第23話 修行


俺達は共存を目指す事にしたはいいが

今の俺ではお父様に及ばない、共存を目指すにしろ

お父様に阻まれて終わるだろう


と言う事で俺はクリスに修行をしようと持ち掛けた

クリスは力を付けるに越したことはない、と言う事で了承してくれた。


修行をするために遠くの山にやって来た訳だが

そこで俺はある事を告白する。


「みんな俺の体を見て欲しい。」


そう言って俺は青のジャケットと白のTシャツを脱いだ

するとそこにはサラシに包まれた巨大な胸が露わになる


「え?おっぱい…」


灯は驚いた声で言った。

信じられなそうな目で俺の胸を見つめている


強子もそうだ、クリスは、相変わらずマイペースな表情をしている


「女の子だったんだね~」


俺はTシャツとジャケットを着直した


「この通り俺は名家だから男装しているが、女の子だ

 修行の最中バレないのは無理と思って晒した。」


まぁ、心は男の子と言えない事もないが

現時点での体は女の子だ。


「今までと性別が違っても、仲良くやってくれるか?」


灯は笑顔で言う


「も、もちろんだよ。女の子同士だって分かって親しみやすくなったし。ね?」


強子は相変わらずの仏頂面で言った


「まぁ、いいんじゃない?性別なんてどっちでも。」


クリスは相変わらずのマイペースな表情だよ


「私は出会ったばかりだから、何とも言えないよ~」


クリスとは出会ったばかりで、出会ってすぐ女だと明かされたから

まぁ、そうだろうな


とりあえず性別を明かして、修行は始まった




俺達は裸で滝で、精神統一する。

霊力が体内をまわるようなイメージをする事も大事だ。


灯が聞いて来る


「これ裸じゃないとダメなのかな?恥ずかしいよ。」


「恥ずかしさを克服する事まで含めて、修行だ。」


恥ずかしさに精神が持ってかれるようでは

まだまだ未熟だからな


強子は顔を真っ赤にしている

だけど何も言わない

強子の性格上、強がっているんだろう


そしてクリスはこんな時でもマイペースだ。

そこが知れないな。




俺達はそれぞれ得意な事は違うと言う事で。

滝での修行の後は分かれて修行する事になった




私、クリスは~霊力が使えないんだ。

だから滝での修行を続ける

霊力を纏えるようになるように


そうすれば強くなれるから。


精神統一だよ




私、強子は熱パワーを鍛えるわ

ゴムに熱はまったく通用しなかったけど

ゴムにも通用するような熱が欲しい。


私は体に熱をまわらせる


「とりゃぁ!!」




私、灯はとにかく基礎を上げる

霊力の集中だ、霊力が上がれば筋力も上がるからね

座禅し意識の集中をする


大人しくしているのは苦手だけど

修行だから仕方ないよね!!




俺、十兵衛は今でお父様から習った修行法をすべてやる

滝での精神統一、座禅、組手は、今は相手が居ないから

素振り


「戦士としてのレベルを上げる」


でもそれだけじゃ、不足な気がする

なんか必殺技、新必殺技を編み出さなければ…


俺は拳に霊力を集中させてみる

これを放出させれば強くないか?


俺は拳に霊力を集中させて、放出させようとした。

だが1回では出来ない。


「1回で出来ないなら、もう1回だ。

 何度でもやってみる!!」


俺は拳に霊力を集めて放出する。

そんな練習を何回もやった




山でそれぞれ修行して、ご飯は一緒に食べて

そんな生活が1年続いた。


1年後、俺達は見違えるように強くなっていた


「よし、俺達はだいぶ成長しただろう。

 強くなれた。」


「だね、だけど成果を試す場がなきゃつまらないよね。」


灯は笑顔でそう言った

何が言いたいかは分かる。


「俺と組手で腕試ししたいんだな?」


「当たり♪」


俺は構えた、灯も構えた


「け、喧嘩はダメだよ~」


クリスが止めようとする

だが強子がそれを止める


「喧嘩じゃなくて組手よ、やらせておけばいいわ。

 あの2人はライバルでもあるのだから」


灯はまず俺から距離を取った

そして霊力を放って来た


俺はその霊力を、霊力を込めた拳で叩き落しながら、灯に向かって進んで行く。

灯はさらに距離を取った


「距離さえ取れば、君は無力。証明済みさ。

 くらえ霊力の放出!!」


灯は霊力を放出しまくって来る

連続で撃って来る


俺は拳に霊力を込めて、その霊力を放出した!!


「え?ごほっ!!」


その霊力は灯の腹に当たった

灯は倒れた


強子は驚いている


「十兵衛が、霊力を放出した!!」


クリスはマイペースだ


「すごい技術だね~」


俺は灯に手を差し伸べた


「放出技、俺も覚えたんだ

 お前だけの十八番じゃなくなった、って訳だな」


「悔しい、放出技を君が使うなんて。

 そして君に負けるなんて」


でもまぁ…


「今回は虚をついたから当てれただけで、放出技。

 お前ならかわすなり迎撃するなり出来ると思うぞ?」


「そういうフォローいいから!!みじめになる!!」


フォローは逆効果か。

難しいもんだな。


強子は言った


「とりあえず私達強くなれた事には間違いないわ。

 今度は死者を殺しにじゃなく、死者を救いに行きましょう。

 始めは、七死者最後の死者よ。」

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