短編:魔法少女マン・地獄のステルス魔法少女

MrR

魔法少女マン

 =昼・魔法の国・貴族のリチャードが所有する田園地帯にて=


 Side リチャード


 ここは魔法の国の田畑が広がる田園地帯。

 農作物の代わりに麻薬が栽培されている。

 表の顔は貴族、裏の顔は麻薬王のリチャードにより、金で買収された騎士や魔獣達が警備し、治安の悪化を招いていた。


(ふっふっふっ、魔法の国を足掛かりとして麻薬ビジネスも順調その物だな)

 

 などと考えながら視察するリチャード。

 広大な土地の管理は一苦労だ。

 

(これだけ広大だと、何処に王国側の密偵がいるか分かったものではない。警備の数を増やすか)


 などと考えていたその時だった。


(うん? なんだアレは?)

 

 遥か向こうの空から何かが迫ってきている。

 早い。

 飛行型魔獣の倍の速度だ。

 

 瞬間、畑の彼方此方で大爆発が起きる。


「な、なにが起きた!?」


 一体何が起きたか分からなかった。

 麻薬畑を焼き尽くすような爆発が次々と起きる。

 リチャードが分かったのは攻撃を受けたことだ。

 畑を焼き尽くされた事だ。


「た、大変です!!」


「見れば分かる!?」


「違います!! 我々が所有する麻薬の貯蔵庫も襲撃されて――」


「なんだと!?」


「他にも同様の被害が――」


 それから悪夢のような報告を次々と聞かされる。

 一夜にして麻薬王の座を完膚なきまでに破壊された。 

 その事実にリチャードはショックで死にそうになった。



 Side 国守 みさき


 =昼・一戸建て、国守 みさきの自室=


 私は国守 みさき。

 普通の女子中学生。

 魔法の国のうさぎの妖精メイプルの力で魔法少女マンになったの。

 黒のフライトマスク。

 黒い軍用ベスト。

 漆黒のボディスーツ。


 数々の魔法のハイテク兵器を操り、魔法のステルス戦闘機(F-22戦闘機そっくり)に乗って悪を粉砕する魔法少女マンに強制的に任命されたの、チクショー!?


 魔法少女マンってなんなの!?


 魔法のハイテク兵器とかステルス戦闘機とかなんだよ!?


 何でもかんでも魔法のってつければいいやって考えてるだろ!?


「よくやってくれた、魔法少女マン。私の目に狂いはなかった」


 私の部屋に全長2m近く、筋肉モリモリマッチョマンの黒人でサングラス、シティ〇ンターの海坊〇みたいな奴いる

 軍服にサングラスをつけていて私を魔法少女マンに仕立て上げた男だ。


 私を魔法少女マンに任命した後は私部屋に何処からともなく前触れなく現れ、魔法少女マンとしての任務を与えてくる。


 魔法少女マンとしての任務はどれもこれもハリウッドのアクション映画みたいなものばっかりだ。

 魔法の国での任務だからやっと正統派かなと思ったら麻薬が絡んでたし。


「報酬は何時もの通りスイス銀行の口座に振り込んである」


「ど、どうも」


 だけど報酬とかそう言うのはキチンとしている。

 確定申告とかの問題は必要ないらしい。

 

「さて、次の任務だ」


「なに? また麻薬を焼き払えとかそう言うの?」


「異世界に密入国しようとしているタンカーへ破壊工作をしてほしい」



 =昼・太平洋某所・タンカー内部にて=


 今回大佐から聞かされたのは地球の兵器を異世界に持ち込むと言うなろう小説みたいな話だ。


 私はタンカー後部にあるスクリューを魔法のステルス戦闘機のミサイルで破壊。

 その後、内部に乗り込んで次々と兵士や魔獣を魔法のアサルトライフルやバズーカで倒していく。


 今回は大佐も同行している。

 魔法のMー60汎用機関銃で敵を次々と射殺していた。

  

『なぜ我々の計画に気づいた!?』


『早く迎撃しろ!!』


 今回の任務は地球の兵器を異世界に持ち込むのを阻止するためだ。

 てか敵の兵士が近未来感溢れるFPSゲームの兵士みたいなのはなんでだろう。


「クソ、戦車を投入してきた」 


『頭おかしいんじゃないの』


 巨大な船の上で戦車と戦う事になろうとは。

 正確にはアメリカ製のM1エイブラムス。

 銃座の重機関銃や主砲を乱射してくる。

 周辺には魔獣や銃火器で武装した兵士が展開している。


 そこへ待ってましたと言わんばかりに上空で待機していた魔法のステルス戦闘機が上空から援護射撃を行ってくれる。

 発射されるミサイル、機銃が次々とタンカーに展開している敵兵士を粉砕していく。


 魔法のステルス戦闘機は魔法の人工知能を搭載している魔法のハイテク戦闘機らしい。

 やっぱりなんでもかんでも魔法のってつければいいと思ってるだろう。


 上空から見たらハリウッドのアクション映画の最終バトルみたいな派手な爆発がタンカーの各所で上がっているのだろう。

 私は魔法の光学迷彩を起動しながら、コソコソとタンカーの内部に潜入する。



 最終的にタンカーは拿捕に成功。

 一度異世界に持ち込んで、タンカーや積載された武器類は魔法の王国が責任を持って処理を行うことになった。

 

 そして私はと言うと――


 =夜・日本のとある高層ビル=


 魔法のテロリストがお金持ちのパーティーが開かれているビルを占拠。

 人質をとって立て籠もってたので、その排除に向かうのであった。

 私は「やっぱりこの路線かよ」と毒つきながらテロリストの排除に向かうのでした。

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