食べたいモノ

篝火

オススメってあったっけ??

 俺は、長い連休に困っている……。

 社会人になって早十数年、社畜の道を進んでいた。

 転職してからまとまった休みが貰えて嬉しいが、それまでは休日出勤や休みの強制禁止や返上etc...が殆どだったため、休みに何をして良いか逆に悩んでしまった……。


「……!とりあえず、昼も近いからメシでも食うか……何食おう?」

 いつもは、コンビニの弁当やカップ麺で新鮮味の無いモノばかりのため今日ぐらい美味しいモノでも食べたいと思う。


「……ン?……ンン?……アレ?俺ってもしかして、この辺の美味しいモノって何があったか知らないのでは!?」

 腕を組み瞼をきつく閉じて思い出そうと努力してみたが、何も目ぼしいお店が思い出せない!?


「何かないか?美味しいお店が何かあったハズ……だよ……な?」

 いくら考えても美味しいお店の案が出てこず、不安になって顔が強張ってしまった。


 考え中に『まぜそば』の美味しいお店を思い出してきた。

彼処あそこの『まぜそば』は美味しい、確かに美味しいのだか……昨日食べたし、別のモノを食べたいんだよな……」


 そして、また考える……。

 考える……。

 考え……。

 考……。

 

 自身のレパートリーの無さに気付き俺は、膝から崩れ落ちたのであった……。


               (完)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

食べたいモノ 篝火 @ezweb

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ