鉄道が走ってると思ったか?残念、本州がほぼ構内だ!

 非営利で一般に公開して下さってるストーリーなのでボリュームの少なさ故の「薄さ」は拭えないが、芯となる設定が太く場面の飛ばし方等もしっかりしているので、読み手の脳内補完により読み応えは充分に補え、飽きなく最後まで一気に読めてしまった。作者が意図したのか人物/団体、場面、設定共に掘り下げられる余地が多分にあるので、ここでオリジナリティを出してSAOのような夢の書籍化ワンチャンを期待して止まない。
 個人的には謎多き北海道サイドや「ご都合主義の繋ぎ役」化してしまったキセル同盟/ケイハ、年代的謎、矛盾をはらんでしまったラボサイド、優先順位的には落ちるが四国/九州サイドの話を詳細な駅外/中の生活描写をまじえてもっと読んでみたいと思った。(崩壊後、顛末もなおさら)
 先の大戦に関しては主題である横浜駅からは離れてしまうような気がするので今ぐらいの出し方で後は最終兵器彼女的な読み手に丸投げも正解なんじゃないかと思った。
 長々と書いてしまったが、とても斬新な設定をネタで終わらせずに見事SFとして仕立てた作者様に賞賛とともに、書籍化への一助となっていただければとの思いを込めてこのレビューを送ります。

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横浜駅SF