『おかしやさん』

やましん(テンパー)

『おかしやさん』


 むかしむかし、ある、やーましんちの近くに、おかしやさんがありました。


 ちょっと遠くの、わりと名高いおかしやさんの支店です。


 本店は、まいちにやっていました。


 しかし、こちらの支店は、むかしは、やはり、まいにちあいていたのですが、悪いえきびょうや、せんそうがあって、ながらく、しまっていました。


 あるひ、やーましんが、さくらが咲くなかをお散歩していると、お店が開いていたのです。


 そこで、財布に中身があまりないやーましんは、おそるおそるのぞいてみました。


 わっ!


 大好きなおかしが、たくさん、並んでおります。


 やーましんは、なやんだあげくに、緑色のきれいなおかしを、2つかいました。


 おくさんと、じぶんのためにね。


 『あのお、はずかしいですが、ふたつだけでも、いいですか?』


 店員さんは、にこやかに言います。


 『もちろんです。もちろんです。ありがとうございます。』


 『さんぽみちなんですが、いつ開いてるかは、わかりますか?』


 『やっと、へいわになり、お客さんが、かえってきているのですが、まだまいにちとはゆきません。お店のホームページに、よていを、のせていますよ。』


 『ほーじ・ぺーじれすか。ははははは。』 


     😅


 『はははははは。はい、こちらが、あんないがきです。よろしくお願いいたします。ふたつで、400ドリムです。』


 やーましんは、残り少ないお財布のそこをさらって、400ドリムを、払いました。


 『じゃ、また。』


 『また、どうぞ、よろしくお願いいたします。』


 店員さんは、もっともっと、にこやかに言いました。


     🍭


 しかし、そのおじいさんは、にどとこなかったのです。


 店員さんは、ある晩、ふと思い出しながら寝ました。


 そうして、夢を見ました。


 あのやーましんという、おじいさんと、見たことのない、ちょっとお年のおくさまが、れんげばたけのなかを、仲良く手をつないで、ならんで向こうに歩いてゆくのです。


 ふたりは、店員さんに手を振りましたが、そこには、あの、みどりのおまんじゅうが、にぎられていました。


 『ああ、よかったなあ。』


 店員さんは、なぜだか、かなり、安心したのでした。


 お店は、また、繁盛したということです。



       🍡


 


 


 

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『おかしやさん』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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