ぼくの日記

@523-2964

プロローグ

これは、ちょっと前のぼくの話。


真っ白だった。無垢で、高潔な、純白。だからこそ他の色を拒む白。昨日の雲ひとつない晴れた青が嘘みたいだった。

「どうしたの?」

ぼくの目の前に真っ白な雪を拒むひまわりの黄色。あたたかい笑顔。求めていたものだ。一瞬、なにがおこったか分からなかった。でも、助けて欲しくて、あたたまりたくて、つい返事をしてしまったんだ。

お母さんとはぐれて、ひとりぼっちなの。寒くて、怖いの。助けて。

「迷子かぁ…そうだよね。寒いし、見通しも悪いし、今日はお母さん探せないなあ。」

え…

「うち、くる?あったかいし。」

あったかい…ところ?

「うん!たべものもあるし〜」

たべもの?!

「どう、うちに来る気になった?」

うん!

「そうか、なら行こうか」



そうしてぼくたちは、始まったんだ。

______________

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