第4話 win-winな関係

「代償者として私たちと一緒に来い。もしくは、そのままこの街と共に死ね。」


 早魔という男は、静かに語った。

その目は、獲物を捕らえた蛇の目のように思える。



 ...


 耳元で、誰かが囁いた

何だ?何の声だ?彼の声でもなかった。しかし知り合いの声でもない。

しかし、彼を知っているような....?


「今、何か言ったのか...?」


「何を言っている。早く選択しろ。」


なんだ?早魔には今の声が聞こえなかったのか?

いや、それよりだ。

代償者ってなんだ?この街と死ねだって?何を言ってるんだこいつは??


「理解できない、この街と死ねだって?つまるところ早魔さん....もしくはあの二人含めてテロリストって事なのか?記録に名前は無かった...社長が、手引きしているのか?」


「空を見てみろ。」


彼の言う通り、空を見上げる。


空には、月があった。この時間帯に月が見えることは稀にあったが、何かおかしい。

....二つ目だ!二つ目の月がある!?


空には、


「俺の能力....【神の二つ目】。 神はお前を見ているぞ。」


「な、なに言ってるんだ....?」


 厨二病とかいう奴か....?

そうとは思えない。実際に、月が二つ...?浮かんでいる。

それに、代償者?能力?何を言ってるんだ...?

だが...少なくとも今、脅されていることは分かる。


 脅されているなら、

それに、ある程度この男について分かってきた気がする。

win-winな取引と行こうじゃないか....!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る