なんで私が

第40話

尚巳ちゃん、久しぶりに見た。彼氏も一緒だ。相変わらず仲良しでいいですね。

学校もクラスも同じですってね。彼氏彼女みんな公認なわけね。堂々と2人で一緒にいるとか、はー、まじ見せつけんなって感じ。

「ピーチちゃーん！」

あら、尚巳ちゃん寄ってきた。

「撮影一緒なの嬉しい！」

「そ〜だね〜」

じろじろ彼氏が見てる。別に私、なにもしませんけど？

「冬、ピーチちゃんと話す？」

「結構です」

「なぁに、その言い方〜。ひどいよねぇ〜尚巳ちゃーん」

「あの、尚巳につっかからないでもらえます？」

「は？それあなたですよね？」

「冬！喧嘩しないで」

「してない。この人が睨んでくるから」

「睨んでませんけど」

めんどくせぇ、このガキ。私アイドルなんですけど。なんで私がこんなやつと喧嘩みたいなことしないといけないのよ！

「尚巳に近寄らないで頂けますか」

「私から寄ってませんけどー？」

尚巳ちゃん、こんなのどこがいーのよー

「ピーチちゃんは、ブルーベリーちゃんと仲良し？」

「え…、まぁ」

仲良しではないけど。

「いいなぁー！尚巳も仲良しになりたいー！」

「…ブルーベリーは、1人でいるのがたぶん好きなんじゃないかなー？」

「それって、近寄るなってことですか？なんであなたに言われる必要が？」

げー、彼氏まじうざ。

「もぉ〜冬、ピーチちゃんと仲良しなんだから〜」

「えー！違うよぉー嫌いだよ？」

「…なんですかその言い方」

何で私が！こんなやつと、こんなに揉めないといけないわけ！

ブルーベリーと、揉めろ！

「ピーチちゃん、冬はおこりんぼなの。許してね」

く、かわいい…尚巳ちゃんなんでこんなかわいいの？私が悪者に見えて嫌なんですけど！