高い商品で自分を着飾りたい!でも買った品物が次々消えて行く…?!最後に取った女の行動が信じられない悲劇を招いた…

天川裕司

高い商品で自分を着飾りたい!でも買った品物が次々消えて行く…?!最後に取った女の行動が信じられない悲劇を招いた…

タイトル:(仮)高い商品で自分を着飾りたい!でも買った品物が次々消えて行く…?!最後に取った女の行動が信じられない悲劇を招いた…


1行要約:

虚飾に身を固めようとした女の悲劇


▼登場人物

●高見典子(たかみのりこ):女性。30歳。都内で働くOL。やや貧乏。装飾品好き。万年平社員。仕事が出来ない。

●郡上加奈子(ぐんじょうかなこ):女性。30歳。金持ち。いつも高額の装飾品で身を固め、典子を見下す。企画部長で、典子とは破格に違う給料を貰っている。

●女子社員:加奈子にいつも付き回っている金魚のフン的存在。20代。本編では「社員A~B」と記載。

●庄司紀子(しょうじ きこ):女性。30代。典子の理想や夢・野望から生まれた生霊。美人で上品な印象。


▼場所設定

●美麗デザイン社:典子や加奈子が働いている。コスメやファッションを扱う一流のブランド企業。仕事は完全ノルマ制で、給与額にもその影響がモロに出る。

●バー「エクセレント」:高級なバーのイメージ。飲み物は安い。

●典子の自宅:豪邸(これは後半で典子が出世した際に購入した家)。

●エステサロン:典子が、紀子に貰ったカードを使って利用する。一般的なエステのイメージで。


▼アイテム

●栄養ドリンク:1ケース(12本入り)を紀子から貰う。普通の栄養ドリンクのイメージで。

●クレジットカード:ブラックカードの感じで。全国のデパートや専門店で使用可能。但し買った商品はその日の内に消える(この辺りは霊的な力が作用する感じで)。


NAは高見典子でよろしくお願いいたします。



オープニング~


エクソちゃん:ねぇデビルくん、デビルくんってお洒落とか気にするほう?

デビルくん:へっ、デビルがそんなモン気にする筈ねーだろっての!

エクソちゃん:まぁそうよね~。もしホントにお洒落とか気にするほうだったら、1年中そんなダサダサの恰好なんてしてないわよね。

デビルくん:怒るぞしまいに(汗)

エクソちゃん:まぁまぁ♪今回のお話はね、「自分だって高級品でお洒落したい」っていつも思っていた、或る女性にまつわるお話なの。

エクソちゃん:その女性は家がやや貧しくて、これまでお洒落とかした事無かったのよね。でもそれだからこそお洒落に対する願望が強くなってて、いつか夢を叶えようってずっと思ってるのよ。

デビルくん:ふぅん。

エクソちゃん:で或る日、不思議な女性と出会ってなんとその夢が叶っちゃうんだけど、そこから段々変な方向へ展開して行っちゃうのよ…

(↑朗読動画の場合は無視して下さい↑)



メインシナリオ~

(メインシナリオのみ=4249字)


ト書き〈美麗デザイン社〉


典子)「はぁ…。加奈子はいいなぁ。いっつもあんな派手派手な恰好しちゃって…。それにあのネックレスとかブレスレットとか、絶対高いよアレ…」


NA)

私は高見典子。

今年30歳。

未だお洒落というものをした事が無い。

家はやや貧乏。

贅沢なんて出来っこない。


加奈子)「のーりこ!アンタまた今日もそんな地味ィな恰好で来てんのォ?ここコスメやファッション扱ってる一流のブランド企業よ?アンタも社員なんだからさ、そんなダサダサの恰好で来られちゃ会社の品格に関わるのよ」


加奈子)「私達の仕事は女性に夢を売る仕事なの。分かってる?」


社員A)「きゃはは♪そんなホントの事言ってあげたら可哀想ですよォ~」


社員B)「家が貧乏だし、服とかグッズとか買うお金、無いんじゃありません?」


加奈子・社員A~B)「あっはっは!」


典子)「ぐ…(クソ~~ムカつく!)」


NA)

いつも馬鹿にされる。

出来るモンなら私だって洋服やグッズにお金を掛けたい。

でも出来ない!

このステータスの差を私は心底恨んだ。


ト書き〈会社帰り〉


NA)

仕事帰り、私はいつものデパートに来た。

銀座のど真ん中。

高級デパート。

私はいつもここでウィンドウショッピングを楽しむ。

買った気になり満足する。

でも…


典子)「はぁ…。こんな事続けてたって仕方ないわよね…」


NA)

ルーティンのようなその気晴らしに私はもう飽きていた。


典子)「もっと出世できれば…」


NA)

私や加奈子が働いている会社は完全ノルマ制。

仕事の出来栄えで出世が決まる。

もちろんそれは給与にモロに影響。

加奈子は企画部長、私は万年ヒラ。

貰える給与は雲泥の差。

私は落ちこぼれ社員だ。


典子)「はぁ…アタシって、あの会社に向いてないのかな…。もうムシャクシャする!今日は飲んじゃお!」


NA)

私は久し振りに飲みに行った。


ト書き〈バー「エクセレント」を見付ける〉


典子)「あれ?こんな所にバーあったんだ…」


NA)

いつもの帰り道、全く見慣れないバーを見付けた。

バー「エクセレント」。


典子)「へぇ、結構イイ感じ…」


NA)

見てくれは高級そうだが安く飲める。

私はそこに腰を落ち着け、カウンターで1人飲んでいた。


典子)「ちっくしょう!なんでアタシは貧乏な家に生まれたの!もっとお金持ちの家に生まれたかったわ!」


典子)「…でも、結局は私のせいか。仕事は思うように行かないし、出世も出来ないし、給料も少ない…。はぁ…もうちょっと仕事が出来たらなぁ」


NA)

散々愚痴っていた時。

1人の女性が声を掛けて来た。


紀子)「あの、ご一緒にしてもイイですか?」


典子)「え?」


NA)

見るとかなり奇麗な女性。

どこかのお嬢様のようだった。


典子)「あ、はい…」


紀子)「何だか落ち込んでますね?お仕事か何かでお悩みでも?」


典子)「え…?い、いやまぁ…。あの、あなたは?」


紀子)「申し遅れました。私こう言う者です」


NA)

女性は名刺を差し出した。


典子)「『充実した未来へのプランニング~ライフコーチ』…庄司紀子…?」


紀子)「私はあなたのように、お仕事やご家庭での悩みをはじめ、いま心に抱えてらっしゃるコアの悩みを直接解決させて頂くお仕事をしております」


紀子)「ですがこれはボランティア事業ですので、料金は一切頂きません」


典子)「はぁ…」


紀子)「先程のあなたのご様子から、仕事や人生の事で何かお悩みなんじゃないかと思い、それでちょっとお声を掛けさせて頂きました。もしお悩みがあれば、私にお聞かせ頂けませんか?きっと気分も楽になると思いますよ」


NA)

紀子は不思議な女性。

初対面なのに10年来の親しみを感じさせる。

気付くと私は、自分の悩みを全て話していた。


紀子)「なるほど。あなたも女性としての人生を謳歌したい訳ですね。でも家庭にゆとりが無いから贅沢は出来ない。自分を更に磨こうとしても、具体的に何をどうすればいいのかそのハウトゥが分からない…そんな感じですか」


典子)「え…ええ、まぁ…。今まで何度も頑張っては来たんですけど、私、どうも今の会社合ってないみたいで。どれだけ仕事に精を出しても、みんな空回りする感じで、もう気付けば30歳になっちゃってた…みたいな…」


典子)「私の人生って何なんだろう…って最近つくづく思っちゃいます…」


紀子)「全然落ち込んだりする事ありませんよ。それにお仕事だって、もし本当に自分に合わないな…って思えば、別のお仕事を探せば良い訳ですし」


紀子)「そうすればお金も稼げて、お洋服やコスメも楽しめるでしょう」


典子)「…でもアタシ頑張って来たんです!も、もちろん自分なりにですけど、それでもホントこれ以上無いくらい一生懸命やって来たんです!今の会社に入ってからでも、自分に合いそうな仕事、幾つも探して来ました」


NA)

私はまるで子供のように駄々をこねた。

初対面でこんな事を言うのはおかしい。

でもこれも、彼女の特殊なオーラの影響によるもの。

普通の人とは何となく違う彼女。

だから私はつい彼女に甘えてしまい、自分の夢を無心していた。


紀子)「わかりました。あなたは今すぐその夢を叶えたいんですね?それではこちらのドリンク剤と、カードを差し上げましょう。きっと今のあなたの生活や仕事の土台に成ってくれるでしょう」


NA)

見ると栄養ドリンクのような物が1ケース。

そしてクレジットカードのような物が1枚。


紀子)「あなたは今の仕事から逃げているだけです。入社できたと言う事は、そこで自分の実力を充分発揮できると言う事ですよ。ただあなたはまだその本領を発揮する場所の確保や、その為の環境設計をしていないだけです」


典子)「え?」


紀子)「仕事前にそちらのドリンクをお飲み下さい。きっと見違えるように仕事が出来るようになるでしょう。そしてこちらのカードは見た通りクレジットカードで、お金の事を気にせずご利用できます」


紀子)「そのクレジットカードは、日本全国のデパートや専門店でご自由に使えます。但しそのカードで買える物はその日の内に消えてしまうでしょう」


典子)「え?」


紀子)「あなたはウィンドウショッピングを楽しんで気晴らしを試み、その繰り返しで生活を続けて来られました。つまりその生活パターンが土台になっていたという事です。それ以上の飛躍は今のあなたにとって毒になります」


典子)「ど…毒って?」


紀子)「人は贅沢を覚えれば覚える程、初心を忘れるかのようにして、どんどん『夢』と言う名の欲望の深みにハマるものです。そうなればもうどんな贅沢な暮らしをしても、それが贅沢だと認める事が出来なくなってしまいます」


紀子)「大切なのは、あなたにとって本来の幸せな生活を取り戻す事です。そのドリンクですが、1ケースに12本入っています。そのドリンクが切れるまでに、必ずあなたは自分の理想の仕事やペースが見えて来ます」


紀子)「その時に、あなた自身の手で人生を選択して下さい。自分の人生の幸せは、装飾品や物に頼って掴んではいけません。自力で掴み取るのです」


典子)「は…はい…」


ト書き〈数日後〉


NA)

私はそれから紀子に貰ったドリンクを仕事前に飲むようにした。

そして仕事帰りには紀子から貰ったカードを使い、買い物しまくった。

確かに紀子が言うように、買った商品はその日の内に消えていた。

どうして消えるのか、私には分からなかった。

でも多忙の日々。

それより私は自分のステータス向上に躍起になった。

そうする内に精神は安定し、頭も冴え、私はたった数日で部長になれた。

秘書兼部長。

企画部長の1つ上の位だ。


典子)「加奈子!この前の起案書どーなってんの?アタシが言った通りになってないじゃない!も1回書き直して明日中にアタシんトコ持って来なさい」


加奈子)「ど…どうなっちゃってんのあの子…」


社員A)「なんか…今までの典子さんと違いますね…」


NA)

私を見る周りの目が変わった。

私が身に付ける物も自ずと変わっていった。

全て高級品。


典子)「フッフッフ…。これよ、これが本来のアタシの姿なんだわ!」


ト書き〈エステに行ってカードを使う〉


NA)

そんなバラ色に充実していた或る日の事。


ト書き〈自宅〉


典子)「うーん最近、お肌のノリがいまいちねぇ…」


NA)

幾ら「贅沢な暮らしが出来るようになった」と言っても最近の事。

それまではずっと貧乏暮らし。

そのせいか、私はついお肌のケアを怠っていた。

ここの所、体のあらゆる部位のシワやシミが気になっていた。

そしてこの日、私はエステへ行った。


ト書き〈エステサロン〉


典子)「やっぱお肌から奇麗にしなくちゃね。でもここって高いわね…」


NA)

金持ちになってもケチな人はケチ。

このエステは有名人も来るようで、全ての施術が高額だった。

私も今やお金持ち。

でも全て自分が努力して稼いだお金。

たかがエステに高額を使うのは惜しい。

そのときバッグを見ると、紀子から貰ったカードが入っていた。

店員に訊くと、ここでもそのカードが使えるらしい。


典子)「…よし、カード使っちゃえ!」


NA)

紀子から貰ったカードを使えば自分のお金は減らない。

このとき私は紀子との約束を忘れていた。


ト書き〈その日の夜、自宅〉


NA)

その日の夜…

私は体中が痛かった。

どこにも傷とかは無いのだが。


典子)「うーん…何だか体中が痛むわ…。あのエステ、大丈夫なのかしら?」


NA)

取り敢えず、私はお風呂に入った。

そして出て来て鏡を見た時だった。

絶望的な恐怖が私を取り巻いた…


典子)「なに…コレ…。ぎゃ…!ぎゃあぁああ!何よこれぇええぇえ!!」


ト書き〈鏡に悲惨な典子の姿が映る〉


NA)

全身鏡に映ったモノは、皮膚が全て剥ぎ取られた私の姿!

体内の肉が見えており、まるで理科室にある人体模型のようだった。


ト書き〈豪邸を眺めながら〉


紀子)「約束を破ったわね。あのカードで本当の買い物は出来ない。買った商品はその日の内に消え果てる。典子はエステでそのカードを使って施術した。だから奇麗になったその肌も、全て身ぐるみ剥がされるように消え果てた」


紀子)「私は典子の理想と夢、ステータスを変えたいと言う野望から生まれた生霊。人間は度が過ぎた夢を持つと、必要以上の贅沢をするようになる」


紀子)「典子はせっかく自力でステータスを手に入れたのに、私との約束を忘れ、美貌を手に入れようとした。欲に目が眩むと大事な事も忘れてしまう」


紀子)「結局、典子は自分の明日も失くしたようね。あんな姿じゃもう、再び施術したって追い付かない。いつしか典子は『自分磨き』が贅沢を無心する虜になっていた。欲望の自制と幸福への認識、これはいつでも大事な事よ…」



エンディング~


エクソちゃん:うわぁ、典子さん、かなり悲惨な結末を辿っちゃったわねぇ。全身の皮膚が削ぎ落ちるなんて…。想像しただけでも恐怖だわ…。

デビルくん:フン、まぁ自業自得だな。でもなぁんで女ってのは、そんなに美を欲しがるのかねぇ。

エクソちゃん:まぁそれは女性に生まれた上での宿命、って言った感じよ。誰だって女の人は自分を更に磨いて美しくなりたいし、可愛らしくもなりたいし、それで自分の欲求が満たされるんならそれに向けて一途に努力しちゃうのよ。

エクソちゃん:でも確かにあんまり度が過ぎてしまうと、今回の典子さんみたいに、本当の幸せを見失う事もあるんだろうね。

エクソちゃん:そんで自制心とか幸福への認識も忘れちゃって、ただの欲望の虜になっちゃうのかも。

デビルくん:人間てのはぁ、つくづく欲深い生きモンだな。

エクソちゃん:そうねぇ。まぁ何かが欲しいと思って冒険する時は、必ず「自分を節制する心」を持つ事も忘れないようにしなきゃね。

(↑朗読動画の場合は無視して下さい↑)



動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=__goBb-Ai8Y&t=75s

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高い商品で自分を着飾りたい!でも買った品物が次々消えて行く…?!最後に取った女の行動が信じられない悲劇を招いた… 天川裕司 @tenkawayuji

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