第3話 俺の外れスキル

 ダンジョンに足を踏み入れると《スキル》といった力が使える。

 

 普通は《攻撃力アップ》や《速度アップ》などのスキルだ。


 簡単に説明すると攻撃力アップはステータス欄の攻撃力がアップする。


 速度アップは走るのが速くなるといった具合である。


 《小》《中》《大》に分かれていて、一般的なスキルは《中》らしい。


 ちなみに哲也は全ステータス《大アップ》である。


 《大アップ》であれば、雑魚モンスターは一撃で倒せるし、中級モンスターでも簡単に倒せてしまう。


 普通大アップというのは珍しいらしいが、それに加えて全ステータスとなると当たりスキルだ。


 だから俺の学校にいる生徒はみんな、哲也には逆らわない。


 そんで俺は外れスキルだったので哲也の標的にされたという訳である。


 俺のスキルは《熟練度99%》という訳の分からないスキルである。


 最初は当たりスキルかと喜んでいたのだが、よくある外れスキルと鑑定されてしまった。


 そのせいでライセンスカードには外れスキルと記載され、周りから馬鹿にされる始末。


 ネットで俺と同じスキルを持っている人はいないか調べてみたが、残念ながら一人もいなかった。

 

 それもあって自信を無くした俺は一度もダンジョンに入っていない。


 だけど今日、俺は初めてダンジョンに足を踏み入れようとしていた。

 

「自分が変わっていかないとな……」

 

 そう決意して俺はダンジョンに足を踏み入れるのだった。


 ◇

 

 やはりライセンスカードを見せるときは緊張する。

 

 もし断られたらどうしようかと不安になりながらも、受付嬢にライセンスカードを渡す。


 案の定ライセンスカードを見た瞬間、受付嬢は小さな溜め息を出していた。


 だがその後は何事もなかったかのように対応して、ダンジョンに入るための手続きをしてくれる。


 そして手続きが終わり、俺はダンジョンに足を踏み入れる。

 

 ダンジョンの中は薄暗く、石や岩が沢山ある。


 そして地面は土だ。

 

「俺のステータスは……」

 

 俺は初めて《ステータスオープン》と言ってスキル画面を出す。



―――





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