第6話

「私は詳しくは知らないよ?」


「申し訳ありませんがお断りします」


は?こいつ私に言ってるわけ?


「ちょっとーふゆ。ピーチちゃんはすっごい人なんだよー?」


もっと言ってやって。


「社長直々に頼まれて〜。柴田さんは素晴らしいモデルさんだからって!」


「すみませんが無理です。辞めさせた本人なのに何考えてんだか」


「社長は知らなかったみたいですけど?」


「そんなの嘘だ」


「ねー、冬〜。尚巳やりたいよー」


「アイドルだかなんだか知りませんけど、尚巳を傷つけるやつは許しません」


「はぁ!?なにが傷つける?彼女がやりたいって言ってるんだから尊重してよね?なんでわかんないわけ?」


「…え」


しまった。素が出た。


「とにかくー、社長と一度会ってもらえるー?」


「わーい!嬉しい〜」


「…勝手に決めないでもらえますか?」


「彼女はやる気満々ですよ?尚巳ちゃんって呼んでもいー?」


「えー!ピーチちゃんが!名前!?嬉しい〜」


「おい、騙されるなよ」


「なら一緒に行けばいーでしょ?予定早く教えてくれる?私、忙しいの」


「予定!明日は?」


「いーよー?何時がいい?」


「尚巳、そんな急…」


「いーから、さっさと決めてくれる?」

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