マッチョ式創作論(ケンゾー風Q&A)

月井 忠

一話完結

 ★が欲しい?



 ジムに行け。


 ★は他人の評価でしかない。

 お前が何をしたところで、★は降ってこない。


 タイトルやキャッチコピーにこだわるのも結構だ。

 だが、それは表面的なことでしかない。


 悶々として待つぐらいなら、果報は筋トレをして待て。

 他人の★と自分の★を比べて失望するぐらいなら、筋トレを尽くして天命を待て。


 それと、筋トレの後のプロテインを忘れるな。





 表現力が欲しい?



 ジムに行け。


 素人が表現力をうんぬん言っても意味がない。

 筋トレしてから出直してこい。


 表現力の巧拙はプロになってから言え。

 それまでは、おしなべて駄文だ。


 気にするだけ無駄というものだ。

 そんな暇があるなら書け。


 そして筋トレをしろ。

 くれぐれもプロテインを忘れるな。





 スランプ?



 ジムに行け。


 書けないことをいつまでも根に持つな。

 そんな暇があるなら筋トレをして、忘れてしまえ。


 書いていない時に何をするかが重要だ。

 次に書き出した時の糧になるからだ。


 後ろ向きな気持ちは置いていけ。

 筋トレをしてスッキリしてこい。


 後、プロテインを忘れるな。





 アンチコメント?



 ジムに行け。


 他人のコメントに傷つくような、やわな精神は根本から叩き直せ。

 故に筋トレだ。


 健全な精神は健全な肉体に宿る。


 どうせアンチコメントをするようなヤツは、ヒョロヒョロの虚弱体質だ。

 そんなヤツらに見下されぬよう、ジムに行け。


 もちろん、プロテインを忘れるな。





 書籍化のコツ?



 ジムに行け。


 そもそもコツなどない。

 お前が下読みに媚を売った所で見透かされるのがオチだ。


 余計なことを考えずに書くか筋トレをしろ。


 読む者は、必ずお前の本心まで読んでくる。

 見透かされたくないなら、死ぬ気で鍛えろ。


 決して、プロテインを忘れるな。





 作家になって、楽して稼ぎたい?



 ジムに行け。


 お前のような阿呆は、ベンチプレスで100キロ持ち上げるまで、ジムから出てくるな。


 作家は皆マッチョだ。

 日々の締め切りに負けず、書き切るためにも筋肉は必要だ。


 苦労はあっても楽はない。


 マッチョになれないなら、さっさと諦めろ。


 プロテインだけは忘れるな。





 幸せになりたい?



 ジムに行け。


 ここまで読んだら、わかったはずだ。


 答えは筋肉が知っている。


 プロテインを忘れるな。

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