―誓い―

青野ひかり

一歩ずつ

私はささいなことで傷付き、

ささいなことで嬉しくなる


障害をもっている私は普通のことが普通に出来ない


きれいに手を洗わないと気が済まないから、冬はあかぎれが出来て真っ赤になる

心にも傷が付く


でも、誕生日に友人・家族が話し合いもしていないのに、揃って私にハンドクリームをくれた

今色々な種類のハンドクリームを目の前に並べた

涙が出た

心に灯りがともる


今日も歯を磨けなかった

落ち込む

次の日歯を磨けた

心が弾む


今日はお風呂に入れなかった

心身が寒い

別の日、お風呂に入って身体をキレイに出来た

グッスリ眠れた


今日はなにも出来ずに寝て過ごした

虚しかった

別の日、買い物に行って欲しいものが買えた

一日が短く感じた


昔の嫌な記憶に苛まれて泣いた

心療内科の先生がもういらないネガティブな想いは捨てていいと言った

今まで頑張ってきた自分を労ってあげてと言ってくれた


昔辛い時期に流れていた音楽がたまたま耳に入り、トラウマに苦しめられる

でも、ふとテレビから流れてきた歌に心打たれて生き延びた日もある


私は障害を終わらせる

精神的な障害にこれ以上私の人生を奪わせたくない


幸せになりたい、産まれてきて良かったと心から想いたい


障害が必要なかった本来の私に戻ろう

変わるのは怖いけど無理せず少しずつ…


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―誓い― 青野ひかり @ohagichan

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