ダンジョンのある世界でブラック企業に勤めていたら、悟りを開きました

暁 天夜

第1話

ダンジョンが一般的な物になってから、5年。

社会的にダンジョンが第四次産業として発展していく世界で、俺はマイナーな企業に就職し、日々平穏な日常を送ろうと思っていた。

意気揚々と職場に向かったその日から、俺のブラックで修行のような日常が始まった。





ーーーーダンジョン内にてーーーーーーーーー


「そいっ!」

なんとも気の抜けるような掛け声とともに大型の地竜の首を手刀で切り落とす男がいた。

その男の名は、無常むじょう 慎悟しんご

ぱっと見、中肉中背で顔も美形ではなくThe平凡という言葉が似合う男だ。

そんな彼が何をしているのかというと、会社の商品に使用するための素材集めだ。

ただし、普通に考えると彼の仕事は些か頭のネジがはずれているか自殺行為そのものでしかないが。

ダンジョンを専門としている凄腕の探索者ですら、危険すぎて近寄らないダンジョンである龍の巣を一人でまるで散歩するかのように歩いている彼は、これがどれほど異常であるかなどわかりもしないのだろう。


彼にとってはこのダンジョンですら、命の危険わわ感じない散歩コースとかわらないのだから。


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ダンジョンのある世界でブラック企業に勤めていたら、悟りを開きました 暁 天夜 @Akatukitenya1007

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