トイレであれしてアレする娘は…

花恋亡

臭いと言われて悦ぶ手合もいるから注意されたし

 会社のトイレで便秘と格闘中の私。


最近ちょっと気になってる事があるの。

会社の女子トイレがたまに臭いの。

そう、イカ臭いのよ。


きっと誰かがさきイカでも食べてるのよ。


でも女子トイレでアレの臭いがして…考え過ぎね。




ガチャ

キーバタン


フーフー

ムーフームーフー


シャコシャコシャコシャコッ


ンッンッンッンッ




えっどうしよう、まずいまずい。

慎重に音を立てずにこっそり出るのよ私。

私はそう忍者よ音を殺し風のように去るの。




シャコシャコシャコシャコッ


シャコシャコシャコシャコッ



ンッァ゙ッ

ンッンンッ


ァ゙ー…


カラカラカラ




えっ待って早い早い。




ジャー

ズゴゴゴゴゴー


ガコッ

バタンッ

ギィー




あっ終わったわ私。

シャコシャコ変態になにかされるんだわ。




「あれっ?居たんですかー、誰も居ないと思い込んでて、もう恥ずかしいですー」。




眼の前の光景が理解出来ない。

イカだ。

人間大のイカだ。

イカが私と同じ制服を着て立っている。


ブラウスの両腕の袖口からはそれぞれ触腕が出ていて、スカートからは多分八本くらい足が見える。


んん?




「私ちょっとおトイレする音が大きくて、恥ずかしいから人が居ない時にしかしなかったんですけど、今日は結構限界で、すみません本当」。







部署に戻り同僚にこの事を話した。




「あれ?知らなかったの?半年くらい前かなー、ウチも社会アピールでイカを雇う事にしたじゃん」。




イカを雇う?

なに言ってんだこいつ。




「それにしてもイカの社会進出速度は驚きだよね、一年前に人間レベルの頭脳を持つイカが発見されて、それからはあれよあれよとイカが陸にあがったよね」




全然知らなかった。

同僚からのイカ講座をそれなりに理解はした。

まだ受け入れらてはないが。


仕事終わりふと休憩ベンチに目をやるとイカ社員が座っている。




「うううっううっー」。




声を掛けてみよう。




「私まだ触腕を人の手みたいに扱えなくて、ミスばっかりで…部長が…」。




そうか怒られたのか。

可哀想に、不慣れな環境で大変だろうな。

大丈夫私が相談のるよ。

全文吐き出しちゃいな。



「なんだかスッキリしました有難うございます」。

「お礼に私おやつあるんで一緒に食べましょう」。




彼女?はバッグをゴソゴソと漁っている。

十分器用に使えてるよ触腕。

そんな風に眺めていた。




「あったあった!はいこれっどうぞ」。




これはなに?




「あーこれはさき人間のおつまみですよ〜」




部長…じゃ…ないよね?(笑)

笑うしかない。




「もー(笑)部長ないですよ〜」




笑うしかない。

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