MISSION:02

〘目覚ましアラーム〙

『ピピピ・・・・ピピピ・・・・ピ』


〘テツ〙

「ん・・・・もう朝か」


《01》

「ハイ_モウ朝デス_オハヨウゴザイマス_テツタローサン」


 机の上に置いてあるスマートグラス型のウェアラブル端末のAIが語り掛ける。 


〘テツ〙

「あ~・・・・おはよう・・《01》・・今日も元気だね」


《01》

「ハイ_私ハ_今日モ_元気デス」


〘テツ〙

「《01》もう6時30分?・・少し早いような気がするけど・・・・」


《01》

「只今ノ時刻ハ_午前6時00分デス」


〘テツ〙

「うぇ〜、なんで30分も早くアラーム鳴らすんだよー。もっと寝たかったのに〜」


《01》

「今朝ハ_優希サン_カラ_大事ナ話ガアルカラ_イツモヨリ30分_早ク起コスヨウ二_仰セツカッテイルノデス。サア_早ク_起キテ下サイ」


〘テツ〙

「わかったよ。起きます。起きればいいんでしょ・・起きれば・・」


《01》

「ブツクサ_言ワナイデ_下サイ」


〘テツ〙

「まったく、こいつはAIのくせに、やたら人間臭くなってきたな」


《01》

「何カ_言イマシタカ?」


〘テツ〙

「いいえ、何も言ってませんよ。軽くシャワー浴びてくる。よっこいしょっと」


 僕は、ベッドから起きると室内にある風呂場へ入って行った。


 僕の名前は、日ノ本 哲太郎。皆からは、『テツ』とか『テツタロー』とか呼ばれている。色々と複雑な事情があって、この家に居候している。いや、させられている。といった方が正確かもしれない・・・・この家は豪邸だけど正直いって住みづらい、というか生活感が無い。だから、早く独り立ちしたいと思っているんだけど・・・・


〘テツ〙

「ふぅー、さっぱりした」


 濡れた身体を拭いてスマートグラスを装着して服を着込み学生服のブレザーを羽織ろうとする。


《01》

「今日ハ_学校ハ_オ休ミデス」


〘テツ〙

「・・・・あっ、そうだった、うっかり忘れてた。まだ寝ぼけてるみたいだ。さっさと着替えよう」


 どの服を着ようかとクローゼットの中を覗い込む。


〘テツ〙

「えーと、どれにしようかな?」


《01》

「モウ_初夏デスカラ_Tシャツ_デ_充分ダト_思イマス」


〘テツ〙

「分かってるよ。どんな柄にしようか迷ってるんだ」


《01》

「朝ハ_皆サン_ガ_集マリマスカラ_地味ナ柄二_シタ方ガ良イ_ト思ワレマス」


〘テツ〙

「いちいち、うるさいな。母親みたいな事いわないでよ」


《01》

「私ハ_貴方ノ保護者役トシテ_貴方ノ_オ姉サン_デアル_優希サン_カラ_プログラム_サレタAIデス。文句ガ_アルナラ_優希サン二_言ッテ下サイ」


〘テツ〙

「分かったってば、一番地味な無地のTシャツにしたから・・早く行かないと何かと気まずくなるから、もう行くよ」


《01》

「ハイ_ソウシマショウ」


 そう言うと僕達は、そそくさと部屋を後にした。 


 






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

GUN_FIGHTER_《01》 S_テツタロー@MANGA_NOVEL @manga_novel_studio

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ