第9話 配信がバズってるよ!?
ロインって事は連絡先交換という事だろうか?
女子とはあんまり接した事ないから少し抵抗があるが、断ったりしたらチャンスがもう無さそうなので交換をする事にする。
俺はスマホを取り出し、ユキとロインを交換をする。
「よろしくね、修」
「あ、ああ、よろしくなユキさん」
俺はそう返答すると、ユキはムっとした表情に変わる。
なんかまずい事でも言っただろうか?
そんな思考を巡らせていると、ユキは口を開く。
「ユキさんじゃなくてユキって呼んでよ、それに敬語も禁止!」
ユキは少し強くそう言ってくる。
正直女の子を呼び捨てするのは少し抵抗があるが、彼女の機嫌を損ないそうなので了承する。
「分かったよユキ」
俺がそう言うとユキは満面の笑みを浮かべる。
その後、俺らはダンジョンを出ようと足を進めていると、ユキが口を開く。
「そういえば修のスキルってなんなの?」
ユキは俺のスキルが気になっている様子だった。
俺も気になる事があるしな。
ここで見せても良いかもしれない。
俺は近くにモンスターが居ないか確認してから《ステータスオープン》と声に出す。
そして出て来た画面をユキに見せる。
――《熟練度99%》――
俺のステータスを見たユキは驚いた表情をしていた。
「な、何これ? こんなスキル初めて見る……」
俺も最初は驚いた。
《熟練度99%》という意味不明なスキルを見て。
おそらく他のプレイヤーで、こんなスキルを持っている人なんていないだろう。
情報が少なすぎて探索者連合のスキル鑑定では外れスキルと鑑定されていた。
「そのまんまの意味なら、熟練度が上がりやすいって事なのかな?」
俺はそんな予想をする。
このスキルについては本当に情報が少ないため、なんとも言えないのだが。
「これって凄い当たりスキルだよ!」
「そ、そうかな?」
俺はめちゃくちゃユキに褒められる。
あんまり褒められた経験がないから照れくさいな。
「そろそろダンジョンを出よう」
「そうだね……あ!?」
「ど、どうしたユキ?」
「さっきの配信凄いバズってるよ!?」
ユキはスマホを見ながらそう話す。
もしかして俺がさっきドラゴンを倒したのを視聴者が見ていたのか。
「てことは、俺の戦闘が世界中に!?」
「そ、そうみたい」
「ちなみにどれくらい同接が来た?」
「3万人ね」
3万人……!?
3万人の視聴者にダンジョン内で俺とユキが映ったという事か。
これは明日学校で噂されるな。
「と、取り敢えず家帰るか」
俺とユキは話を終えてダンジョンから出るのだった。
―――
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