ブラッドとジェニファーの5分クッキング!

うましか

***


「ハーイ!始まりましたぁ!ブラッドとジェニファーの5分クッキング!!!司会のブラッドとぉ!?」

「ジェニファーよ、よろしく!」


(拍手)


「さあジェニファー、今日は一体何を作るんだい?」

「今日のメニューは"餃子の炊き込みご飯"よ!」

「餃子だって!?ボクは餃子が大好きなんだ!…四国のどこかでCMしているのに関西でしか売っていない店のとかベリー好きなんだ!」

「シコク!?ホワッツシコク!?」

「アメリカで言ったらテキサスみたいな所さ!フィッシュとラーメンがベリーウマイんだぜ!?」


「それは是非ともデートに行ってみたいわ、ブラッド!」

「どうだいジェニファー、この収録がボクと一緒にシコクに行かないか?」


「駄目よ、心の準備ができてないわ。」

「だったらその準備ができるまで待とう、しかしタイムイズマネーだ。このクッキングの間だけしか猶予が無い。」

「そんな事言われたらもっとドキドキしちゃう!」

「楽しい事は常にドキドキしながらやるものだぜ?」


ここで「はよ料理始めて」のカンペ。


「おっとジェニファー、このまま君と何時間でも素晴らしい時間を過ごしたいが、番組の時間にはリミットがあるんだ!」

「残念、でも余裕が欲しいわ。」


「実はこの短編というのは作者が気の置けない仲間達と作品を品評し合おうっていう話で書いているんだが、何を隠そう今この文章を書いている時間が〆切2時間前なんだ。2作品出せるみたいなんだが、この作者がもう1作品の方に時間を使い過ぎた所為で僕達には時間が無いんだよ。」

「タイムイズマネーね、時間の使い方はもっと考えなきゃいけないわ。」

「そう、タイムイズマネーだ!…って事で早速料理を始めよう!」


__________


餃子の炊き込みご飯


材料(2人前×2食分)


ご飯…2合

餃子…8個

卵…2個(お好みで)

刻み葱…適量

醤油…大さじ2杯

砂糖…小さじ1杯

料理酒…大さじ1杯

粉だし(かつお風味)…大さじ1杯

__________


「さあジェニファー、まずは米を炊く準備をしよう!」


ここでスタッフのカンペ出現、「台の下に研いだお米置いてます」と記載。


「見てブラッド!ここに研いだお米があるわ!」

「何だって!?この番組のスタッフさん達はどこまでボク等に優しいんだ?これならもう水と調味料と具材を入れてスイッチを押せば完成じゃないか!」

「そうよ!まず水を炊飯器の2合の目盛りまで注いで、次に調味料。これはしっかり混ぜてね。そして冷凍の餃子を8つ並べて刻み葱を入れて蓋をして…、スイッチを押したら後は待つだけよ!お好みでご飯を炊いてる間に卵なんて炒めてみると、炒飯風になってイイ感じになるわ。」


「炒飯だって!?これはイイ!ボクは炒飯と一緒じゃなきゃラーメンが食べられない程に炒飯が大好きなんだ。」


ここでまたスタッフのカンペ出現、「完成品が炊飯器ごと台の下にありまっせ」と記載。


「そして~、ここに完成品がありまーす!」


またまたスタッフがカンペを挟んでくる、「炊飯器に入れたのは後でプロデューサーのご飯になるので置いといてね」だそうで。更に「もう1品用意してね」と書かれてあった。


「凄いよジェニファー、蓋を開けたらいい匂いがするじゃないか!これをしゃもじで混ぜたら…、見てくれ餃子の肉汁も空溢れてきて…!一体これはどうなるんだい!?」

「駄目よブラッド!これを食べたら私達もう普通のご飯じゃ満足できないわ!」


※ここいらの件は毎回やってます、あんまり真に受けないで下さい。


「待ってくれジェニファー、本日はもう1品追加で紹介するぜ!何とこの炊き込みご飯に合うフルーツスムージーを用意させてもらうよ!」

「そんな事したら、炊き込みご飯の味をフルーツとヨーグルトの味でリセットして、何回でも楽しめちゃう!私嬉しくてモジモジしてきちゃった!」


__________


フルーツスムージー


材料(2人前)


ヨーグルト…50cc

牛乳…100cc

りんご…1/2個

キウイ…1個

みかん…1個

バナナ…1本


__________


「さあジェニファー、果物を切っていくよ!」

「待ってブラッド、今回は包丁が用意されてないの!」

「…何だって!ボク達は決して包丁を悪い事に使いやしないのに!」


「昨日プロデューサーが家で1人の時に強盗が入ったみたいで、その時に突き付けられた包丁がトラウマになったみたい。色んなモノが盗まれたみたいよ。」

「それは大変、早く犯人が捕まる事を祈るばかりだ!それ以上にプロデューサーに早く元気になってもらいたいからシコクのフィッシュとラーメンを今度ご馳走しよう。…ところでジェニファー、君が今日チャイナドレスを着ているのも、プロデューサーを元気にするためかい?」

「そうよー。どう似合ってる?」


「おっとこれは、テレビの前の皆を元気にしちゃいそうだ。…ボクも元気が溢れて、包丁なんて無くてもリンゴを潰せちゃうぜ!ほらっ!」

「凄い握力だわ、ブラッド!丁度ミキサーも無かったから助かるわ!」


※善良な皆様は絶対に真似しないで下さい。


「この調子で残りも全部握り潰して、後は全部混ぜてしまえば完成だ!何故かあったボウルと泡だて器を使えば、これはもう立派なスムージーだ!」

「凄いわ!ある物で何とかする精神って!」


「さあ完成だ!時間は少ないから、早く頂こう!」


「そうね。…何これ、凄く美味しい!ご飯にも餃子の肉汁が染みてる!」

「このスムージーもイカしてるよ!握り潰したから果物の粒粒がシャキシャキしてアクセントになってる!」


この時テレビを観ている善良な皆様の目には、「本日は予算の都合により調理器具がめっちゃ足りていない状況でお送りしました、誠に申し訳ございません。」とテロップが出ている事だろう。2人が料理を美味しく頂いた所で、番組は終わりへと向かう。


「さあ、ブラッドとジェニファーの5分クッキングも今回はここでお終い!…ジェニファー、心の準備はできたかい?シコクへのフライトがボク達を待ってるよ!?」

「待ってブラッド、パジャマの用意が出来てないわ。」


「…そんな事なら、現地のホテルでバスローブを着ればいいだろう?さあ、シコクが待ってるよ!」



それではまた、次回の放送で会いましょう!


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