのだ…」
なんてこった…凄くかわいそうなことを聞いてしまったみたいだな…。だが、こんな美少女に名前がないのは許せん!!
「俺が名前を付けてやる!!だからそんな悲しい笑いはするな!!」
なんか話のベクトルが変わってきた気がするが…まぁいっか。
「お前の名前は…そうだな、ヘレナなんてのはどうだ?」
俺がそう提案すると、ヴァルキリー…もといヘレナは少しニヤけながら名前を復唱すると、嬉しそうに頷いた。
「ヘレナでいいみたいだな、じゃあこれからはヘレナって呼ぶよ」
「な、名前を付けてくれて感謝する…。その…すごくうれしかったぞ!」
「あぁ、そのくらいならお安い御用だ。…そういえば、俺に何か用があるんじゃなかったのか?」
すると、ヘレナはハッと何かを思い出したような表情をした。
「そうだった、すっかり忘れてた!私はツバサに危険を知らせに来たんだ!!」
「へ?危険?」
「そうだ、ツバサに危険が迫っている…何が原因かは分からないが、とにかく危険が起こる可能性が高い!日常生活には十二分に気を付けてくれ!」
「危険予知というやつか…、ともかく知らせてくれてありがとうな!これで何が起こっても焦らずに行動できそうな気がするぜ!」
「ツバサの役に立てて良かった…。そろそろ夢から覚める頃だから、目が覚めたら周りに気を付けて生活するんだぞ!!」
「はいよ、じゃあまたな!」
こうして俺の意識は途切れた。
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